ピエタとトランジ (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065295809

感想・レビュー・書評

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  • 「死ねよ」って言い合うのがこんなに愛おしいシーンになる関係を描くってすごい。

  • 女子高生探偵と助手のバディものだと思い読み出したが、主人公のあまりの頭脳明晰さ故から事件を解決しない事に驚きました。
    事件を引きつけてしまい周りの人がたくさん死んでしまう性質を持つトランジと、そんなトランジと共にいるがその影響を受けないピエタ。
    突飛な設定と、現実も妄想を行き来するようなストーリー展開で、正直ついていけまけんでした…

  • 短編集『おはなしして子ちゃん』に収録されていた「ピエタとトランジ」のその後を描いた作品。
    主人公の2人のヒロインのキャラクターが立っているので、いくつかちょっとした事件を並べておけば、場面設定を大きく変えずに連作短編として十分一冊の本にまとまったと思うんだけど、あえてそれを行わずに2人に年を重ねさせ、世界を巻き込んだディストピアに発展していく形にしたのはとても良かったと思う。
    探偵を主人公にしたミステリー小説だと、なぜかその周囲で必ず事件が起きるというある種の「お約束」があるんだけど、本作はミステリーの体裁をとっていないにもかかわらずその設定を踏襲しているのが、何とも皮肉めいていて面白かった。
    個人的には意図的に表題作をラストに持っいく必要は無かったような気がするのと、途中ちょっとダレた印象もあり、本作が藤野さんの代表作かといえばちょっと違うと思うけど、それでも十分楽しく読めた。

  • 探偵モノで起承転結のある短い話ばかりだから読みやすそう、という印象だったのにまったく逆で、最後まで読んでれば犯人もトリックもわかってめでたしで終わるような生易しい小説ではなかった 始まったと思ったら終わるし 書かれている裏に三倍くらい他の情報があって何が起こってたの?と読み返したりしてすごい時間かかった
    ほんとに書かれてることが起こったことなのか、どこからどこまでが妄想なのか全部読み終わってもわからない…個人的に後半はほとんど妄想かもと思う
    読んでて主人公はあんまり好きじゃないままだったのにふと思い出して考え込んでしまうようなフレーズばかりだった

  • 読後のこのなんとも形容しがたい気持ち。
    最近読んだ中では抜きん出たインパクトだった。
    想像していたこしらえとは全然違ってたなー。
    おもしろかった。

  • おはなしして子ちゃんに収録されてるのを読んだのでそれら全般に対して!

    ・私の不在さえも、私たちの部品となって機能している(うろ覚え)みたいなのグッと来た
    お見舞いに来たクラスメイトをひとまとまりの生き物と見ていたのも

    ・「アイデンティティ」よかったー不思議すぎる、唯一無二すぎる
    意味分からないのに、初めて人魚ですとだけ言えて助六を喜ばせられたシーン泣きそうだった。意味分からないのに。
    そしてこの話から言えそうな教訓みたいなのを敢えて最後に本人に語らせてることでありきたりな「正解」をなぞって読んでいただけだと突きつけられる
    何者かに語られて、言語化されて初めてアイデンティティなんて存在するよなー

  • 感想
    アンチ探偵小説。なぜ名探偵は事件を引き寄せるか。どう犯人を見つけるか。過去の作家が苦労した部分をあっさり無視する。ある種冒涜的。


  • 1.おすすめする人
    →ファンタジーがすき

    2.感想
    →背面を見てミステリーかなと思って買ったら、
     全然違って残念。
     人は沢山死んで、事件を解いていく設定だけど、
     推理もなにもない。
     探偵小説らしいが、内容が皆無。
     私にはハマらなかった。

  • 探偵たちへの目配せがあってたのしいかわいい

  • 高校2年生の時、ピエタの学校にトランジが転校してきた。地味だけど愛想のいいトランジは天才で、そうして殺人を引き起こす特殊な性質を持っていて、ピエタの彼氏の殺人現場を見ただけで犯人を推理してしまうし、ファミレスで勉強しているだけで周りが血の海となる。
    このファミレスの話から始まるのだけれど、高校生がファミレスで勉強するという比較的ありふれたシチュエーションなのに、クリームソーダが憧憬の象徴だよねという同意を取りやすい長閑さの話なのに、机に突っ伏していたピエタが全く突然、誰かに頭を持ち上げられて首にナイフを刺されそうになるというとんでも展開となる。なんかだらだらはじまったな〜面白いのかな〜なんて読んでたら。二度読みしてしまった。
    以降も、ピエタとトランジが歳を重ねていくなかで必ず何かしらが起こるし、さまざまな人が現れては消えていく。物理的にも。でもトリックは語られず、動機を語る。わりとあっさり。
    探偵が出るけど推理小説ではなくて、特異体質持ちのトランジだけどそのトランジと単純に友人としてつるむピエタをみているのが、最高に楽しかった。

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著者プロフィール

藤野可織(ふじの・かおり)
1980年京都府生まれ。2006年「いやしい鳥」で文學界新人賞を受賞しデビュー。2013年「爪と目」で芥川龍之介賞、2014年『おはなしして子ちゃん』でフラウ文芸大賞を受賞。著書に『ファイナルガール』『ドレス』『ピエタとトランジ』『私は幽霊を見ない』など。

「2022年 『青木きららのちょっとした冒険』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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