- Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
- / ISBN・EAN: 9784065326732
作品紹介・あらすじ
江戸城を築いたことで知られる太田道灌の、細川政元や北条早雲にまで影響を与えた生涯無敗の名将ぶりを鮮やかに描いた長編時代小説!
感想・レビュー・書評
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デビュー作から読んでいる作家さん。年齢を重ねるとみんななぜか時代モノに行くよなあ。鎌倉公方が関東管領を殺害。血みどろの三十年を駆け抜き悲劇の最期を遂げた「名将太田道灌」の生涯を描く。愚かな当主に仕え家督と所領の奪い合いに終始する周囲に翻弄される道灌が哀しい。血で血を洗う争いの時代、同じことを繰り返す愚が虚しい。
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力作だけど、忌み名だったり、官職名だったり、姓だったり、名前だったり、確認に追われてこんがらがって、読み進めない。史実に忠実な結果?物語に引き込んでくれるクリエイター真保さんらしからぬ作品。「奸智に長けたものほど笑顔を容易く作るものぞ」「戦いを挑む者には己にしか通用せぬ道理があるのか…。公方を利する奉公衆しかり、我ら上杉しかり…」武士もやりきれない戦さ戦さ戦さ。受け身の庶民はもっとやりきれない。京だけじゃなく、関東にも百鬼が跋扈してたんだ、しかも戦国時代に「愛と義」を掲げた魅力的な謙信のご先祖さまが…⁈
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応仁の乱より先に起こっていた関東の騒乱
鎌倉公方と関東管領の対立により30年に渡り関東を二分した争いを鎮めようとする太田道灌
太田道灌の話は初めて
江戸城のイメージしかなかったけど名将だったんだな
"不服を武で片づけるは覇道、徳で治めるのが王道"
騒乱が長引くうちに覇道を歩む将が多くなり、王道を歩む道灌は思うように進めなかったんだな
長引く騒乱で当主が代わったのが道灌にとって痛手だった
道灌が当主だったら騒乱が長引くことはなかったんだろうな
敵だからこそ優秀さを認識できるけど味方だと疎まられて‥ -
享徳の乱を描いた歴史小説。
この時代の大乱を描くとなると、群像劇にするか、主人公を決めてそれを軸に描くかで善悪の立ち位置が変わってしまいます。
本作は古河公方側の簗田持助、管領側の太田道灌を主人公としてそれぞれの側からの乱の経緯を描いているのが公平的で良かったです。
物語も時系列だったので読みやすく、わかりやすかったです。
巻頭の地図も助かりましたが、登場人物は相関図があった方が良かったかもしれません。
ただ、架空の登場人物の十太夫は必要なかったと思います。
著者の歴史ものは先人小説家がほとんど手を付けていない素材を描くから勉強になります。
今、一番嵌っている漫画「新九郎、奔る!」でも太田道灌が重要な役割で出てきていたので、個人的にも盛り上がってしまいました。 -
読みにくい 校閲が甘いのかな
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日本史史上一番人気のない室町時代の、しかも京ではなく、鎌倉公方・関東管領を描く異色の力作。ではあるが、まずは滅茶苦茶読みにくい。歴史好きな私でもいちいち確認しないと読めないほど、忌み名や官職名や姓名がごちゃ混ぜで、ストーリテリングに卓越した真保作品とは思えない。もっと読み手に優しく(易しく)してほしいものだ。知らないことが多くて勉強にはなったが、まさにカオスな室町時代の印象が強くなった。
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2024.5.7完了
この難しい関東公方のお話、戦国時代に先駆けて下克上のあった関東のお話。読みやすいとは思う。幡大輔氏の小説よりは省かれている感じである。