アンナ・コムネナ 2 (星海社COMICS)

著者 :
  • 星海社
4.50
  • (7)
  • (4)
  • (1)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 83
感想 : 3
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・マンガ (128ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065284056

作品紹介・あらすじ

「私が皇帝になって世界を平和にする!」後の西洋中世唯一の女性歴史家、ビザンツ皇女アンナ・コムネナの青春時代を鮮やかに描く!

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • ビザンツ皇女アンナ・コムネナと、彼女の周囲の人々を描く4コマ形式の作品、2巻。
    本巻では、11世紀末から12世紀の初頭まで。
    歴史作品ながら人の関係性にフォーカスをあてた作品で、その関係性が今風にポジティブで柔らかに描かれており、読んでいて幸せな気持ちになります。

    ◆裏切りと信頼
    アンナと弟ヨハネスが、同じ人物から裏切りを受ける展開が印象的でした。
    1巻から裏切り・陰謀の物語はありましたが、幼少期から様々な形の「裏切り」が身近にあったということなんでしょうね。
    アンナとヨハネスを指しての「おふたりが組んだらきっと最強ですよ」という台詞(と大きく頷きながら笑顔を輝かせるアクスーク)が印象的で好きだったので、「あぁ、こうなっちゃうのか」と思いました。

    ◆関係性
    主役のアンナはとても懐深い(振る舞いはちょくちょく攻撃的だけどw)キャラとして描かれていて、とても魅力的だけど、本作のキャラの関係性をより象徴するのは、ニケフォロスやアクスークのようなポジティブな緩衝役のように感じます。
    アンナやヨハネスといった、傑物だけどアクの強い子供たちを理解し、守り、隣に立てるニケフォロスやアクスークの存在と、そして「出会い」が凄いなと。
    実在の彼らの人柄はわからないけど、こう物語で解釈可能な逸話や実績が残っているんだろうなと思うと、歴史って凄いなと思います。
    アンナとニケフォロスの出会いも奇跡のような輝きを感じるんですが、(歴史よく知らないけど)多分ヨハネスとアクスークの出会いもまた、そうですよね。
    読んでいると、とても幸福な気分になるんですよね。
    続きが楽しみです。

  • ニケフォロスランキング好きw

  • 帝位継承者として一歩ふみだした弟のヨハネス。弟以外の兄弟には深い慈しみを示しつつ、弟には消えて欲しいと思い、それが伝わってしまっているアンナ。そんな姉弟に仲良くなってほしいと素直でまっすぐな気持ちをぶつけるアクスーク。妻アンナへの愛しさがますます増していってるブリュエンニオス。アンナは、ときに父の政策へ思いを馳せ、ときにブリュエンニオスの愛情と才能の深さにあらためて感じ入り、無意識にギーに知らない扉を開かせ、学識ある宦官に手をさしのべようとして裏切られ。皇帝には私こそふさわしいという誇りを胸に、父や夫へはまっすぐな愛情を向け、学問にはげみ、公式の場で存在を示そうとし、認められればうれしく…と。最後は、今後ヨハネスを遠征に随行させ、その補佐にブリュエンニオスが任命されるところまで。

全3件中 1 - 3件を表示

著者プロフィール

俳優・演出家・古代ギリシア音楽家・作家。北海道出身。国際基督教大学卒業。首都大学東京大学院博士前期課程中退。西洋古典学を専攻し、ギリシア悲劇を研究する。座・高円寺劇場創造アカデミー演出コース修了。著書に漫画『うたえ!エーリンナ』(星海社)、小説『百島王国物語 滅びの王と魔術歌使い』『百島王国物語 竜騎手の反逆』(星海社)がある。

「2023年 『アンナ・コムネナ 4』 で使われていた紹介文から引用しています。」

佐藤二葉の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×