歴史学の始まり ヘロドトスとトゥキュディデス (講談社学術文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (176ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065315125

作品紹介・あらすじ

ヘロドトスとトゥキュディデスは、ともに紀元前5世紀のギリシア、最盛期のアテナイに生きた歴史家である。しかし二人はいずれも、自らを「歴史家」とみなしてはいなかった。この時代、まだ歴史というジャンルは存在しなかったからである。ギリシアの文学的伝統のなかから「歴史叙述」という新たなジャンルを創設し、さらに「歴史学」への一歩を踏みだした二人の実像を描き、今後の課題を考える歴史学への入門書。
ペルシア戦争を主題として、ギリシアからオリエントの地理・歴史と伝承を網羅し、「歴史の父」と呼ばれるヘロドトスの著述は、東地中海世界を自由に飛翔するかのように想像をふくらませ、時に荒唐無稽なエピソードも盛り込まれる。一方、ヘロドトスより一世代ほど若いトゥキュディデスは、「先輩」のこうした手法を批判し、近代歴史学にも通じる史料批判で確かな事実を重ねて、アテナイとスパルタが覇権を争ったペロポネソス戦争を記録した。しかし、ヘロドトスは本当に、後世の歴史家が批判するように「嘘つき」だったのか? そして、トゥキュディデスが書かなかった事柄のなかには、どんな史実が隠されているのだろうか? 個性豊かな二人の天才歴史家に、再び教えを請うべき時が来ている。
[原本:『ヘロドトスとトゥキュディデス――歴史学の始まり』山川出版社2006年刊]

目次

1 二人の歴史家と二つの戦争
2 ヘロドトスは嘘つきか?
3 新しいヘロドトス像
4 ヘロドトスの描いた史実
5 トゥキュディデスの「ヘロドトス批判」
6 トゥキュディデスが書かなかったこと
7 歴史叙述から歴史学へ
あとがき
学術文庫版あとがき

感想・レビュー・書評

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  • 桜井 万里子 (Mariko Sakurai) - マイポータル - researchmap
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    ヘロドトスとトゥキュディデス : 歴史学の始まり 桜井 万里子(著) - 山川出版社 | 版元ドットコム
    https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784634491946

    『歴史学の始まり ヘロドトスとトゥキュディデス』(桜井 万里子):講談社学術文庫|講談社BOOK倶楽部
    https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000375817

  • ヘロドトスとトゥキュディデス―歴史学の始まり (historia) 2006, 山川出版社
    の文庫化
    https://calil.jp/book/463449194X

  • 東2法経図・6F開架:B1/1/2764/K

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著者プロフィール

1943年生まれ。東京大学大学院人文科学研究科修士課程修了、博士(文学)。東京大学大学院人文社会系研究科教授を経て、現在、東京大学名誉教授。おもな著書に『古代ギリシアの女たち』(中公新書)、『古代ギリシア社会史研究―宗教・女性・他者』(岩波書店)、『ソクラテスの隣人たち』(山川出版社)、編著に『新版世界各国史17ギリシア史』(山川出版社)、共著に『世界の歴史5ギリシアとローマ』(中央公論新社)『集中講義! ギリシア・ローマ』(ちくま新書)など。

「2023年 『歴史学の始まり ヘロドトスとトゥキュディデス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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