春、死なん (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065315026

作品紹介・あらすじ

「春、死なん」
妻を亡くしたばかりの70歳の富雄。理想的なはずの二世帯住宅での暮らしは孤独で
何かを埋めるようにひとり自室で自慰行為を繰り返す日々。そんな折、学生時代に一度だけ関係を持った女性と再会し……。

「ははばなれ」
実母と夫と共に、早くに亡くなった実父の墓参りに向かった、コヨミ。
専業主婦で子供もまだなく、何事にも一歩踏み出せない。久しぶりに実家に立ち寄ると、
そこには母の恋人だという不審な男が……。

人は恋い、性に焦がれる──いくら年を重ねても。揺れ動く心と体を赤裸々に、愛をこめて描く鮮烈な小説集。

紗倉まな(さくら・まな)
1993年千葉県生まれ。工業高等専門学校在学中の2012年にSODクリエイトの専属女優としてAVデビュー。
'15年にはスカパー! アダルト放送大賞で史上初の三冠を達成する。
著書に小説『最低。』『凹凸』(いずれもKADOKAWA)、
エッセイ集『高専生だった私が出会った世界でたった一つの天職』(宝島社)
『働くおっぱい』(KADOKAWA)スタイルブック『MANA』(サイゾー)がある.。

感想・レビュー・書評

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  • 倫理。作中ではたぶん一回も出てきてなかったけど、読みながらこの言葉の是非を考えていた。家族という枠組みについて、こうあるべきだという強迫観念のようなものに、苦しめられる登場人物と、その反対にその強迫観念めいた家族像をごく当たり前に受け入れ他人にも強いることに自覚を持たない登場人物で構成されている。今回は家族がテーマだったけれど、現代における倫理的にどうこうっていう話を置き換えられると思った。それって倫理的にどうなん?とか倫理観やば、みたいなある種の強迫観念で、実は誰も得はしていないのに従ってしまった者から順に他人まで巻き込もうとするような、そういう息苦しさを感じた。

  • 独居老人でもないのに妻を喪って以来精神的孤独を募らせる男の心理描写が素晴らしい。世代も性別も違う人間の気持ちがなぜこうもわかるのか。若い人にはピンと来ないかもしれないが、50代の自分には切実な物語だった。

  • 巻末の「田中慎弥」さんの解説を読んで、何となくわかった物語。

  • 読み終わってから登録していなかったので、遅れて登録。

    2本のお話が入っているけれど、どちらも家族の生き方の話。1話目は同居を希望している義母とかがいる人には刺さるのでは。
    女の役割、おじいちゃんの役割、そんなのはあるけれど、それは所詮うわべだけでその下には人間らしい欲だったり、希望だったり生き方があるよな。って思わせてくれた。これが前提としてあるのは当たり前だけれど他人の事となると忘れがちだよなって改めて認識させてくれた。
    帝王切開の傷をみた夫の反応、そんな感じ?ツラいなと思ってしまった。

  • よくわからないうちに読み終わった。

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著者プロフィール

紗倉まな(さくら・まな)
1993年千葉県生まれ。工業高等専門学校在学中の2012年にSODクリエイトの専属女優としてAVデビュー。
15年にはスカパー! アダルト放送大賞で史上初の三冠を達成する。
著書に小説『最低。』『凹凸』(いずれもKADOKAWA)、
エッセイ集『高専生だった私が出会った世界でたった一つの天職』(宝島社)
『働くおっぱい』(KADOKAWA)スタイルブック『MANA』(サイゾー)がある。

「2023年 『春、死なん』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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