レーエンデ国物語 月と太陽

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (608ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065326800

感想・レビュー・書評

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  • 2024.02.17 読了
    レーエンデ…壮大な物語。
    この国の行方を追い続けることの出来る幸せを
    噛み締めておる。

    月と太陽の対比。
    絶望と共にあった人と、希望の灯になった人と。
    光と影。

  • よかった。それぞれの立場からの内面の機微が描かれていて、切なすぎた。
    主要人物の活躍や成長も小気味良かったけれど、あの人の深い絶望にも惹かれたけれど
    個人的には、アレーテが作中いちばん芯の強い人だなと魅力された。かっこよかった。しびれる。

  • ようやく心の整理がつきました。
    第1部とは違う意味で心が空っぽになった。やるせないというか、愕然としているような感じです。
    もうとにかくルチアーノ………物語の全てをかけてテッサを愛し続けたんだな…テッサと共に戦っていた時期もそうですが、特に残虐王となった彼を見てテッサへの愛を感じてしまいました。
    もっと絶望しろと言っていたルチアーノは、あの時、テッサの想いを無下にした人達への復讐と「この国に絶望が足りないから…」という言葉(あった気がする)からテッサの想いを受け継いでくれ…頼むから…みたいな…もう言葉にすることが難しいくらいルチアーノの想いが強かった。もう…12月の花嫁を踏まえて月と太陽の章を読んだらもう…ルチアーノはただテッサに幸せであって欲しかったんだなと思います…だけど、レーエンデのために生きると決めたテッサを止めることは出来ないと知っていたからこその最期の2人だったのかなと感じました。
    言葉に出来ないくらい感情が溢れ返ってます。心の整理がついたとはなんだったのか…他の感想を拝見して、よく言語化出来るな?!と感動してます…
    私が読書メモに真っ先に書いた言葉は「トリスタンとユリアとヘクトル帰ってきて…みんなで鍋食べようよ…」です。こんな気持ちですが、次の物語に旅立ちます。

  • 「革命の話をしよう」にふさわしい物語。
    本当に架空の歴史小説なんだなと再確認。
    前回からは130年ぐらい後のお話で、懐かしい地名と、登場人物は歴史に名を残した人くらいが知られている程度。
    英雄テッサと軍師ルーチェ
    個人の幸せを選ぶか、英雄であることを選ぶか。
    今回も胸がぎゅっとなる終わりでした。
    シュライヴァの声明もカッコよかった。

  • 名家の少年・ルチアーノと怪力無双の少女・テッサ、そしてレーエンデの物語。
    はじめ本の分厚さ見て慄いたけど読み始めたらスルスル読めた。
    前巻をシュライヴァ側で読んでたからそっちが敵認定されてると複雑。ユリアの子孫やで( ;∀;)。。

    冒頭のルチアーノ残虐王記述に、こんなに優しいルチアーノがなんで残虐王になったんだ?って思ったけどなるほどだよ。兄とテッサの対比がすごいよ。サブタイトル回収だよ。

    でもなぁ…いうてテッサは愛されて育ってて、兄・エドアルドは家族に裏切られたって意識が強いんだよね。立場が逆だったら二人はどう行動してたんだろ。
    ほんとは彼らの両親も法王に息子を渡したくなかったんじゃないかなぁ。今となってはわからないけど、ルチアーノがあんなに素直に育ってるんだから、エドアルドも愛されて育ったと信じたい。彼が行かないと領地まるごと法王に滅ぼされる可能性あったと思うんだ。両親も領地と息子なら領主として民を守るしかなかったのでは。人頭税を払うときに手を挙げたテッサみたいに、エドアルドも自分が行く、という覚悟ができてたら違ったのかな。自分を守って全滅するか、自分が犠牲になって領地を守るか。いや子どもにはキツい選択だけど。両親的には自分たちを憎んでもいいから生きていてほしいっていうのがあったのかな。わからんけど。
    エドアルドが闇に落ちた一方、娼婦のシーラたちは同じような状況でも前を向けてる。違いは……シーラたちに手を取り合える姉妹がいたから?
    エドアルドにはイシドロっていう影がいたけど、あくまで影だからねぇ。そばにルチアーノがいれば堕ちなかったのかな、とか、会うなといいつつ会いにきてくれることを望んでたのかな、とか考えてしまう。(手放したのはエドアルドだけど)

    ルチアーノも故郷を離れてからは、テッサとアレータだけが心を許せる人たちだった気がする。ダール村の人たちはいい人ばかりだけど彼女たちほど許せる人もいないと思うし。テッサの良心がルチアーノだったように、最後にテッサを失ってルチアーノの良心も砕けてしまったんじゃないだろうか。故郷で家族を、ダール村で第二の家族のアレーテを、そして最後にテッサを。
    あとコシモに入れ知恵したのってイシドロだと思う。エドアルドと同じ失い方じゃないけど、ルチアーノだって不当に奪われてるんだよ。そして悲しいかなそれらを奪ったのは全部エドアルドなんだよね…。

    レーエンデの自由のために立ち上がったテッサはレーエンデの民に裏切られた。あんな死に方辛いよ…。泣いたよ…。
    そこでルチアーノの「絶望しろ」に繋がるんだろうな…。
    民衆の心変わりはリアルにありそうで、わかりみ強すぎて辛い。読んでる途中からうっすらとこうなってしまうだろうなって思ってた。

    でもってテッサが中隊長好きすぎて少しルチアーノが可哀相だったり。
    前の巻もっかい読み返したいな。ウル族とかエルウィンとか誰が誰の先祖かチェックしたい。

    はーーーこの一冊でこんだけ語れるて。
    三巻目も楽しみだな。じっくり読みたい。

  • 一作目と比べて、ただヒロイックなよりも心に闇を抱えたまま、葛藤しつつ戦い続ける人物が主人公で、格段に面白かった。600ページのボリュームだが読み始めると止まらず、1日で読んでしまった。
    テッサが自分の中に抱える鬼と対峙しながら成長していく描写も秀逸だが、ルチアーノの心情の変化が胸を抉られるように辛い。最後、どうしても愛する人を救えないと悟った時の号泣は、絶対的な運命を前にした自分の無力さ故か、テッサの意思を翻せないまま別れてしまった後悔か。
    理不尽な世界をぶち壊す、と決心しながら、愛するテッサの理想に沿わない世界に反間を覚えるようになり、段々と自分勝手な民衆に敵意を持ち、最後にはこの国には絶望が足りない、とまで考えるようになっていった彼は、その後、何を思って生きたのか。
    もしかすると、残虐王とまで呼ばれた後半生の行いは、せめてレーエンデに反抗の意思のマグマを溜めるため、自らを貶めてでもテッサの意思を継がせようとする意図があったのでは、と思いたくなる。

  • 1巻ずつ独立して読むことができる、呪われた地レーエンデから始まる至高のファンタジー。2作目は1作目の綺麗さとはまた異なった血腥さのある革命のお話。まるで長編の名作RPGを100時間プレイし終わった後の余韻ように、本当に心にくる作品です

  • レーエンデ国物語[月と太陽] #読了 12/12
    やっと読み終わった!最初から最後までハラハラドキドキしました。テッサの最期が悲しかったけど英雄として生きた彼女がすごくすごくかっこよかったです。ルチアーノが暴政に走らずにいて欲しかったけれど…始原の海で再会してほしい

  • 前巻より100年以上後のレーエンデ国革命の話。
    争いごとが中心なので、重い展開と結末に胸が痛む。主要人物たちの揺るぎない想いだけに、ただ救われる気持ちで読了。

  • 物凄く優れた作品ではあると思う

    革命とは1冊で1代で終わる物ではなく、長い時間が必要な事は成程だけど、とにかく辛くて

    感動や読み応えは感じるけれど、爽快感はないかな

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著者プロフィール

2006年、『煌夜祭』で第2回C・NOVELS大賞を受賞しデビュー。著書に「〈本の姫〉は謳う」、「血と霧」シリーズなど。

「2023年 『レーエンデ国物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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