自然真営道 (講談社学術文庫)

著者 : 安藤昌益 野口武彦

• 講談社 (2021年12月9日発売)

作品紹介・あらすじ

丸山眞男をして「徹底的な封建社会への敵対者」と言わしめた、江戸時代唯一無二の思想家、安藤昌益。
八戸の農村から、身分制社会（階級差別、男女不平等）と、それを正当化する学問（儒学、仏教）を「天道を盗む」ものとして徹底的に批判。独特の「気一元論」や「陰陽五行説」を駆使しながら、王も釈迦も聖人も、武士も商人も農民も、すべて自然の名の下に平等であるからして、他人の生産物に恃むことなく、みずから土を耕すべし（「直耕」）と説く。
エコロジー思想や自然哲学の先達、あるいは階級社会・ジェンダー不平等批判の先駆として再評価の機運高まる「土の思想家」安藤昌益の主著を、待望の文庫化。野口武彦氏による詳細な解説と、管啓次郎氏による現代の読者のためのエッセイを付す。

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［本書の内容］
○エッセイ　管啓次郎
○「自然真営道」　安藤昌益
・大序
・私法儒書巻（抄）
・私法神書巻（抄）
・法世物語巻（抄）
・真道哲論巻（抄）
○解説　土の思想家 安藤昌益　野口武彦
○年譜

感想・レビュー・書評

[Go Extremeさんの感想 · 2022年1月20日]

エッセイ　昌益の道、土の道　管啓次郎
自然真営道　安藤昌益
大序
・私法儒書巻（抄）
道家および仙人
道可道および虚無の大道
名可名および無名
玄のまた玄
三は万物を生ずおよび数論
有物論および天.地.人
自然妙行論
孔丘、世家および贤愚の生得
孔丘、幼時の行ないおよび母の病死
孔丘、魯に用いらるおよび淵明
孔丘、妻を要る
孔丘の異相および聖人.釈迦
孔丘、周に適きて礼を老子に問う
孔丘、門人盛んおよび『論語』の初章
孔門の学盛行および師弟問答
諸国乱す、孔丘、魯を去り斉に伏す
孔丘、中都の宰となるおよび魯乱れ少政卯を誅す
・私法神書巻（抄）
制法の神道『旧琅紀』『古I記』『日本紀」および仏法到来
天神七代
二神、諸神を生みたもう
三種の神器
三社ならびに託宣
八岐大蛇および心術譬言論
・法世物語巻（抄）
諸鳥会合して法世を論ず
・真道哲論巻（抄）
私法盗乱の世に在りながら自然活真の世に契う論
解説　土の思想家 安藤昌益　
封建体制への批判
さまざまな再評価
その不明な生涯
『自然真営道』の全貌
昌益の自然哲学
昌益の人間観道と自然
天道と人道

[桜美林大学図書館さんの感想 · 2022年1月17日]

https://cool.obirin.ac.jp/opac/volume/886236

[神戸国際大学情報センター（図書館）さんの感想 · 2022年1月6日]

https://act-02.kobe-kiu.ac.jp/opac/volume/378989

著者プロフィール

1706年，秋田生まれ（諸説あり）。八戸で町医者をする傍ら，著述活動を行なう。1762年没。著書に本書のほか，『統道真伝』など。

「2021年 『自然真営道』 で使われていた紹介文から引用しています。」