ベルクソンの哲学 生成する実在の肯定 (講談社学術文庫)

著者 :
  • 講談社
2.33
  • (0)
  • (1)
  • (0)
  • (1)
  • (1)
本棚登録 : 106
感想 : 3
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065281567

作品紹介・あらすじ

「生の哲学」を提唱しノーベル文学賞を受賞した、フランスを代表する哲学者、アンリ・ベルクソン(1859-1941年)。彼は、伝統的な哲学を根本的に批判し、転覆させた特異な存在です。
その影響は、20世紀の名だたる哲学者たち、ハイデガー、ウィリアム・ジェームズ、サルトル、レヴィナス、メルロ=ポンティ、デリダ、西田幾多郎など、多方面に及びます。そして何より、生成のリアリティーを巡る思考の原理を徹底させ、ベルクソンを蘇らせたのが、ジル・ドゥルーズでした。
本書は、ドゥルーズのすぐれた読解に身を寄せながら、ベルクソンの主著を丹念にたどり、その核心を浮かび上がらせます。同時に、ドゥルーズ自身の哲学の出発点ともなった、斬新で独創的なベルクソン解釈を提示してもいます。
ベルクソンにとって実在とは、持続とは何か。どのようにして、直観によって本質的な差異を見出すのか。他者のない、否定性のない、そして外との弁証法的な統合もない哲学とは、どのようなアイデアなのか。
著者によるベルクソンの現代思想における位置づけ、主要著作を通した整理、これ以上なくクリアで精密な解読は、ベルクソンに取り組もうとする読者にとって、最良のガイドとなるでしょう。解説には、『物質と記憶』の訳者である杉山直樹氏の書き下ろし原稿を収録しました。

[本書の内容]
学術文庫版まえがき
序 論 ベルクソンの哲学とその位置
第一章 連続的で異質的な特徴――『試論』について
第二章 知覚の機構と実在する過去――『物質と記憶』について
  1 純粋知覚について
  2 記憶と認識の機制
  3 記憶の即自存在とその心理的な働き
  4 持続の存在論
第三章 分散する一者としての生命――『創造的進化』について
第四章 持続の一元論/結晶と層――ベルクソンの存在論について
あとがき
解説 杉山直樹
ベルクソン関連略年表

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 学術文庫版まえがき
    序 論 ベルクソンの哲学とその位置
    流れとしての実在
    私という実在
    忘却と継承 思想史のなかのベルクソン
    超越論性と内在性 現象学とベルクソン
    差異化という方法論 ドゥルーズとベルクソン
    統合という存在論
    内在を描く 肯定性と潜在性
    ポストモダンのなかのベルクソン
    第一章 連続的で異質的な特徴――『試論』について
    第二章 知覚の機構と実在する過去――『物質と記憶』について
      1 純粋知覚について
      2 記憶と認識の機制
      3 記憶の即自存在とその心理的な働き
      4 持続の存在論
    第三章 分散する一者としての生命――『創造的進化』について
    第四章 持続の一元論/結晶と層――ベルクソンの存在論について

全3件中 1 - 3件を表示

著者プロフィール

檜垣 立哉 1964年生。東京大学大学院人文科学研究科博士課程中途退学。大阪大学名誉教授、専修大学文学部教授。哲学・現代思想。著書に『生命と身体』(勁草書房)、『日本近代思想論』『ヴィータ・テクニカ』(青土社)、『バロックの哲学』(岩波書店)、『日本哲学原論序説』(人文書院)、『ベルクソンの哲学』『西田幾多郎の生命哲学』(講談社学術文庫)、『哲学者がみた日本競馬』(教育評論社)、監訳書にN.ローズ『生そのものの政治学』(法政大学出版局)ほか。

「2023年 『ニューロ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

檜垣立哉の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×