教養としてのエントロピーの法則 私たちの生き方、社会そして宇宙を支配する「別格」の法則
- 講談社 (2023年7月12日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (160ページ)
- / ISBN・EAN: 9784065329672
作品紹介・あらすじ
この法則を知らずして、資本主義、地球温暖化問題、人類の未来を語ることなかれ。「世の中には、ある一方向にしか動かず、『絶対に』元に戻せないことがある」。たとえば、コーヒーにミルクを入れてかき混ぜると、コーヒーミルクができて、その後再びコーヒーとミルクに分かれることはない。たとえば、熱いコーヒーをそのままテーブルに置いておくと、冷めてしまう。たとえば、コーヒーを床にこぼしてしまうと、元のカップに戻すことはできず飲むこともできない。こうした一見「当たり前のこと」は、じつは「エントロピー増大の法則」という物理法則で説明することができる。この「エントロピー増大の法則」は、数多ある物理法則のなかでも、どんな時、どんな場所でも成り立つ「別格の」法則。私たちの生き方、社会、そして宇宙を支配する法則なのだ。なぜ、経済が成長すると格差が広がるのか?なぜ、SDGsはうまくいかないのか?なぜ、温暖化が大きな問題なのか?その答えは「エントロピー増大の法則」を知ればわかる。今日の情報科学の発展にも寄与した法則を理解するための最適の教科書。
感想・レビュー・書評
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エントロピー増大は宿命で、低エントロピーにする必要性はないのではと思った。環境・人間・経済はエントロピー増大の方向に進んでいるが、世界は改善されている(「FACTFULNESS」 参照)。著者はSDGsの提案者は文系人間だと断定し、やたらと文系批判が目立つ。著者の結論が、低エントロピーにするためには宗教・信仰が大事で結んでいるところも浅はか。宗教間の争いが絶えず起きている中、軽薄すぎる。対抗して言えば「理系能」で思考回路が止まっている。物理学者ロヴェッリの「世界は関係でできている」の名著ぶりを再認識した。ロヴェッリは文系批判などせず、また、数式も2つしか引用せず、量子力学を分かりやすく説明し、さらに、宗教(特に仏教の空即是色)まで発展させ、理系と文系の融合に一石を投じている。
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請求記号 426.5/H 69
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数式を使って正確に、かつ論理的にエントロピーを解説している。が、正確がゆえにどうしても説明が長く感じてしまい、読み物の面白さとしてはイマイチだった。
ただ、今まで何となくしか知らなかったエントロピーについての理解は進んだ。情報にもエントロピーがあり、確率が収束していくのもエントロピー増大というのが感覚と違って面白かった。