潔白の法則 リンカーン弁護士(上) (講談社文庫)

  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065249888

作品紹介・あらすじ

マイクル・コナリー邦訳最新作。本作はミッキー・ハラー・シリーズ。
ボッシュがミッキー・ハラーと共演。

感想・レビュー・書評

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  • マイクル・コナリー『潔白の法則 リンカーン弁護士(上)』講談社文庫。

    リンカーン弁護士ミッキー・ハラー・シリーズの第6弾。

    2020年の作品。このシリーズにもコロナ禍が描かれることになろうとは。

    相変わらずリーダビリティーは高いが、ストーリーはありふれているようにも思う。下巻を読まないとこれ以上の評価は出来ないが……

    ミッキー・ハラー最大の危機にハリー・ボッシュや元妻、元カノ、仲間が集結し、ハラーの容疑を晴らそうと奮闘する。誰がやったのかを証明することが潔白の法則ということか。

    あろうことかミッキー・ハラーが殺人容疑で逮捕される。ハラーのリンカーンのトランクから見知らぬ男の射殺体が見付かり、自宅のガレージからは銃弾が見付かったのだ。収監されたハラーは自分自身を弁護するための本人訴訟に挑む。

    ハラーを見舞った最大の危機に、ハラーを助けようと集まったハリー・ボッシュ、ハラーの元妻や元カノと仲間たち。彼らはハラーの潔白をどのようにして証明するのか。一体、誰がハラーを罠に嵌めたのか。

    定価990円
    ★★★★

  • 相変わらずのMHだが、今回は自分の弁護とのことでやや重々しい。下巻に向け波乱の予感。

  •  法廷で有罪かそうでないかは証明されるけれども、無罪であることの証明はされない。有罪ではない無罪(=潔白)を証明することに法廷では使われない。タイトルの意味はそういうことだそうである。

     本書はおそらくリンカーン弁護士のシリーズ中ベストの作品となるだろう。ベストでなくても最も印象深い作品であることは間違いない。Most Impressive Work!

     ぼくは昼間にこの作品を読み、夜にはNetflixで日本語字幕版ドラマ『リンカーン弁護士』のシーズン1(原作では『真鍮の評決』に当たる)を観ていた。この前にはAmazon Primeで『ボッシュ: 受け継がれるもの』を観ていたから、コナリー漬けの幸せに浴していたことになる。どちらもコナリー自身が製作に関わっていることもドラマのテロップから確認できる。

     いずれにせよ困ったことにぼくの中ではずっとリンカーン弁護士のミッキー・ハラーを演じるのは、これまでずっとマシュー・マコノヒーだったので、今回のドラマ・シリーズでマヌエル・ガルシア=ルルフォとかなりイメージが変化したことに最初は混乱した。しかしドラマも観続けると不思議なことに、後者の俳優の顔がイメージとなりそのまま現在の小説作品にもその顔でイメージされるようになってしまった。申し訳ないけれども、マコノヒーよ、さようなら。

     さて本書『潔白の法則』の凄さである。運転中のミッキー・ハラーがパトロール警官に突然停止を命じられ、ナンバープレートが付いていないことを指摘される。ミッキーが不思議がっているうちにトランクから血が滴り始める。ホールドアップを命じられるミッキーの車からはごろりと死体が。

     次のシーンは数か月後、既に収監され容疑者となり何か月か経過したミッキーの境遇。彼の裁判がスタートする。いよいよ本書の主要ストーリーが展開されるのだ。

     ミッキーの弁護士は彼自身。容疑者である自分を弁護する。怪しさといかがわしさに満ち溢れる検察側チームに対し、こちらは並み居る仲間(過去妻たち、調査員シスコ、さらに腹違いの兄弟であるボッシュ)たちがミッキーのサイドに加わり、心強い限り。

     しかしこの裁判を逆転に持ち込み、真実の究明を完遂するのは相当に難しい。無実であることがわかっている主人公の一人称文体で進む法廷劇。その裏側の駆け引き。何が真実なのかは、最初はとても遠く感じられる。しかしチームの必死の活躍により、徐々に真実が手繰り寄せられる感覚は、本書を読書することにより得られる最大の醍醐味である。

     シリーズ最大のピンチだからこそ、得られるミッキーと彼の仲間たち、個人的な女性関係、娘との親子関係等々、プライベートな変化も含めて楽しめるファミリー・ゲームでもある。そして巨悪との命がけのやりとりである。中でも休廷期間に収監を余儀なくされるミッキーに迫る拘置所内の恐怖などは、なかなかシリーズでも味わえない感覚である。

     手に汗握る展開といつもながらの法廷逆転ドラマとが融合する近年稀に見る傑作である。コナリーはどのシリーズもハイレベルを維持して疾走する作家だ。つくづくそう感じる。驚愕と尊敬の念を込め、この作家を一作残らず今後も追い続けようと思う。

  • 高級車リンカーンをオフィス代わりにしている刑事弁護士、ミッキー・ハラーが殺人容疑で逮捕された。
    被害者の射殺体はハラーの車のトランクにあり、銃弾が彼の自宅ガレージで見つかったのだ。
    収監されたハラーは、自分自身を弁護する本人訴訟に臨む。
    彼を救うため異母兄ハリー・ボッシュや元妻たちが集結。

    久しぶりのリンカーン弁護士シリーズ第6作。
    下巻に続く。

  • コロナ禍の初期段階の背景に時代が進んできた。
    自身で弁護するという今までと違う展開。
    出だしから事件が始まったものの、捜査はゆっくりペースな感じだけど下巻はどうなるかな。

  • ネットフリックス・シリーズ「リンカーン弁護士」原案。ミッキー・ハラーに殺人容疑が。

  • 感想は下巻で

  • コロナ禍の背景が入ってるのがいい。ハラーの元依頼人の死体がハラーの車のトランクで見つかり、ハラーの殺人容疑での裁判が始まる。ハラーが被告なのが面白い。ケンドールやボッシュも登場とファンが嬉しい要素ある。前に登場した組織犯罪の人物が怪しいというのもシリーズファンには面白い。

  • 出すぎる杭は打たれる・・・

    まさに、リンカーン弁護士ことミッキー・ハラーは出すぎた杭なんでしょうね?警察・検察サイドから見れば。ミッキーが、殺人の容疑を受けて習慣までされるわけですが、ミッキーの事務所の全スタッフと、異母兄ハリー・ボッシュの力を借りて、検察サイドに無罪ではなく無実を求めて戦いを挑みます。

    やっぱり、面白いです。あっという間に読み終わってしまいました。下巻で解決するわけですが、どう解決するのか?

  • またストレスフルな展開を、と思わせたが、半分前に出られた。

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著者プロフィール

Michael Connelly:1956年生まれ。LAタイムズ元記者。代表作としてはボッシュ・シリーズ、リンカーン弁護士シリーズがあり、当代随一のストーリーテラー。

「2023年 『正義の弧(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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