レーエンデ国物語

著者 :
  • 講談社
4.09
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  • Amazon.co.jp ・本 (496ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065319468

感想・レビュー・書評

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  • 2024本屋大賞ノミネート作の長編ファンタジー。
    前半は用語や人物を覚えながら徐々に世界に入り込み、後半、物語が大きく動いてからは息つく暇もなく、読了後は「嗚呼、トリスタン…。」となる作品。

    子どもの頃以来、久しぶりにファンタジーの世界に
    浸かることができ、皆で希望を未来に繋ぐ展開の話は熱いものがありました。

    現在、全5巻中3巻まで出ていますが、一応は1冊毎に完結とのことで、またファンタジー世界に浸かりたくなった時は入国したいところです。

    そう遠くない未来でのアニメ化、待ってます。

  • 聖イジョルニ帝国の中のレーエンデという場所が物語の舞台。
    父ヘクトル・シュライヴァと娘のユリア・シュライヴァは、銀呪病が起きるレーエンデへ出立するところから始まる。
    二人が住むシュライヴァ州は、ヘクトルの兄が治め、ゆくゆくは帝国を治めんとし、
    その足掛かりとしてレーエンデとシュライヴァ州を結ぶ街道を造ろうと、ヘクトルが赴くことになった。
    現地での案内役は、レーエンデに住むトリスタン。
    彼ら3人の物語が始まる。

    王道ファンタジーとの名の通り、
    とても緻密に作りこまれた歴史や文化の数々。
    そこに、光る虫や銀に輝く動物など、ファンタジーのキラキラした神秘的な要素が入り、まさに物語にダイブしていく感覚だ。

    しかしながら、物語自体は、とても政治・権力・戦いなど、ふわふわした柔らかな雰囲気とは一線を画した本格派。
    かなり現実社会に近い。

    登場人物たちの幸せを願うあまり、読み手にも力が入る。
    物語が全て語りつくされたとき、なんともない脱力感。
    ユリア、すごいけど、すごいけどさ…。

  • ザ・ファンタジー!!
    学生の頃、カタカナの人名を覚えるのがすごく苦手で、世界史とか苦痛だった…
    ってのを思い出すくらい、カタカナの人名多い…
    でも、巻頭に地図や登場人物が紹介されてて、しかもその絵がまたファンタジーチック!
    厚いし盛りだくさんだし時間はかかりましたが、どっぷり浸れる1冊でした。
    ファンタジーだけど、恋愛あり、友情あり、戦闘あり。次巻読むのが楽しみです!

  • 久しぶりにファンタジ〜!没入感を楽しみましたが、あっという間に読み切ってしまいました。後半、ただただ、つらくて、うそでしょうそでしょと思いながら嫌な事起こらないで〜と願いながら涙ぐみながらよみました。急に変貌するリアルな人の感情は、怖かったですね。
    3部まで出ているのは知っていましたが、読み終わった後は、放心。抜け殻状態。でも、タイトル通り。

    こういう風な結末もあるのかと、終わり方が大人でした。
    多崎礼さんの煌夜祭が好きで、多崎さんの著書は2作目。タイトルやあらすじで、上橋菜穂子さん的なファンタジーをイメージしていたのですが、それとはまた違い、はじめての恋あり、政あり、冒険ありの、ひやひやするファンタジーでした。
    レーエンデ国の歴史だと思えば、やりどころの無い気持ちをなんとから落ち着かせる事ができました。

    公式サイトには、キャラクターや生物記録のイラストがあって、素敵でした。読了後も浸っています

  • なかなか骨太なファンタジーです。ファンタジー好きにはたまりません。なんせ、結構絶望的です、第一巻にして。それが、良い。

    物語はとある呪われた土地に向かう1組の親子のシーンから始まる。呪われた土地には呪われた死の病気がある。。。これはなんの比喩だろうか。。。と思いながら読み進める。

    呪われた土地で弾きものにされた青年、トリスタン、と出会う親子。そこからこの物語はうごきだす。

    しっかり丁寧に世界観が描かれているから最初は少し物語の進みがゆっくりだと感じたが、動き出してからは早かった。


    トリスタン、好きだよー好きだけどもっとがっついてほしかったー。そしてこのシリーズはどうやら主人公が次々変わるようですね。なのでこの作品に出てきた人はみれないのか?どこかでクロスオーバーするのか?既刊の2冊目も楽しみです。

    2023.10.22
    174

  • 素敵な表紙と熱を持ったレビューに惹かれて読んでみた。大好きな恒川光太郎先生が帯にコメントを書いていたし…

    感想、普通だった。ユリアのヒロイン像(というか他キャラクターや文章の雰囲気も?)がちょっと少女漫画風味。良い子だし成長もしたのだけど最後まで「守られるお姫様」が抜けなかった印象なので、ユリアの覚醒がもう少し見たかった。十二国記の陽子を敬愛する私にとっては、理想のヒロインではなかったのよ…
    やはり自分はファンタジー小説が得意ではないんだなと痛感。自然豊かなレーエンデも、懸命に生き抜くキャラクター達も美しいのだろうけど、綺麗すぎて平坦に感じる。彼らに「もう、何やってんだよー!」と激しく憤ることもなければ、何度も何度も反芻するような親愛の情も抱かなかった。単純に好みの問題だと思う。
    あと異世界感があんまり無かったかな。中世の西洋(?)って感じ。

    色々書いてしまったけどそれは期待しすぎていたせいなので、普通に楽しめました。ハマる人はとことんハマりそうです。

  • 表紙を見るだけでレーエンデに入国できるほど、
    瑞々しく自然の中に彩り豊かな情景が目に浮かぶ。

    自ら背負った運命と共に仲間を誇りを、そして大切な人を守り抜いたユリア、トリスタン、ヘクトルたち。
    色んな感情が込み上げてくる。
    壮大な物語は第二巻へ突入!

    “革命の話をしよう”
    もう世界観が最高。

  • 幻想的で神秘的な世界観。
    美しい風景が目に浮かびました。

    世界観や不治の病 銀呪病という設定、交易路建設に奮闘するヘクトル・トリスタンの頑張りなどは面白いと思った。

    ただ…読み始めてすぐに登場人物たちの会話に違和感を感じた。風景描写が素晴らしいからこそ、チグハグな印象。幼すぎる?軽すぎる?

    「クソがっ!!」って何回出てきたかなぁ。。

    ユリアも主人公の割に受動的すぎないかな。最後まで成長を感じられなかった。

    会話の違和感については最後まで克服出来ず。
    好きな世界観だからこそ、勿体なかった。

    最後駆け足すぎて驚いたけどシリーズ物だからかな。次作読むかは考え中…

  • 世界観やストーリー展開は良かった。ただ、特に前半の会話部分が、そんなこと言う?という箇所が多いのと、人物描写が浅いのか性格が掴みきれず違和感があり、途中でしばらく読むのをやめてしまった。後半からは怒濤の展開なので、とりあえず読み切ることをおすすめします。

  • ファンタジー苦手な私でも、すんなりと読めました。
    ユリアとトリスタンのお互いを思う強さとまっすぐさに
    心打たれた。
    ファンタジー苦手だからなのか、
    私の読解力の問題なのか、最後まで疑問に思う部分も。

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著者プロフィール

2006年、『煌夜祭』で第2回C・NOVELS大賞を受賞しデビュー。著書に「〈本の姫〉は謳う」、「血と霧」シリーズなど。

「2023年 『レーエンデ国物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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