- Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784065315972
作品紹介・あらすじ
――保健室の地下に、湯治場があった!?
第60回講談社児童文学新人賞受賞作『保健室経由、かねやま本館。』のシリーズ第6巻目!
●主な内容
ヨシノの母親は、病弱な妹のマコを心配してばかり。ヨシノは、自分は母親に愛されていないと感じている。
母は妹を理由に父と離婚することになり、ヨシノはマコに対して嫌な感情を抱く。
塾でも学校でもピりついた雰囲気なので、自他共に認める「嫌われ者の高田芳乃」だ。
ヨシノはかねやま本館に呼ばれ、かねやま本館が初めて自分に「向き合ってくれた存在」だと思う。
かねやま本館でリマに出会い、ここが自分だけの場所ではないことを知り、嫉妬を抱くヨシノ。
そんなヨシノを見て、リマは「私の姉にそっくり」とつぶやく…。
ヨシノはリマと話すことで、自分自身の態度を考え直すようになる。
そんな中、ヨシノは華世子と名乗る美しい女性から、「かねやま新館」に来るよう誘われる。
それはリマも同じようで…。
第6巻は、「かねやま新館」の存在がさらに色濃く!?
甘美なつくりで、好きなお湯がいくらでも出てきて、有効期限もないかねやま新館と、かやぶき屋根の建物で、みんなでお湯につかって、有効期限が1か月のかねやま本館。
しかし、もしかねやま新館を選ぶならば、かねやま本館には二度と行くことができなくなる……。
はたしてふたりは、どっちを選ぶ……!?
「疲れたら、休んでもいいんだ」
かねやま本館で出会う子どもたちとの交流や、温泉での休憩を通し、自分自身の悩みに向き合っていく、心温まる物語。シリーズ第6巻!
〇こんな子にオススメ!
□ 下の子ばっかり愛されていると思う
□ 自分は嫌われ者だからしょうがない
□ 自分のまわりには、味方がいないような気がする
□ 「かねやま新館」が気になる
□ 湯治場(トージバ)って、なに?
□ 親友を見つけたい
〇編集部に届く、みんなからのアツイ感想!
・僕はこの本をよんで元気づけられています!(12歳)
・この本はとてもおもしろくて大好きですべて見ました。これからも、もっとシリーズをかいてほしいです。(11歳)
・中学になったらかねやま本館があらわれてほしいです。(10歳)
・主人公のつらさに共感して泣いてしまいました。(11歳)
・この作品に出会えてよかった。(14歳)
〇このシリーズここがすごい!
・書店員さん、司書さん、子どもたちからのアツい支持!
・受験テキストにも多数使用!
・第60回講談社児童文学新人賞受賞(1巻)
・第50回児童文芸新人賞受賞(1~3巻)
感想・レビュー・書評
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シリーズ第6弾で最新巻。
病弱の妹、妹ばかりを優先する母親に不満を持ち「自分は大切にされていない」と卑屈になる女子中学生が、謎の“かねやま本館”の中学生専門の湯治場へ導かれる。
そこには、その人の“心”にぴったりな温泉が用意されている。
今回の“効能”は、「求愛」「失望」「独占欲」「思い込み」。
今作では、自分とは逆に、「姉が自分に冷たい」と悩む女子と出会い、自分の言動を省みて変わりつつある主人公の成長が伺えた。
このシリーズの良さは、「温泉」が出てくるところ。
そして“温泉の効能”という形で、人の心の中にある悩みやモヤモヤを教えてくれるところ。温泉のお湯の中なら素直に受け止められそうだ。
シリーズ5から“新館”という謎の施設が登場したが、うーむ、どうなんだろう…。複雑にしないでほしいなぁ。
若い方には面白いかもしれないけれど、私はもっと“本館”や“別館”での心温まる展開を読みたいなぁ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
シリーズ6作目。
下の子ばっかり可愛がられる→悪態をつく→嫌われるの悪循環。
中学生の頃は、わかっていてもそうなってしまうお年頃なのかも。
まだ幼く自分中心に過ごしていた時代から、他の立場の人を考えられるようになっていく過程がうまく描かれていた。
「自分の物語と他人の物語が重なる瞬間がある」っていうのは本当にそうだと思う。
そういう瞬間を大事にしたいなと、大人が読んでも色々と気付きのあるシリーズ。 -
かねやま新館の華世子は、とても悪いヤツ。むしのいいことを言って、子どもたちを惑わそうとしている。ひとりぼっちでさびしい気持ちでいるところにつけこもうとするのが、嫌だ。家の作り方もこわい。
ぼくは、かなやま本館には呼ばれないと思うけれど、新館に呼ばれても絶対に行かない。本館の、あったかい人がいっぱいいるところが好き。
人の気持ちは難しい。ぼくはしょっちゅう怒るけど、落ち着いて周りの人の話していることを聞くと、その人の気持ちや言いたいことがわかる気がする。ついムキになって、話が聞けなくなるから、相手の気持ちを考えるようにしたいと思った。(小6) -
今回もめちゃくちゃ面白かった!!
中学生たちの心と身体の休憩所、かねやま本館のシリーズ。
毎回、かねやま本館を訪れる主人公は変わっていきますが、等身大の悩みがじっくり描かれていて、それぞれを応援したくなります。
今回こそ泣くまい、と思っていたのに結局泣いたもんね。特に今作は、わたしが長女なので姉視点がどうしても入ってしまって。
シリーズどこから読んでも大丈夫、と銘打ってはいるけれど、5巻以降は新館の存在もあり、前作までを読んでいた方がいいのでは?と思います。
…というわたしが、5巻を飛ばしていたという事実…またやってしまった… -
今作もとても良かった。懐かしい二人に会えたのもうれしかった。
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よかった。主人公のもの足りない気持ちがすごくよくわかる。ただ、実際にあんなふうに和解できるケースは少ないかもしれない。自分にかねやま本館がないと、誰かのかねやま本館にはなれないと思う。気持ちの表現が豊かで、なるほどと思う。
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体の弱い妹と妹にかかりきりの母
3人で暮らす中学3年生の芳乃(よしの)は卑屈で攻撃的、みんなに嫌われていることを自覚している
そんなよしのがかねやま本館にまねかれる
湯につかり、小夜子さんのおにぎりを食べ、キヨやクジョーとかかわるうちに心がほぐれてくるが、よしのの前にあらわれたのは……
よしのが出会ったもう一人の中学生
かねやま本館をおびやかす存在
期限はあと一日
──きっと会える、救える。運命は、あたしの味方だ!
「保健室経由、かねやま本館。」は第60回(2019年)講談社児童文学新人賞受賞作(応募作の名義は「松本めぐ」)
2020年6月の単行本第1巻発刊と同時に大きな反響を呼び、第1〜3巻で第50回(2021年)児童文芸新人賞も受賞
本書はシリーズ既刊5冊に続く最新作、2023年5月刊
「焦らなくていい、ゆっくりでいいんだよ」というメッセージをこめて、中学生に、すべての人に
いま入りたいのは「紅掛空色の湯」
その効能は……独占欲
応募券1枚で手ぬぐいと直筆サイン入り入館証を100人に抽選でプレゼント(2023/8/31消印有効)
“いま、イチバン中学生を癒している”というシリーズ第7巻は2023年冬に刊行予定とのこと -
5.6年から。水のように自然とすーっと入ってくるこの文章は、下手に飾ることも大袈裟にも重くもなく、等身大の自分に投げかけてくれるところが特に好き。だからこそ、心に響いて、温かいまま残るのだと思う。5巻よりも設定の繰り返しの重複を避け、違う形から設定をさらりとかわしてくれるところもすごく良くなった!大人までおすすめ。