新型コロナワクチン 本当の「真実」 (講談社現代新書)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065256794

作品紹介・あらすじ

免疫学の第一人者として絶大な信頼を得ている著者が、最新の科学的エビデンスをもとに新型コロナワクチンの有効性と安全性を徹底分析。これ1冊読めば、ワクチンに対する疑問と不安がすべて解消する新型コロナワクチン本の決定版!

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策の切り札と期待されている、新型コロナワクチン。現在、日本で接種が進んでいるファイザー製ワクチンとモデルナ製ワクチンは、発症予防効果約95%という驚異的な効果を持つ一方で、ウイルス遺伝子の一部を使う世界初の本格的なmRNAワクチンであること、開発期間が極めて短期間なこと、従来のワクチンに比べて、副反応の発生頻度が高いこと、などが相まって、接種に不安を持つ人も多い。
新型ワクチンは本当に効果があるのか? 
本当に安全といえるのか? 
将来予期せぬ問題が発生することはないのか? 
英国型変異株(アルファ株)や」インド型変異株に対しても有効なのか? 
など、誰もが知りたい情報を、日本を代表する免疫学者である著者が、最新の科学的エビデンスをもとに平易に解説する。

本書の内容

序文
プロローグ 新型コロナウイルスはただの風邪ではない
第1章 ワクチンは本当に効くのか?
第2章 ワクチンは本当に安全か?
第3章 ワクチンはなぜ効くのか?
第4章 ワクチン接種で将来不利益を被ることはないのか?
第5章 平穏な日常はいつ戻ってくるのか?
第6章 新型コロナウイルスの情報リテラシー
第7章 「嫌ワクチン本」を検証する
第8章 新型コロナウイルス感染症の新たな治療法、そして未来

感想・レビュー・書評

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  • コロナワクチン解説本 接種を勧める一冊と接種を勧めない一冊 どちらもベストセラー | ニュース | Book Bang -ブックバン-
    https://www.bookbang.jp/article/701088

    ワクチンに慎重だった免疫学者が考えを変えたワケ【新型コロナウイルスを知る一冊】: J-CAST 会社ウォッチ【全文表示】
    https://www.j-cast.com/kaisha/2021/08/27419011.html?p=all

    『新型コロナワクチン 本当の「真実」』(宮坂 昌之):講談社現代新書|講談社BOOK倶楽部
    https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000356343

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      まるでイデオロギー闘争、医師間のコロナ分断:日経メディカル
      https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/...
      まるでイデオロギー闘争、医師間のコロナ分断:日経メディカル
      https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/series/taniguchi/202203/574247.html
      2022/03/22
  • 夫が図書館で予約していたので私も読んでみました。
    コロナワクチンがいかに有効で、安全なものかが語られています。

    マスコミに頻出する専門家を名指しで批判する記述には驚きましたが、それは著者の自信からくるものなのでしょうね。

    去年出版の本なのでオミクロンについては書かれていないのですが、私たちの免疫系は、スパイクタンパク質(1200個のアミノ酸で構成)全体で認識するのではなく、スパイクタンパク質を構成する5~8個のアミノ酸の配列を見て自分由来のものか否かを認識するそうなので変異株にもある程度の効果は期待できそうだということがわかりよかったです。

    また、一度感染すると変異株であっても再感染する率は8割以上減少するので、ワクチンに近い効果があるように見えますが、調査をすると、初回感染で出来る抗体量には個人差があり、ワクチン接種ほど強い均一な抗体産生ではないとのことで、そういう意味でもワクチン接種をすすめていました。

    私の周りではワクチン接種をもう一度するのは当たり前ぽい雰囲気なので、ワクチン全体の不信というよりは変異株での効果、万一感染した場合でも接種するの?などの素朴な疑問は上記の通り解消できたのでよかったです。

    それと、日本のワクチン開発が遅れた理由なども述べられており、読み物としても興味深く読むことが出来ました。
    (日本は1970年代にワクチン接種後の健康被害が大きな社会問題となり、集団訴訟がいくつも起こり、東京高裁も過失を認め国に賠償を命じる事態になったことで、国はワクチン接種による薬害リスクを恐れ、新たなワクチンの認可に消極的になる。これに伴い製薬会社でもワクチン開発の熱が薄れ約20年が過ぎてしまい、これが今回の海外との開発の差であり、日本がワクチン後進国になってしまった理由だそう)

  • 免疫学を専門としている宮坂昌之(まさゆき)先生の本。わかりやすくまとまっている。

    発症時点でのPCR陽性率62%、3日目で80%で100%ではない。
    2次感染は発症5日までに多く、主に7日目までに感染性を有する。発症前に感染させる可能性があることに注意が必要。

    mRNAはタンパク質を合成する指令を写し取ったもの。タンパク質に翻訳される遺伝情報を含む。

    ワクチンを接種してはいけない人は、アナフィラキシーなどの重度の過敏症の既往がある人、明らかに発熱している人、重度の急性疾患に罹っている人。その他、厚生労働省のホームページには注意が必要な人。

    ワクチン後の不利益は副反応と有害事象を区別する必要がある。接種による副反応は接種部位が腫れた、アナフィラキシーを起こしたなど。副反応疑いで報告の対象となるものには、偶発的か因果関係があるかわからない事例が含まれる。接種翌日に発熱、接種翌日に急病になった、持病が悪化し死亡したなど。
    有害事象はこれらに加えて、さらに広く、あらゆる好ましくない症状をさす。接種翌日に歩行中、自転車と接触に怪我をした。料理中に包丁で指を切った。

    体の免疫は自然免疫と獲得免疫がある。mRNAワクチンは自然免疫や獲得免疫を強く刺激するだけでなく、獲得免疫の抗体が多少会わなくなっても、抗体に頼らないキラーT細胞などを刺激して細胞免疫の力も利用しながらウイルスを抑え込むことができる。最近は自然免疫も異物に繰り返しさらされると免疫応答が強くなることがわかっている。(訓練免疫)

  • コロナワクチン本の決定打!正しい知識を素人にもわかりやすく説明しています.嫌ワクチンのトンデモ本が多く売れている中,こういう良書が多く読まれることを期待します.

  • 11月4日読了。図書館。

  • さすがに素晴らしい内容だった。
    情報リテラシーに関して言えば、わかっている人から見たら当たり前の話なんだけれど、わからない人が多すぎるし、わからない人も正しい情報のあつめ方がわからない。元感染研とか、CDCとか、◯◯大学教授とかいうと、なんの疑いもなく信用してしまうのも無理もない。
    著者には、このテーマだけで一般向けの本を書いてほしい。

  • コロナワクチン推進派として有名な免疫学専門家の宮坂昌之氏の本。一般向けのコロナワクチン解説書の中では、最も詳しくワクチンについて解説しているように見える。
    専門的な立場から根拠を挙げてワクチン反対派を厳しく批判しており、十分納得できる内容であった。

    但し、コロナやワクチンに関する情報はどんどん更新されているので、「ワクチンの効果は少なくとも1年間は保つだろう」とか「ワクチン先進国で感染している人の殆どが未接種者」とか、「3回目のワクチン接種は当面不要だろう」との主張は古くなってきている。

  • ファイザーとモデルナのワクチンは効果高い。感染予防・発症予防・重症化予防に期待できる。コロナウイルスは人間の細胞に結びつきやすいスパイスタンパク質ありトゲトゲしている。そのため王冠コロナの名を冠している。mRNAはスパイクタンパク質を脂で覆うことで感染を防ぐ(中和抗体)。コロナの感染は発症前の三日間と発症後の五日間が感染しやすくそれ以降は減少する。
    変異株に対してワクチンが効かないという論調があるが2回摂取すれば十分効果があることが証明されている。一回だと弱い。
    ワクチンによる副作用は若年層ほだほど症状が出やすく女性の方が出やすい。免疫力が高いほど強く症状にでる。副反応と免疫力は比例しないので高齢者に免疫がつかないということではない。解熱時は副作用が出てから。予防的に実施することは免疫力の立ち上がりを阻害する可能性があるため避けること。
    ファイザーとモデルナなど違うわくちんを組み合わせる雑種免疫の方がより強い免疫力をつけるという研究も進んでいる。
    ウイルスには抗原と呼ばれる目印が付いておりコロナは1400こある。多少変異しても目印があるためワクチンが効かなくなることはない。
    ワクチンには生ワクチン不活化ワクチンがありインフルエンザは後者。コロナには他の方式が利用されている。mRNA、ベクター、DNAがある。mRNAはスパイスタンパク質を作り獲得免疫を得る方法。毒性はもちろんない。
    長期的な影響について。mRNAによって作成されるタンパク質は体内で分解されるのでない。セントラルドグマという原則もありDNA→mRNA→タンパク質の流れは不可逆なので子供に遺伝することはない。
    抗体。善玉悪玉役なしがある。抗体ができれば良いということではない。スパイスタンパク質とace2の間に抗体ができれば善玉、関係ないところにできれば役なし、ace2以外の人の受容体との間にでき、それが結びつきを強めた場合は悪玉。エイズは役なし。
    一度かかれば二度かからないか。微妙。全体で見れば80%強かからないが、高齢者に限れば半数。人によって抗体の数もまちまちなので安心とは言い切れない。
    マスク。吸い込み吐き出しの量を減らすことができる。不織布が一番。フェイスシールドはほぼ効果なし。
    ブースター摂取。抗体が5-10倍になるとの結果だが、必要かどうかは続報を待たないといけない。中和抗体は期間とともに減るが、しぜんmwんえきwと獲得免疫は残る。この点をどう考えるか。免疫が高まるということは副反応も高まるということ。現時点では何も言えない。
    治療薬も開発されている。ヒトモノクロナール抗体。抗体を持つ人から抗体を取り増やしてそれを投薬する。ワクチンにして良くないか?自然免疫ふやすにはmRNAのがいいのか?

  • 私は信頼できる本だと思った、

    この本は信頼できると思いました。理由は確固たるデータから分析して筆者自身が正しい見方で物事を理解しようとしているからです。

    専門的な内容は難しくてまだ理解ができていませんが、この本は信頼してもいいと思えました。

    前にコロナについて社会的な観点から考察した本を読んだことがあるのですが、根拠が不明確で分かりずらく、データが十分ではありませんでした。
    筆者の偏見が混じったような本で嫌気がさしていたので、このようにデータを明確に示している本は良いと思います。

    もちろん、新型コロナはまだ終息していないし、まだ不明確な所ばかりですが、不明確だからこそ簡単に予想を口にしないところがいいと思いました。

    嫌ワクチンの感情を持っている方にぜひ読んでいただきたいです。

  • コロナワクチンのしくみが、要領よく説明されていて、理解しやすい。

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著者プロフィール

宮坂 昌之(みやさか まさゆき)
大阪大学免疫学フロンティア研究センター招へい教授。一九四七年長野県生まれ。京都大学医学部卒業、オーストラリア国立大学大学院博士課程修了。金沢医科大学血液免疫内科、スイス・バーゼル免疫学研究所、東京都臨床医学総合研究所を経て、大阪大学医学部教授、同・医学研究科教授を歴任。医学博士・PhD。著書に『分子生物学・免疫学キーワード辞典』(医学書院、共著)、『標準免疫学』(医学書院、共著)、『免疫と「病」の科学 万病のもと「慢性炎症」とは何『免疫力を強くする 最新科学が語る免疫とワクチンのしくみ』『新型コロナ 7つの謎』(いずれも講談社ブルーバックス)『新型コロナワクチン 本当の「真実」』など。

「2022年 『新型コロナの不安に答える』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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