炎の蜃気楼 Exaudi nos

著者 :
  • 集英社
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本棚登録 : 116
感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784086090315

感想・レビュー・書評

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  • 炎の蜃気楼番外編。ハードカバー。

    あとがきによると火輪の王国中編をこれから書くところとあるから、火輪の王国前篇が出た頃に書かれたものらしい。

    アウディ・ノス
    「アウディ・ノス」はポルトガル語らしい。キリスト教の礼拝文の一節で、「我らの祈りを聞きたまえ」の意味。

    24歳の直江が、生死不明の景虎のことを考えつつ、マリア観音にこびりついた人の念を浄化させる話。換生前の色部と、まだ高校生の綾子も登場した。

    GOLD WINNER
    高耶たちが競馬に行って、馬と騎手の霊が無念のレースをやり直すのを見届ける話。

    高耶が寒いときに直江が高耶の風よけになったり、ホテルに二人で泊まったり、高耶と直江の「お約束」な小話も入っていて楽しめた。

    夜を統べる瞳
    耽美小説?っていうのか?ほぼ中身がない話。千秋がベルボーイしている。高耶は完全女王様。直江がワインなんか飲ませているから、もう未成年じゃないのか?

    あとがきに書いてあったが、神戸で震災が起きる前の話なんだな・・・。時代を感じる。

    競馬の話の中でも、二人が見ているのはビデオテープだし。

  • 「アウディ・ノス」
    直江が兄・照弘に頼まれて、涙を流す観音像の謎を解き明かすという
    闇戦国とは関係ない珍しいケースだが、
    確かに変わった話なので義明に、と話を持ち込まれるのもわかるし
    橘照弘の義明に対する愛情が描かれるところが貴重。
    弟を頼ったり、頼るふりをしてフォローしたり、という兄の振る舞いが良い。

    色部さんや高校生の晴家が描かれている点も珍しい。

    長崎も天主堂に行ったことがあるし、キリスト教の知識がそれなりにあるので
    舞台と言いマリア観音と言い読んでいて静かな気持ちになった。


    「GOLD WINNER」
    ハードカバー本の文庫化。

    パラレルとは言え、こんな頃もあったかもしれない
    と思って読むのは面白かった。
    はしゃぐ晴家と千秋が懐かしく感じた。

    競走馬の霊が求めていたものが、けして現世の馬たちへの恨みではなく
    自分の相棒である騎手とのラストランだった、というのは中々にぐっときた。
    そんなふたりの霊を調伏したくないという高耶の気持ちも良かった。


    「夜を統べる瞳」
    兵庫県に住んでいたことがあって、このホテルにも行ったことがあったので
    ちょっと感慨深いものがあった。

  • 超番外編。
    直江の若いころの話もあって、新鮮。

  • 久々に読んでみました。桑原さんのサイドストーリーは個人的に好きです。

  • 文庫も出てるけど。
    ハードカバーで読んでほしいなあ。

  • ハイ、直江ラヴ。

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著者プロフィール

千葉県生まれ、東京都在住。中央大学文学部史学科卒業。「風駆ける日」で1989年下期コバルト・ノベル大賞読者大賞を受賞後、90年『炎の蜃気楼』でデビュー。同シリーズは累計680万部を超える大ヒットとなる。他の著書に、今作を含む「西原無量」シリーズ、『カサンドラ』、「赤の神紋」シリーズ、「シュバルツ・ヘルツ」シリーズなど多数。

「2023年 『遺跡発掘師は笑わない 災払鬼の爪』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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