さよなら日和 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065322505

作品紹介・あらすじ

お客さまに夢を与え続けた遊園地――。そこは、「さよなら」の瞬間まで奇跡が起こる場所だった!遊園地『星ヶ丘ハイランド』は今日で廃園、営業最終日。恋心を胸に秘めた少年、問題を抱えた親子、微笑ましい老夫婦、かつて遊園地のヒーローショーに出演していた俳優――。さまざまな思いが交錯するとき、思いもよらなかった奇跡が起こる。疲れた心をほんのり癒す傑作群像劇!単行本『廃園日和』を改題

感想・レビュー・書評

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  • 30年前に開園した「星が丘ハイランドパーク」という遊園地の閉園前の最後の一日。

    男女2人ずつの4人で来た中学生のグループ。
    久しぶりに息子くんに会った離婚した父親。
    遠距離恋愛中のカップル。
    以前、星が丘ハイランドパークのヒーローショーに出演していた元俳優。
    星が丘ハイランドパークが開園した日に遊びに来ていた老夫婦。
    不倫を続けていたカップル。

    の短編とその間に星が丘ハイランドパークのスタッフのエピソードを挟んで、ストーリーは進んでいきます。そしてエピローグでつながっていく。

    大きな波乱もトリックもどんでん返しもなく、ストーリーは淡々としていました。ただ、これとこれがつながるのか!というのがあってそれはまあまあビックリでした。

    真由美に告白してフラれたイソタニは、自分のこと、カッコ悪いって言っていたけどそんなことはないな、と思いました。むしろカッコいい。イソタニと真由美はこの話のあと、どうなるんだろうと気になりました。

    佳絵とシーナは幸せそうだなぁ、と思います。30年後にこの日のことを思い出せたら良いなぁ。

    不死身なイメージがあったマギーさんがそうなるって誰も思っていなかったんだろうなぁ。

    スタッフのモモハルくんと熊ケ根さん、理絵と白沢さんのこの後の展開も気になりました。

    いつもそこにあって、いつまでもそこにあるモノは、いつまでもそこにあるって考えがちですが、そうではないですね。それは私たちのリアルの人生と同じだなぁ。

    今、自分の周りにいる人や場所、ものなど、ずっとあると思っていても願っても、思い通り、願い通りにいかない。だから今を大切にしないといけないなぁ、と思いました。

    「閉園」の日の話なので、基本的になんとなく切なく悲しくさみしい話。特に老夫婦の話は切なかった。でも、バッドエンドではなかった。

    しんみりした感じでもなかったし、ほんのりとした温かさがあるエンディング、良かったです。

    個人的に、イソタニとマギーさん・ジョニーさん、シーナ、清掃の高瀬さんのキャラが良かった。

  • 読み始めてから時間がかかってしまったので、気づくことができず、えっ!となってしまったけれど…とても綺麗な物語でした。

    少しずつ綺麗すぎるところはあるけれど。

    子どもの頃、いや、大人になってから行ったところもに、そう言えば、もうほとんど残っていないなー。

  • 短編集なので寝る前にゆったり読めるのが最高でした。
    どの世代の方でも感動できそうです。
    歳をとったらまた読みたい一冊です。

  • 磯谷洋二とジェットコースター/さよなら遊園地(1)
    三角彰吾とゴーカート/さよなら遊園地 (2)
    守里佳絵とコーヒーカップ/さよなら遊園地(3)
    富田林丈二とヒーローショー/さよなら遊園地(4)
    竹本秀人とメリーゴーランド/さよなら遊園地(5)
    松中理絵と観覧車/さよなら遊園地(6)

    きょうは遊園地の閉園の日。やってくる人々の胸の内はそれぞれなのだけれど、ピックアップされた六人とその周りの人たちそして遊園地のスタッフさんたちの心があふれてくる。最後の言葉はそれしかないよね

  • 変わらないものと変わらざるをえないもの。
    儚く心に残る物語。
    いろんな人の思いを感じられる作品。

  • 閉園間近の遊園地を舞台に様々な背景の人の物語が繰り広げられる。
    大きなどんでん返しやスリリングな展開はないが、温かな気持ちになれる1冊。

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著者プロフィール

1979年生まれ。宮城県出身。東北学院大学教養学部卒業。2012年『名も無き世界のエンドロール』(『マチルダ』改題)で第25回小説すばる新人賞を受賞し、デビュー。他の著書に『本日のメニューは。』『怪盗インビジブル』『ストロング・スタイル』『ヒーローの選択』など。

「2020年 『KILLTASK』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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