前人未到 (講談社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065328750

作品紹介・あらすじ

日本を代表するノーベル賞受賞科学者・山中伸弥 × 史上最年少六冠達成の棋士・藤井聡太挑戦し続ける偉才同士の熱量溢れる対談をたっぷり収録。まだ誰もみたことのない景色を見るために――。日夜努力を続けるあなたへ贈る、白熱の対談集!「iPS細胞という新技術をいかに多くの患者に届けるか」をミッションとする研究者。「数字・記録よりも、自分自身としてどこまでも強くなりたい」と語る棋士。分野は違えど、過酷な競争世界の最前線で前人未到の挑戦を続けるふたりが語り合う、日常の準備、学び方、メンタルの持ち方、AIとの向き合い方――。今必読の対談集!

感想・レビュー・書評

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  • 今をときめく将棋八冠(対談の時点では四冠)の藤井聡太と、ノーベル賞受賞者の研究者山中伸弥との注目すべき対談本。
    主に、山中氏が藤井八冠に問いかける形で対談が進むが、40歳の年齢差がありながら、山中氏は謙虚に問いかけ、藤井八冠もまた真摯に答える。
    それぞれの分野での「前人未踏」を成し遂げている天才は違うと、二人の人間力に感心するばかり。

  • 人間味のある山中教授と、将棋星人な藤井八冠の対談。テンポが合っているような気がした。

    誰かを助けるためにする努力と、自らに打ち克つための努力は、ベクトルが違うように思えて、きっとどこかで繋がっている。
    山中教授の「人間万事塞翁が馬」ではないけれど、何がどこに影響するかなんて分からないからだ。

    二人の姿は、ある意味、ものすごく多くの人を巻き込み、魅了している。
    それこそ、パラダイムシフトを起こすほどに。
    それが才能というものなんだろう。

  • ・辛い経験も、あの時があったから今があると思える時がくる
    →山中教授のこの言葉には勇気がもらえる
    ・なんとなく(高校に)行っていたのでは無駄になってしまう、益の薄いものになってしまう
    →高校にすらきちんと行く意味を考えて通っている、自分で考えるということの大事さと、それをこの歳で実践している凄さと
    ・研究にもプレゼンテーションの力が必要。中身だけでは、分かってもらえず、世界との競争に勝てない。自分の考えを他人に説明するのは大切な技術。
    →研究の世界もそうなんだなぁという新鮮な驚き。
    ・iPS細胞をやり始めたときに、こんなことは無理だと思い始めていた。しかし植物分野で万能細胞がたくさんあることを聞き、自分でかけていたブレーキがスッと外れた。他の世界を知ることで自分の抱える問題が解決したり前に進むことがある
    →本書最大の面白いポイントだった
    ・読んだ後に予想外の一手を指されると、また読み直しになって大変。だけどそれも面白さの一つで、そういう経験が将棋に対する見方を変えてくれる。
    →ポジティブな捉え方に感銘
    ・色んな人に会いに行って話を聞くことは大切
    →その手の仕事に憧れるー。
    ・深く考えないからこそできることもある。若い時はチャレンジをやめることはしてほしくない。
    →今が若いとは言いかねるが、チャレンジしたいところ。自分の現状にも刺さる
    ・思い通りにならなかった実験から何を学ぶかが大事。
    →失敗は振り返りたくないもの。見たくない部分を直視することになるから。でもそれを血肉にできるのが強さなのである
    ・外科医が大成できるかは経験に左右される。手術は1人しかできない。そこで手を挙げられる人でないと、経験は積めず、すごい外科医にはなれない。
    →なるほど厳しい世界である
    ・行き詰まった時にはジョギングをする。それがプレッシャーの解放法。やるべき時には集中して奮い立たせてやる。長くプレッシャーに打ち勝つにはそんなメリハリが大事な気がする。プレッシャーを感じながらも、自分のメンタルを自分でマネジメントするのが大事。悪い手は誰でも打つ。その後にどれだけ冷静に戻れるか。失敗を引き摺らないか。
    →長期間にわたる緊張状態をそのように乗り越えてきたのかと勉強になる。感服
    ・AIの棋譜を覚えても意味がない。自分なりにどうしてその手を打つのか、どうしてその手の評価が高いのか、自分で咀嚼して考えると自分の力になるかと思う
    →若者の意見とは思えないほどの達観。自分で考えることの大事さはヒデも言っていた。(文体とパスの精度)
    ・今できることをやっておかないと、できることは今しようという考えになった
    →親友の死を受けて考えが変容したとのこと
    ・大事なことは試すことで、世の中の成功者は誰よりも試すを繰り返してきた。だいたいうまく行かない、それでもどんどん挑戦していく。挑戦しないと始まらないから。失敗しても努力を続けることが大切だ、結果を楽しめと。うまく行かない時はチャンスかもしれないと考えてみる。うまく行っているときは、大変なことが起こるかもしれないと用心する。
    →まさか山中教授が、「仕事は楽しいかね?」から影響を受けているとは。そんな本も読むのですね。
    ・恩師から教わったのはVWという言葉。visionとwork hardのこと。明確なビジョンを持ち、それに向かって懸命に努力することが大事。
    →沁みる言葉。work hardできる仕事を選ぶことが重要だと思われる。

  • 頂点に立っている2人だが、おっしゃっていることは当たり前で、何が違うかは、やっぱりそれを実践なさっていること。

    山中先生の方に年齢が近いので、「まだ藤井さんは若いから」「もう僕は若い人には敵わない」とおっしゃっているのに、実は少し、歯痒さを感じた部分もあったが、それは言葉のあやであり、まだまだビジョンを持って進んでらっしゃることがわかり、感銘を受けた。

    そして、負けても失敗してもひきづるのではなく、フィールドバックをきちんとするという考え方、やってみようと思う。

  • 神本でした。
    どちらの天才の言葉にも魅力があふれていました。

  • サラっと読めるもののもう少し山中さんが藤井さんに深く突っ込むなどして欲しいなぁと、、

  • 「AIを良き同僚、良き部下として使いこなしたい」

    私は新しいものを取り入れるのに、慎重過ぎる傾向があります。

    AIに関しても、人間の仕事が乗っ取られるのではないか、AIに人間が翻弄させれるのではないかと否定的に考えがちです。

    しかし、その道の第一人者である山中伸弥さん、藤井聡太さんは、AIとの付き合い方を冷静に考えるというスタンスなのだとわかりました。

    私もびくびくしてばかりいないで、AIを上手く活用できるようになりたいと思いました。

    物事に対する気の持ち方の参考になる言葉もたくさんあり、自分も積極的に取り入れていきたいと思いました。

  • 山中伸弥の受け答え方人柄がすき
    研究の目的の根底が人の命を助けるなのが覚悟が決まっている感じ
    私もそんな目的を見つけたいな
    藤井聡太 将棋やったことないので分からないけれど具体的な目標でなく至高の将棋を指したい、最強の棋士になりたいという追求は本当に凄く将棋が好きなんだろうなあと思った

  • 将棋の藤井さんと山中教授の対談。謙虚で自己を磨き強くなることに邁進しようとする若者と、いまでも若々しい挑戦心と正義感を忘れない山中さんの対談には心洗われ、勇気づけられ、元気をもらえました。お二人とも応援しております!

  • 何も挑戦しないのが一番の失敗。
    ビジョンを忘れずに取り組む。
    AIの答えを自分で解釈する。
    負け、失敗から学ぶ。

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著者プロフィール

2002年生まれ。2012年、6級で杉本八段門。2016年四段、2020年八段。
史上最年少で四段となり、さらにデビューから無傷の29連勝を達成。
2020年7月、史上最年少タイトルとなる棋聖位を獲得。同年8月、王位を獲得し史上最年少で八段昇段。

「2021年 『イメージと読みの将棋観ファイナル』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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