殺戮の狂詩曲

著者 :
  • 講談社
3.59
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065309032

作品紹介・あらすじ

累計50万部突破、リーガルミステリーの最高峰「御子柴弁護士」シリ―ズ。

【偽善という言葉から、これほど遠い小説はない】

高級老人ホームで発生した、令和最悪の凶悪殺人事件。好人物を装っていた介護職員の心中に渦巻く邪悪。最低な被疑者への弁護を名乗り出た悪評塗れの弁護士・御子柴礼司が、胸に秘める驚愕の企みとはいったい? 

ミステリーという技法を用いることによってのみ可能な、命あるものへの賛歌である。―杉江松恋(文芸評論家)

ドラマ「悪魔の弁護人・御子柴礼司~贖罪の奏鳴曲」原作「御子柴弁護士」シリーズ第6弾。

●御子柴礼司(みこしば・れいじ)
本シリーズの主人公。14歳の頃、幼女を殺害しその遺体を解体してばら撒き〈死体配達人〉と世間から呼称される。少年刑務所を経て、高額の報酬を得ながら、検察の見立てを次々ひっくり返す悪徳弁護士となる。

感想・レビュー・書評

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  • 依頼人から法外な報酬を受け取ることで知られていて、法廷戦術に長けている全検察官の天敵、悪辣弁護士〈御子柴礼司シリーズ6〉

    老人ホームで働く介護士忍野の犯行は、無抵抗な9人の老人を刺し殺すという青天の霹靂だった

    そんな彼の弁護を引き受けた御子柴礼司
    『バケモノの弁護を〈死体配達人〉が請け負う』と報道され話題を掻っ攫う

    今回は駄目なんじゃない?
    無理なんじゃない?
    極刑は免れないんじゃない?
    どして手を挙げた?

    法廷の結果はいかに。。。

    う〜ん、今回は悪徳度が薄かったなあ
    ただエピローグや今までの彼の行動を見ると、御子柴礼司という男の土台は少年院時代にあるのだなと再確認した

  • 御子柴弁護士 シリーズ 6
    高級介護施設で発生した、大量殺人事件が発生。
    令和最初にして最悪の事件といわれた、介護施設で起きた、介護士による入居者9人の惨殺事件。

    犯人の忍野忠泰は「生産性の無い上級国民は、社会において、害でしか無い」と言い張る。

    極刑を求める世間や遺族達。
    その事件の国選弁護人として、手を挙げたのが、
    御子柴礼司弁護士。

    〈死体配達人〉が〈令和最初で最悪の凶悪犯〉を弁護すると、マスコミや世間が、いろめき立った。

    多額の弁護費用を求める、御子柴が、何故、国選弁護人になったか。
    最終章で明かされるが、
    御子柴弁護士、少し、人間らしくなったか?

    この作品、あんまり、評判は良く無かったようだが、私は、好き。面白かった。

  • 御子柴弁護士シリーズ。
    すでに第6作目となる。

    今回は、高級老人ホームで発生した最悪の凶悪事件をどう弁護するのか、どんな秘策を持って闘うのかが見処である。

    被害者参加人としての供述を聞くのはただ苦痛でしかなかった。9人もの生の声はキツイ。

    計画的犯罪であり、棄民思想紛いの主張を掲げて高齢者9人を惨殺するという異常さに極刑に処すべきだと思うのだが、冷静に己の職務を全うすべく最後まで諦めないのは見事だと思った。

    ラストにわかる弁護を引き受けたくだりになんとも言えない寂しさを感じた。


  • 中山七里作品を初読み。
    シリーズものの第6弾にいきなり挑戦してみたところ・・・
    やはり、シリーズものは最初から読むべきだった!
    この弁護士のどこが悪徳なの・・・?
    中山作品は他にも興味深いものが多数あるので再チャレンジしてみよう!

  • 御子柴礼司シリーズ第6弾?
    こんなオチが待っていたとは!!

    有料老人ホームの介護士が入所者を殺戮。
    そんなシーンから始まるこの作品。
    悲惨な一章の(1)は、飛ばして読みたかった。
    苦手な人は一章の(2)からでも問題ないと思う。
    九人を殺害した犯人は、
    駆けつけた園長と職員に取り押さえられる。

    誰が考えても極刑しかないであろうこの裁判。
    なぜか、御子柴が国選弁護人として 自ら手を上げる。
    これには、御子柴を支える人たち全員が猛反対。

    過去に犯罪を犯して少年院に入っていた御子柴。
    (『贖罪の奏鳴曲』で経緯が語られています)

    「バケモノの弁護を 元 死体配達人 が請け負う」
    マスコミがそんな風に報じる。
    勝っても負けてもバッシングを受ける事案。
    弁護士生命すら奪われかねない。
    そして、国選であればお金にもならない。
    それなのに、なぜ手を挙げた?

    御子柴の答えはいつも通り。
    「売名行為だ。インパクトが大きいほどいい宣伝になる」

    そして謎はエピローグで解明される。
    とても静かに美しく…。
    御子柴礼司の黒い魅力に、また心を揺さぶられてしまった。

    • ハッピーアワーをキメたK村さん
      y yさん、こんばんは!

      え?御子柴礼司の黒い魅力ですか?
      大好物です(ニンマリ)
      楽しみです♪
      y yさん、こんばんは!

      え?御子柴礼司の黒い魅力ですか?
      大好物です(ニンマリ)
      楽しみです♪
      2023/09/09
    • yyさん
      ハッピーアワーさん♪

      コメントありがとうございます。
      大好物ですかっ!(笑)
      いいですねぇ。

      この作品はこれまでに比べて あまり起伏はな...
      ハッピーアワーさん♪

      コメントありがとうございます。
      大好物ですかっ!(笑)
      いいですねぇ。

      この作品はこれまでに比べて あまり起伏はないかもです。
      加えて内容がちょっと辛いので、
      途中まで「なんだかなぁ」と思うところもありました。
      でもね、最後がとてもいいのです。
      まさに黒魅力にズキュンとやられました。

      2023/09/09
    • ハッピーアワーをキメたK村さん
      了解です!
      最後まで大人しくしています
      早く、御子柴礼司の黒魅力にズギュンとやられてしまいたい。。。笑!
      了解です!
      最後まで大人しくしています
      早く、御子柴礼司の黒魅力にズギュンとやられてしまいたい。。。笑!
      2023/09/09
  • 上級国民御用達の高級老人ホーム〈幸朗園〉の介護職員が、入居老人を大量殺害する事件が発生した。犯人の忍野忠泰は現行犯逮捕され、取り調べであっさり犯行を認めた(「生産性のない年寄り、それも上級国民とされるヤツらをなくすのは社会の要望、俺に与えられた使命なんです」)ため、直ちに起訴された。検察の方針は「忍野の人間性を認めさせない」、「忍野を〈バケモノ〉としても裁く」、「社会秩序のためには一切の情状も顧みられることなく極刑に処す」完全勝利。圧倒的不利な状況下で国選弁護人を買って出た御子柴礼司は、被害者9人の遺族を回り、何とか活路を見いだそうとする。御子柴シリーズ第6弾。

    2016年に相模原市の障害者施設で発生した大量殺人事件を彷彿とさせる事件。

    本作の一番の謎は、御子柴が何故国選弁護人を買って出たか、だな。御子柴ファンとしては、この点をもっと深く描いて欲しかったな。

  • 勝ち目はないのに、の一冊。

    どう鑑みても犯人には死刑しかない。
    勝ち目はないその弁護を御子柴はなぜに受任したのか。 

    この"なぜ"で読み手をぎゅっと掴み、ラストまで目を離させない展開はさすが。

    更に今作は記憶に新しい実際の事件がモチーフなだけに「生産性のない老人」と言い放つ犯人の歪んだ思考を知りたい気持ちも重なった。

    相変わらず淡々とした姿ながらも御子柴の洞察力、覆し、こういう闘いの利益も有るのかという着地点に目を見張る。

    そしてサラッと描かれながらも濃縮さ感じる彼の生き方にぎゅっときた。

    心証の落とし所がやっぱり巧い。

  • 介護付き老人ホームで働いてる忍野くん、自分が働いてる施設で9人刺し殺し、その弁護を国選で御子柴先生が受けちゃうお話。

    今までと違う展開、刑法第三十九条適用がされない限り絶対勝てないし減刑も無理ぢゃん...と、法律素人のアタシでも思う内容(o_o)

    最後の最後で理由には納得ですが...今回のお話はアタシ向きではありませんでしたヽ( ̄д ̄;)ノ

  • 高級有料老人ホームの介護職員が、入所者を次々に殺害。
    犯人は「生産性のない老人に天誅を下しただけ」と、一切の反省がなく……。

    御子柴シリーズ第6作。

    前半は、忍野の身勝手な言い分に、辟易。
    御子柴が登場してから、おもしろくなる。

    9人も殺害しておいて、反省もなければ、刑法第三十九条で争う気もないけれど、死刑になるはずがないと信じている被告人。
    無理のある裁判を御子柴がどう戦うか、に引き込まれる。

    驚きのどんでん返しはないが、最後に御子柴の弁護理由が明かされたのが、よかった。

  • シリーズ6作目。やっと最新作まで辿り着いた!
    今回は介護士が施設入居者9名を刺殺する事件の弁護。
    前作までと異なり、事件が残虐なのと犯人に全く共感するところがないのとで、あまり物語に入り込めなかった。
    エピローグは、そうきたか!と思わせられた。

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著者プロフィール

1961年岐阜県生まれ。『さよならドビュッシー』で第8回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞し、2010年にデビュー。2011年刊行の『贖罪の奏鳴曲(ルビ:ソナタ)』が各誌紙で話題になる。本作は『贖罪の奏鳴曲(ソナタ)』『追憶の夜想曲(ノクターン)』『恩讐の鎮魂曲(レクイエム)』『悪徳の輪舞曲(ロンド)』から続く「御子柴弁護士」シリーズの第5作目。本シリーズは「悪魔の弁護人・御子柴礼司~贖罪の奏鳴曲~(ソナタ)」としてドラマ化。他著に『銀齢探偵社 静おばあちゃんと要介護探偵2』『能面検事の奮迅』『鑑定人 氏家京太郎』『人面島』『棘の家』『ヒポクラテスの悔恨』『嗤う淑女二人』『作家刑事毒島の嘲笑』『護られなかった者たちへ』など多数ある。


「2023年 『復讐の協奏曲』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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