マルチエンディング・ミステリー (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065333242

作品紹介・あらすじ

密室殺人の犯人を「7つの選択肢」からセレクトする、まさに「マルチエンディング・ミステリー」『最後のトリック』『ミステリー・アリーナ』の著者による新たな挑戦。                            築30年の「大泰荘」で8人の大学生が共同生活を送っていた。ある朝、マッチョな男性住人が鍵のかかった自室において遺体で発見される。深夜には建物の玄関にチェーン錠がかけられるため、たとえ鍵を持っていても中には入れない二重の「密室」で誰が彼を殺したのか?住人の誰もが怪しく、誰にも動機が……。「7つの選択肢」から犯人を決めるのは、あなた。読者投票の結果も収録。文庫化に際して、『犯人選挙』を改題。

感想・レビュー・書評

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  • タイトルどおり。

    読者投票という試みは、
    非常に面白いと思った。

    ただし、推理しうる証拠がすべて出揃った上での
    犯人当てではなく、
    司法解剖結果も出ていない途中段階なので、
    いかようにも理由づけできるかな。

    3人死ぬという冒頭の記述が、
    ちゃんと回収されてよかった。

    本書の評価は、
    人によって分かれそうですね。

  • 構成の面白い一冊。
    以下、構成についてはネタバレ含みます。




    あらかじめ「3人」が殺される物語であることを示しながら、一人目が殺されるまでの導入にしっかりと時間をかける。

    そうして、章が変わってから、犯人を「選ぶ」ターンで、急に登場人物たちと距離が出来るように感じるのが、この構成のデメリットかもしれない。

    ゲームでも、マルチエンディングはよく使われる手法だが、どちらかというと、より登場人物たちや世界観の真実を掘り下げるものが多いように思う。

    もっと、エンディング部分にボリュームを持たせられたら。
    神様の責任の一端を、自分も担えたかもしれない。

  • 発想が面白いけどテレビとかゲーム向き。リアルタイムで追ってたら楽しそう。
    Aが犯人のときに伏線になる事柄がBが犯人だとただのブラフになるのが残念。そのせいでいろいろ不自然な流れもあるし。
    巻頭の三人死にますっていうのも必要ないように思える……

  • 後半の7つの解決編からが本番
    メタ小説の発想・構成は面白かった
    けどそれぞれの動機がイマイチだったかな
    ロジックオタクがサイコパスとか
    殺された(実際は過失致死)人が最後に殺人を犯すラストは多少因果っぽいものを感じたけど

    ていうか「『館もの』中村某」を出しちゃったらダメでしょう笑
    まぁココはweb企画のファンサだったのかなw(蝶ネクタイ変声機のぼっちゃまも出たし

    大泰荘(だいたいそう)はひどくない?笑

  •  「一つの事件に七つの解決編がある」「誰が犯人かを選挙で決める」という発想が面白いメタミステリー。強引な部分がいくつか見られたが、「今までにないものを書く。」という作者の意思が伝わってくるようだった。

  • 設定に惹かれて手に取った1冊。
    第一部は、普通の(と言ったら語弊があるか。)シェアハウスでの密室殺人。ハウスの名前に癖があるといえばあるなぁとは思ったけど。
    語り手の学生がちょっと軽いかな、というのと、そこに無理やり漢字を使う?というところにちょっと馴染めないものの、読者が結末を選ぶとは?という謎が気になって読み進める。
    7つの結末を掲載時に一般投票のために公開したというせいもあってか、肝心の7つの結末はどれも駆け足で、ちょっと無理筋では、という印象。
    結末のためにキャラ崩壊してるような人もいた気がするし、読者への挑戦的なやり方をするなら、本格推理の一般的なルールは遵守してほしかった。(好みの問題ではあるけど。)
    こういう、タイトルからして奇をてらっているものは私には向かないのだと感じて読了。

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著者プロフィール

1963年、山形県生まれ。2007年に『ウルチモ・トルッコ』で第36回メフィスト賞を受賞してデビュー。2011年に短篇「人間の尊厳と八〇〇メートル」で、第64回日本推理作家協会賞を受賞。2014年、『最後のトリック』(『ウルチモ・トルッコ』を改題)がベストセラーとなる。2015年刊『ミステリー・アリーナ』で同年の「本格ミステリ・ベスト10」第1位、「このミステリーがすごい!」6位、「週刊文春ミステリーベスト10」4位となる。

「2021年 『虚像のアラベスク』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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