- Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
- / ISBN・EAN: 9784086311496
作品紹介・あらすじ
“オンラインぼっち"ゲーマーのリオは、後輩・サクラに誘われ、謎の世界初のVRRPGに参加。剣や魔法を駆使したリアリティのありすぎる大冒険に心躍らせる二人だが、実は現実に連動していて──!?
感想・レビュー・書評
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作者の次の作品の「最強カップルのイチャイチャVRMMOライフ」の下敷きのように思える作品。皆で力を合わせてどんどんゲームを勧めていく所はとても良い。
作者の1作目「ウィッチハント・カーテンコール」同様に、設定というか、登場人物の行動原理が少し吹っ飛んでいて、理解しづらい面も感じた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
本作の世界で物語AI・Nanoがゲーム小説として生み出したMAOが、『最強カップル』の世界で実在のゲームとして登場する。
単なる「入れ子」にとどまらない、NanoとMAOを媒介としたパラレル構造。
『最強カップル』側のMAOでは聖旗教とジェラン教の抗争を経てエリスが教都エムルの領主をしており、そのうえで『最強カップル』側のゲーム運営主体・Nanoは、XRMMO世界を構築しようとしている。
つまり、『遊者戦記』のNanoが『最強カップル』世界に侵食している構造なわけで……えっ何これ凄くない?
『最強カップル』でMAOは、『遊者戦記』のエムルの歴史の if をなぞっている。
そこのNanoという主体の意思が介在しているとして読んでしまうと、『最強カップル』側MAOの〈ようこそ、時代の礎となる者よ〉というログインメッセージが、『遊者戦記』を読む前とは全然違った意味に見えてきて、なんかもう、「あぁぁぁぁー」ってなってます。
なお、『遊者戦記』単体としては、藤子・F・不二雄の大傑作『モジャ公』の「天国よいとこ」を彷彿とさせる設定が登場する。
そもそも、物語全体も『大長編ドラえもん』的な着想に依っている部分が多く、そういう点で馴染みやすい内容だったと思います。
最初に触れた『遊者戦記』と『最強カップル』のパラレル構造も、この『大長編ドラえもん』的着想の延長にあったりするんでしょうか。なんか底が知れない作品に立ち合っている気がしてなりません。
(ちなみに、エリスの元ネタに関しては、「エリス自身はジェラン教の信徒だった」の一節まで気付いてなかった程度には読んでいてポンコツかましました)
※なお作者
https://twitter.com/kamishiro_b/status/1210955198383841280
(作者のTwitterより)