仏教の歴史 いかにして世界宗教となったか (講談社選書メチエ)

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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065335345

作品紹介・あらすじ

インドで誕生した仏教は、いかにして世界に広まったか。その鍵は、ユダヤ教やキリスト教、イスラム教など他の一神教とは異なり、仏教は現地の言語に翻訳されることを積極的に認めたことにある。本書の著者、ジャン・ノエル・ロベール氏によれば、仏教が中国に伝播するのは、同じインド・ヨーロッパ語族のユーラシア西部に伝わるよりもずっと困難だったはずだという。チベット、モンゴルから中国、朝鮮、さらに日本へ、また、東南アジアやヨーロッパでは全く別の姿を見せながらも「仏教」としてひとつのまとまりを見せる「世界宗教」の変遷と広がりを、フランス屈指の東洋学者が平易に解説する。なお著者は、日本語、中国語はもちろん、チベット語、サンスクリット語、ラテン語、ギリシャ語など多くの言語に通じ、日本仏教の研究などにより、2021年、第3回日本研究国際賞を受賞している。チベット文献学の第一人者で、著者と旧知の今枝由郎氏が翻訳し、充実した訳注と解説を付した。巻末には関連年表、索引も完備。著者による「日本語版のための序文」も掲載。原著=Petite histoire du bouddhisme: Religion, cultures et identites,.Edition J’AI LU, Paris, 2008

感想・レビュー・書評

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  • 162||Ro

  • 仏教の歴史という題名通りの本。

    元々の教えがどのように進化しつつ、世界に広まっていく中でどう変化していったかという話しで、各章ごとのトピックで1冊の本になるような話しをまとめていくわけだから、当然、かなりざっくりとした話しになっている。

    が、それでも全体を俯瞰するということはとても大切なことで、なかなか「仏教国」の日本では、こういう視点で本を書くことはできないだろうなと思った。

    という視点があって、初めて日本における仏教とはなんだろうという問いを考え始めることができる気がした。

    そういう意味で素晴らしい入門書。

    でもやっぱ大雑把な感じは残る。これを入門とすると、もう一冊、ここから中級編に行く前の続入門書が欲しいところ。

  • うっすーい内容

  •  著者はフランス人。中身は仏教の教義自体とアジア各地域への伝播の模様で、馴染みは薄いが割と読みやすく、コンパクト。
     西洋人は、至高神不在の仏教を宗教と見なすのを躊躇、との冒頭記述にまず驚く。唯一共通の聖典はなく特定の言語に依拠せず仏教徒間の連帯はなく、と「地中海一神教三姉妹」との違いが続いて語られるが、著者はむしろこの多様性に興味を持っているようだ。
     中央アジア経由で中国で独自に発展した派、これは朝鮮半島経由で日本にも伝わる。チベットに入りモンゴルにも伝播した派。インド起源に直結する東南アジアのテーラワーダ。また日本を含め多くの国では仏教は自国語の発展に寄与。

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