オンディーヌの聖衣 (集英社文庫 コバルトシリーズ 183-AG ユメミと銀のバラ)
- 集英社 (1990年4月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
- / ISBN・EAN: 9784086114103
感想・レビュー・書評
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銀バラシリーズ3作目。
みっつ目の聖宝「オンディーヌの聖衣」登場。
多面体にカットされた青水晶が反射した光が、衣のように見えるので「聖衣」と呼ばれているけれど、実はチョーカー。
身につける者は不老不死になるので「永遠(とわ)の聖衣」とも呼ばれる。
「不老不死」と聞いて、あらっ欲しいわっ!と思ってしまうお年頃(笑)になってしまったけれど、
続きがあって。
――その命は周りの者から吸収する。
――永遠の命と引き換えに孤独を手に入れるため「孤独の聖衣」とも呼ばれる。
という、悲しい聖宝。
そして、月光のピアスと引かれ合う関係にある。
聖衣の必要とするエネルギーをピアスが満たし、それにより他の人から命を奪わずにすみ、
そしてピアスは、聖衣に埋め込まれることにより人の呪いを叶えるという役目から解放されるから。
前巻のヒロシに続き、今回は光坂クンが少々拗ね拗ね。
かわいいなぁ~と思ってしまうのは単なるヒイキ(ヒロシ、ごめん!)。
メタモルフォーゼものでも猫をひいきしてしまう傾向アリです。
謎の美少年ルスカに訳もわからず、惹かれてしまうユメミ。
ヒロシや光坂くんからすれば、少々気が多く見えてハラハラするかも。
鈴影さん(レオン)の切ない想いも、巻を重ねるごとに表出してくる。
総帥のあるべき姿に厳しい、教訓(タルムード)の騎士バンドームさんは、レオンの心を見透かすように、警告を発する。
そんなバンドームさんまで、最後には納得させてしまうレオンの強靭で潔癖な精神。
この人、まだ高校3年生なんだよね……たまに忘れそうになる。
ルスカのその後や、純子ちゃんに通じたユメミの心など、
希望を感じるお話でまとまって、うれしかった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
所在:実家