かがやき子ども病院トレジャーハンター (文学の扉)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 107
感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (242ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065263808

作品紹介・あらすじ

坪田譲治文学賞作家の書き下ろし最新作。

簡単には治らない病気のため、長期間の入院をする子どもたちが学ぶ「院内学級」。国立かがやき子ども病院に入院中の一健(いっけん)や昴(すばる)、早弓(さゆみ)や日彩(ひいろ)たちは、同じく入院中の良志(りょうじ)が自分で考えたお話を聞くのを楽しみにしている。
談話室で良志は、「竹やぶに入ったおじいさんが……」と語り始めたものだから、聞いているみんなは、てっきり、『かぐや姫』なのかと思ったのだが、何かをしでかしたために月の国から追放された王女が、月に帰るために地上で罪をつぐなうという物語だった。王女は熱をうばわれた冷たい手で火事を消したり、病人の熱を吸い取ったり……。オリジナルの冒険ストーリーに興奮して、「さあ、王女は月に帰れるのか?」と、みんなが盛り上がったところで良志は疲れて寝てしまい、結末はわからずじまい。
とっても続きが気になるところだが、林田先生は、この王女がどうなったのか、それぞれ考えてきなさいと道徳の宿題にしてしまった。
でも、良志は、このお話をノートに書きとめていた。それさえゲットすれば、気になる話の続きもわかるうえに、宿題までできてしまう! 病院のだれかが、どこかにかくしてしまったノートを探すため、一健たちはお医者さんや看護師さんたちの目をかいくぐって、宝探しの大作戦を決行することにした!

感想・レビュー・書評

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  • 院内学級で過ごす毎日。
    退院するので、最後の想い出とたから探しをし屋上へ
    みんなは退院できなかったけど、また会おうというおちがいいですね

  •  病院に入院中、院内学級、一健(5年)、早弓(6年)

  • 小児病院の話なので、切ない気持ちになる。みんな治るという結末にはできないながら、どう着地させるのかと思った。子どもらしい、素敵な終わりだった。

  • 病院で長期の入院生活を送る子どもたちが、秘密の作戦のもとに集まり、ちょっぴり羽目を外して病院内で宝探しを決行するお話。なぜ自分だけがこんな病気なんかに、というやるせない気持ちや先に退院していく仲間たちを見送る時の複雑な心境など、とても良く伝わってくる。検査の数値が芳しくなくて、つい母親に苛立ちをぶつけてしまい、後悔する女の子。病気になったのは自分のせいではないのに「病気になってごめん」って身近な人に思ってしまう気持ちに涙が出た。なかよしさんたちの存在はとても大きい。でも確かにクラウンって見た目怖いよね…。

  •  一健が入院した子ども病院の院内学級で親しくなった良志は、自作の物語を語るのが上手だ。
     ある日『氷の王女』の語りの途中で、疲れた良志は眠ってしまった。続きが気になる一健が良志に訊ねると、続きを書いたノートを失くしてしまったらしい。そのノートを見つけるために、院内学級の子ども達が力を合わせる。

  • 国立かがやき子ども病院に長期入院している子どもたち

    5年生の一健(いっけん)は、同室の6年生良志(りょうじ)が創作した“氷の女王”のおはなしの続きが知りたくなる

    そのおはなしが書かれた良志のノートが行方不明になったことを知った子どもたちは、大人に知られずにノートを探し出して手に入れるため、秘密の作戦を計画する

    〈楽しいことは、誰かと一緒だとますます楽しくなる。しかも、それが秘密となるとなおさらだ。〉

    決行は10月31日の夜、ブルームーンの日
    はたして子どもたちのトレジャーハントの首尾やいかに

    《院内学級に通う子どもたちの、秘密の大冒険!》──帯のコピー

    ネフローゼ症候群、先天性骨形成不全症、急性リンパ性白血病、小児ぜんそく、心臓の病気など、ままならない病気とたたかう子どもたちの微妙な心理と、かれらと向き合う大人たちのかかわりを、“宝探し”をモチーフに描いた意欲作、2022年1月刊

  • 長期間入院している子供たちのための院内学級に通う子供たちのお話。タイトルに惹かれるものはあったが、内容的にはそこまではまらず。

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著者プロフィール

福岡県生まれ。講談社児童文学新人賞佳作『カラフルな闇』でデビュー。作品に、『青(ハル)がやってきた』、『鉄のしぶきがはねる』(坪田譲治文学賞、JBBY賞)、『たまごを持つように』 、『伝説のエンドーくん』、『思いはいのり、言葉はつばさ』『日向丘中学校カウンセラー室1・2』『零から0へ』『かがやき子ども病院トレジャーハンター』など。

「2023年 『つる子さんからの奨学金』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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