- Amazon.co.jp ・本 (32ページ)
- / ISBN・EAN: 9784074464708
作品紹介・あらすじ
「うそはくるしい」はずなのに、平気でうそをつく人がいる。大きな声でうそをつき、しらを切り通す人もいる。うそをくり返したら、ほんとうになるのだろうか。この世はほんとのことより、うそであふれている。うそをつかない人なんて、この世にはいないだろう。でも、どうして人はうそをつくのだろうか。ついついてしまったうそ。ごまかすためのうそ。自分を守るためのうそ。相手の幸せを願ってつくうそ。そもそも[ついていいうそ]と[ついてはいけないうそ]、[いいうそ]と[悪いうそ]ってあるのだろうか。あるとすれば、その違いはなんだろう。いい・悪い、軽い・重いの基準で測れるものだろうか。この絵本は、詩人・谷川俊太郎さんが1988年に発表した詩「うそ」に、イラストレーター・中山信一さんが絵を描き、構成した一冊。ある男の子がうそについていろいろと思い、考える。心の奥深いところまで届く、時おり読み返したくなる宝物のような一冊。
感想・レビュー・書評
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谷川俊太郎による「うそほんとのの詩をもとにして書いた不思議な絵本。
ぼくは きっと うそをつくだろう
という一文から始まり、ぼくが犬と散歩しながら考える。
おかあさんはうそをつくなというけれど
くるしいとしっているからそういうんだとおもう
うそでしかいえない ほんとのことがある
道端の蟻の群れを見ながら
よその犬とすれ違いながら
雨宿りをしながら
水たまりに写った顔を見ながら
公園の滑り台ですべりながら
夕暮れになって帰る道で
ずっーとぼくは考える。
うそはだめだよと言われても
そんなことはわかってる
どんな気持ちになるのかも…
だけど何度もうそをつくだろうと。
子どもの正直な心の声を聞いた。
大人になればそんなことすら考えもしないのだろうと思ってしまう。
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うそでしかいえないほんとのことがある、という一文で手が止まった。
うそとほんと。
白黒はっきり割り切れないところに生きていることの本当の姿がある。それを少しずつわかっていくのが大人になるということではないかと著者は言う。 -
好きだなぁ、子ども向けって思って読んだら混乱したけど、大人になってわかった感覚が書いてありました。
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1988年に刊行した詩集「はだか」の中の1編を、時を経て「うそ」という絵本に生まれ変わったものです。
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「うそ」の存在を考え直すきっかけをくれる絵本!
子供にも大人にも響く……そう思います。
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夏休みの感想文の宿題にどうかな〜って思い、このタイミングで紹介させて頂きます。
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嘘をつくことへの覚悟、揺れ動く心の葛藤、そしてそれらを親子で話せたら……きっと素敵な時間になりそうで!
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初めてこの本を読んで、また最初から読みかえしたくなりました。何故って……デフォルメされた中川信一氏のイラストと嘘のグレーの部分の解釈とが、自分の心の中で行ったり来たりして、つかみきれない疑問で頭が1杯になってしまったからです!
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絵本であって哲学の書でもある、心からそう思います!
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……
いっていることはうそでも、うそをつくきもちはほんとうなんだ
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うそとほんと、良いことと悪いこと、美しいものと醜いもの、どっちかに割り切れないところに、生きていることの本当の姿があります。
……
末巻の谷川俊太郎氏による文です。
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ここを読むと、今まで心の中でモヤモヤしていたものが、スーッと解き放たれる感じがします。
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嘘をつくことは良くないこと…そう子供達に教える大人が、実は嘘をつくこともある。
でもそれは自分で信じきる視点や、自分だけの正解があれば良い、人によって違う見方に自信が持てれば良いことなのかもしれない。私にとっても「うそ」の存在を考え直すきっかけになったように思います。嘘をつくことへの覚悟……そんなものが見えたような気がします。
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詩にあわせて描いたこのイラスト、揺らぐ水たまりや犬の表情……きっととても難しかったのではないでしょうか?
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お家時間にお子さんと一緒にページをめくって見て下さい。
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#谷川俊太郎 詩
#中山信一 絵
#主婦の友社 -
読み聞かせ1分45秒
本を読むことが苦手な子でも詩からなら入りやすいのではないかな。 -
うそをつくことの苦しみ。
「ぼく」の心の中には様々な思いが渦巻いているようです。
私は子どもの頃は、「うそは悪い」と一元的に思っていました。
でも、大人になるにつれ、うその中にも
・保身のウソ
・人をおとしめるウソ
・思いやりのウソ
などがあることがわかるようになってきました。
面倒なことに、一つのウソの中にも、いろんな要素が混ざっているのですね。
読んでよかった絵本です。 -
いいとかわるいとかでは割りきれない
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「うそ」をつく事を限定で語られている絵本。
大人が読むと感慨深く読めれるけど、
お子さんが読んだら混乱するかもね。 -
うそ、ほんと
きたないこと、きれいなこと
そんな単純に割り切れないのが生