さよなら月の船 (コバルト文庫 か 10-13)

著者 :
  • 集英社
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本棚登録 : 66
感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (302ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784086001991

作品紹介・あらすじ

中学生のゆずはテディベアが好きで、ちょっぴり気弱な女の子。別れたお父さんと見た夜空の月の船が忘れられない。同級生の遠藤くんが気になるけれど思いはうまく伝わらないし、父の再婚相手も現れて…。まわりはどんどん変わってゆくのに、私は大人になりたくないの?そんな時、学校で思いがけない事件が起こって…。多感な少女の揺れる思いを描くピュアな成長物語。

感想・レビュー・書評

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  • 涙がにじんでくる。
    だって少女だもん……。


    合わない人はだから何?って切り捨てるような本だけど、恥ずかしくて情けなくていたたまれなくなりながらも、ゆずにいつかの自分を見てしまうような方はいると思う。わかるよ、わたしも月の船に迎えにきてほしかったよ、ってゆずに語りかけてしまう。
    でも月の船は地球には来ないし、わたしたちは生きている限り大人にならざるを得ない。これは絶望の物語でもある。優しい砂糖菓子の衣でコーティングされてはいるけれど。

    コバルトさん、こういうのまた書いてくれないかなあ……売れないんだろうなあ……だから現実って……。

  • 何度読み返したかわからない。
    小学生・中学生・高校生・大学・・・。
    何度読んでもその時々で感じることが違う本。
    イラストも大好き。

  • 売ってしまったけど、また読みたい。
    今なら主人公の葛藤が分かる気がする

  • この人の他の話は読んでない…読みかけたけど止めたんだっけ?

    これも少女小説らしい話です。
    「他の子とは違うぬいぐるみ」っての分かるなぁ。

  • 竹岡美穂先生の挿絵が綺麗で前から読んでみたかった1冊であります。
    凄く純粋な意味で(ラノベ的な意味でなく、恋愛小説的な意味でもない)
    「少女小説」で、少女向けレーベルだからこそ少女に読んで欲しい、
    かつ大人にもしっかり読ませるので大人にも読んで欲しいので
    少女レーベルは勿体無い、そんな1冊でした。

    読んでて思ったのは、主人公のゆずちゃんが凄くいい子だなぁということ。
    いわゆるマニュアルのいい子、でなくて、
    自分の「汚い部分(傍目にはそうは思わない)」を自分で意識していて、
    その思いに気が付いてもらえない時は素直にあがいて、
    その「素直にあがく」て行動が周りをも変化させていくという。

    でも、ゆずちゃんの歳頃の頃は、さすがに両親(特に母)の脆さや不器用さ、
    何より自分自身のゆがみには気がつけなかったり、
    自覚していてもどうしようもなかったり。結構そんなもんでした自分は。
    今だと考えられないことを考えたりしたりした時期でした。
    この時期にここまで脱皮できるのは凄いよ。
    今作のゆずちゃんのお相手(v)や、
    親友・菜摘ちゃんが惚れるだけのことはあります。

    それはそうと、あとがきにも書かれてますとおり
    今作は携帯やメールの出てこない、アナログな時代のお話。
    携帯やメールは、便利でいい部分もあるけれどある意味、相手の好意を「数値化」
    してしまうなぁとも感じましたね。
    メールがマメ、コメントが多い、=より好かれてるてワケではないのに。
    (特にこの意識を感じたのはミクシィです。人気が落ちたのはここにもありそう)
    正直自分が子供時代こういうアイテムに触れていたら
    …ちょっと心配だったかもしれない。
    ま、こう考えるのは私は一応「アナログ時代」育ちだからかもですが。

  • 少女の成長物語。ただ当時の私は、あまり共感できなかった。もう一度読み返そうかなあ。

  • 主人公・ゆずのゆっくりとした成長ストーリー。文章全体の雰囲気もあたたかく、「自分はこのままでは変われないのでは?」などと未来に不安になってしまうような心を、優しく包んでくれる気がした。

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