世界の神話入門 (講談社学術文庫)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065242551

作品紹介・あらすじ

いつの時代も私たちを惹きつけてやまない神話。
文学や絵画はもちろんのこと、現代でもアニメやゲームのキャラクターとして神話のモチーフは取り入れられています。神話の知識がなければ興味は半減してしまうでしょう。
神話が人を楽しませ、ときには人を感動させるのは人間世界の真実の断面を私たちの目の前に投げ出して見せてくれるからです。神話は人間そのもののあり方、本質に迫ろうとします。そして倫理や法などの根本理念を考えさせます。
西洋古典学の第一人者が世界の神話の成り立ちや共通点を、ギリシア神話を中心にやさしく紹介する、神話を味わうために最適の一冊。(原本:『入門・世界の神話』講談社、1965年)

目 次
はじめに
第1章 神話のさまざま
1 大蛇退治――アポロンと素戔嗚尊
2 花物語――ヒヤシンスとすいせん
3 星座――天に上ったくまの母子
4 七夕祭り
5 湖畔に立つポプラとかしの木

第2章 神話の成り立ち
1 裁く神から踊る神まで
2 『死と少女』
3 金色のひつじの皮衣
4 オデュッセウスと百合若
5 史謡の世界――トロイの木馬

第3章 世界の神話
1 永遠の生を求めて
2 ノアの大洪水
3 ピラミッドの秘密
4 美しく奥深い北欧の神話
5 さるのつくった岩橋

第4章 世界のはじめ――ギリシア神話(1)
1 世界のはじめ(天地開闢)
2 神々の誕生
3 人類のはじめ
4 黄金時代

第5章 オリュンポスの神々――ギリシア神話(2)
1 オリンピックの由来
2 銀の弓と竪琴との神――アポロン
3 処女神宮のいわれ――アテーナとポセイドン
4 海のあわから生まれた女神――アフロディテ(ヴィーナス)
5 酒と芝居の神――ディオニュソス
6 商人とどろぼうの親方――ヘルメス神
7 月の女神アルテミス

第6章 海と地下の神々
1 ほら貝ふきのトリトオン
2 六粒のざくろの実

第7章 英雄時代
1 ヘラクレスの一生
2 迷宮と牛人退治
3 スフィンクスのなぞ
4 白鳥の皇子
5 さかはぎの駒

第8章 日本の神話
1 よみがえり
2 日の御子
3 海幸彦と山幸彦
4 因幡の白うさぎ
5 金色の鵄

第9章 伝説と史実
1 トロイア遠征の伝説
2 帰還の物語
3 説話の世界
4 神話の永遠性
5 神話と現代

索引

感想・レビュー・書評

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  • 小説や映画を楽しむための基礎知識習得のために読んでみた。世界中どこでも神様のすることに大差はなく、人の想像力にも大差はないような気がした。

  • 読んだ本 世界の神話入門 呉茂一 20230818

     この人の本か文章をどこかで読んで、解りやすいなって印象が残ってて、手にしました。この手の本って、案外と読み易く書いてくれる人って少ないんですよね。古事記だと三浦佑之が読み易くて結構読んだんですが、なんか同じ匂いがします。
     読んでみるとやっぱり読み易くて、読み易いと何がいいっていろんなつながりが理解しやすいんですよね。でも、ギリシャ神話から日本神話までそれこそ世界の神話が詰まってるので、今度ギリシャ神話を買ってみようと思います。
     ちなみに、世界の神話も、部族ごとに神がいて、それが衆合していく中で、ひとつの神話に統合されていくっていうのが、やっぱり日本神話も含めて、国というものの成り立ちと不可分なんだなってことと、単純に天地創造や英雄神話なんかも、やっぱり日本神話も含めて、共通した話が多いなってのが感動です。これって偶然じゃなくて、影響を受けてるってことで、エーゲ海の神話が日本に影響を与えているって、昔は世界が案外小さかったんじゃないかって。交通手段の不備なんかより、国境なんかの方がよっぽど世界を遠いものにしちゃったんでしょね。

  • ↓貸出状況確認はこちら↓
    https://opac2.lib.nara-wu.ac.jp/webopac/BB00282844

  • ギリシア神話の雰囲気を掴もうと思って読んだ、その目的は果たされたし、終盤にあった神話がその民族の無意識的な部分の表われであるというような記述は、たとえばオイディプス王の物語からエディプス・コンプレックスの概念を導く術に(無意識という語彙との連関ではなく、神話が匿名的で人間に普遍の要素を示すという点で)納得感をあたえるものだった。

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/768154

  • ・極楽はだいたいエリュシオンという、いつも春のような楽しいところで、野原か島かはっきりせず、いつもよい音楽が鳴り響き、食べ物や飲み物がいっぱいあり、むかしからの英雄や豪傑・賢人やすぐれた詩人・音楽家などがそこに集まっている、ということでした。

    ・運命の女神たち。それはだいたい三人で、モイライと呼ばれ、人間の運命の糸を引き出すラケシス、それをつむぐクロートー、それを断ち切るアトロポスの三女神です。

    ・神話は神話として価値があり、その価値はまた、きわめて大きく、深いものと考えられます。一方、神話は歴史とかならずしも無関係ではなく、ことに内的には、きわめて深い関連をもっていますが、それは科学的な史実とは、またまったくちがうものであるのも、いうまでもないことです。

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著者プロフィール

1897-1977年。東京帝国大学英文科卒業。卒業後は,オックスフォード大学,ウィーン大学で西洋古典学を専攻。東京大学教授,名古屋大学教授,ローマ日本文化会館館長を歴任。著書に『ギリシア神話』,訳書に『イーリアス』,『オデュッセイアー』,『ギリシア抒情詩選』ほか多数。


「2021年 『世界の神話入門』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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