- Amazon.co.jp ・本 (350ページ)
- / ISBN・EAN: 9784065285893
作品紹介・あらすじ
研究所に取り残された所員たちが次々に狂暴化。思わぬ展開を見せる「新たなゾンビ理論」とは! 日韓同時刊行の書下ろしホラー長編!
香月百合は新宿区戸山の予防感染研究所に休日出勤する。研究熱心で優秀な下村翔太や、医学博士で女性所員憧れの加瀬祐司も出勤していた。日曜なのに全所員の8%ほどの計40人が研究所にいるようだ。席に着いてWHOのサイトに接続すると、気になる報告があった。アフガニスタンやシリアなどの紛争地域で人が突然気絶し、1分前後経つと狂暴になって人を襲い始めるという。しばらくすると研究所内の大型テレビに、現実とは思えないニュース映像が映った。人が人を襲う暴動が日本各地で起こっているというのだ。いや、世界中で。WHOの報告と関係があるのだろうか。研究所は2メートルの塀で囲われているが、外が騒がしくなってきた。テレビ画面に向かって所員が呟いた。「これゾンビでしょ」。
感想・レビュー・書評
-
単純にディザスター的なノリを求めて読み始めましたが、なかなかの骨太で読み応えありでした。主人公にシンパシーを感じたし、感情移入もスムーズで思っていた以上に楽しめました。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
突如世界で同時多発的に起こったパニックは、まさしくゾンビ映画そのものだった。しかしウィルスや細菌のせいとするには不可思議なことが多すぎる。予防感染研究所に閉じ込められた研究員たちはゾンビ化の謎を解き、この災厄を収めることができるのか。ゾンビ好き必読のホラーです。
王道ど真ん中のゾンビものと思わせておいて、この理論は斬新かも。かなりのトンデモ理論だとは思うのですが、そういうことがあるかもしれない、と思わされてしまうところは少し怖いです。しかしそれにしても、並みいる研究者よりもゾンビファンの大学生の方がこの事態では頼もしく見えてしまうところが面白いなあ。でもたしかにいろんな「常識」が、ゾンビ映画で培われていると思いますもん(笑)。
ゾンビホラーとして楽しめるのはもちろんですが。研究所に迷い込んだ刑事・一条の目的に関する謎も読みどころです。彼は敵なのか味方なのか、そしていったい何を企んでいるのかにどきどきさせられました。 -
書店の本棚を眺めていたら、タイトルが目について、ゾンビ小説とか熱いな(ゾンビドラマ、アニメ漫画大好き)と思いながら購入。
わずか10数ページで起きるパンデミックから、ゾンビがはびこる世界で生き残る道を探る世界はすぐにのめり込めました。
ゾンビに勝つのは武力なのか科学の力なのか。
ゾンビがはびこる世界を短期決戦で決着をつけるお話。
パンデミックが起きて、安全な場所にいるけども家族と連絡がとれなくなった時、どういう行動をとるのかというところから考えさせられるもので、危険をおかしてでも家族を探しに行くのか、止まるのかという選択がはじめの段階で突きつけられたり、そもそも、初期の段階で、いくら理性を失ったゾンビとは言え、人間であることにはかわりないので、攻撃あるいは反撃して良いのか難しいよなぁという現実的な生々しさがあるということに気がつきました。
襲ってくるから反撃する、制圧なんて普通はできないですよね、確かに。
そして、ゾンビの謎に迫るミステリー要素もあり、ゾンビとは何なのか、なぜ噛まれたら直ぐにゾンビになるのか、対抗策はあるのかという視点でゾンビと戦っていく過程は面白いです。
ゾンビのはびこる世界は想像だけにしてほしいですが、こういう世界で生き残ることって本当に大変だと思いつつ、ゾンビがはびこる世界で少し生きてみたいと思うのはどこか日常に疲れていたり、非日常の世界を見てみたいという願望なのかなと思いました。
面白かったと素直に言いたい。
-
きっとゾンビに関する映画や小説を見たり読んだりしたことがある人は数多くいることでしょう。しかし、ここまでゾンビの根源に関して科学的に考慮した作品は今までになかったとおもいます。
ゾンビ映画を見たことがある方は、ぜひとも、この作品を手にしてもらいたいと思います。 -
読み応えのある一冊。
なかなかにホラーで緊迫感もあり、ハラハラしながらページを繰ってしまった。
途中までまったく謎だったゾンビ化現象に対し、こういう設定できたか!という見事さ。
フィクションだと信じたいが、もしかしたら現実にも起こり得るのかも?という、じんわりした怖さも残る。
とりあえず、できるだけ体は健康に若々しく、ストレスは溜めないように努めよう。 -
ゾンビ化の原因がユニークで、かつ矛盾を感じさせず、現実感のある作品だった。
-
単なるホラー/パニックものではない終わり方ですっきりとした読後感。生き残るために、必要なものがわかった気がした。こういった研究所にはいくつかいったことがあるため、イメージがしやすかった。