宝石商リチャード氏の謎鑑定 天使のアクアマリン (集英社オレンジ文庫)

著者 :
  • 集英社
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レビュー : 38
  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784086801065

作品紹介・あらすじ

壮年夫婦のかみ合わない愛情。詐欺師に騙された女子大生。遺産の翡翠を巡る確執。お見合いをする谷本晶子の恋愛事情。宝石を通して見えてくる、数々の人間模様。そして、リチャードの過去が明らかに!

感想・レビュー・書評

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  • 外堀が勝手に埋まっていく……

  • 下手なBLよりドキドキした。お前ら早くくっついてしまえ!

    宝石商リチャードシリーズ3巻。リチャードが自身の出自を少しずつ正義に話し、二人の間に甘い雰囲気が出てきている。超絶美人でストイックで完璧なリチャードが、正義にかかっては甘味大臣の可愛い人になる。正義もリチャードのために自家製プリンを切磋琢磨して作る。リチャードは正義には非常に優しく、他の人には見せない表情を見せる。二人のやり取りを周りの人が誤解してぎょっとするのは1巻からのお約束だが、あながち間違いでもない気がした。促して自身のほめ言葉を言わせ、それに応える方もどうかしている。そんなん恋人同士やないかーい!

    幸せな人を見るとわーっ!ってなる気持ちとか、子供のためにあまり家にいない人と再婚したりとか、恋愛がよく分からない気持ちとか、すごく繊細で細やかで良い。ささやかで、幸せな人や世間一般から見ると正論を押しつけられそうな感じのことを、筆者は握りつぶしたりしないで、しみじみと、心に染み渡るように小さく抱えて大切にしてくれる。

    顔と遺産のせいで普通の人には理解されない修羅場をくぐってきたリチャードに対し、まっすぐで感情一直線で、人との距離を保つ優しさもあって、ちょっとボケてて一生懸命で、優しくて落ち込むこともあって、そんな正義がそばにいてどうして好意をもたずにいられようか。リチャードの分かりにくい甘えと心を許している感じに甘さを感じる。二人の分かり合ってる感じがすごく、すごくいい。正義は誰かのために一直線で、正論を振りかざすだけじゃなくて、悪ややりきれないことに落ち込むし割り切ってるわけじゃないし、相手を尊重してくれるし、自身なりの気遣いはしてくれるし、ああもうリチャードからしたら惚れるしかないんじゃないか。

    リチャードの本当の気持ちは分からないけど、リチャードはそんなこと認めないだろうけど、自分のそばにいたら不幸になるとか思ってるかもしれないし、好きな相手とうまくいって欲しいと思ってるのかもしれないけど、でもやっぱりリチャードと正義の繋がってる感じが好きで、軽口を言い合ったり細やかなところで分かり合ってるのも好きだし、なんだかんだ心の距離は近いし大切に思ってるし心配するししたいし、それがただの上司とバイトの関係だなんて言えないじゃないか!これがBLレーベルなら是非二人の恋を応援したいところなのだけれど、一般向けレーベルだからなぁ。本編はこの絶妙な距離感を続けて正義は谷本さんと付き合って欲しいし、リチャードは心の中でほのかに失礼しつつ正義のそばにいて欲しい。そして是非!同人誌でアナザーサイドを。二人の幸せを見たいです!

    宝石がテーマの物語だが、このシリーズの魅力は何よりも細やかで繊細で優しい機微にある。正論を振りかざすような子供っぽいそれではなく、世間の波にさらされて、時には挫けたり泣いたりすることがあっても、それでも生きてきたというか。そんなゴツいものではないんだけど!くそぅ、うまく言えないな。年配のご夫婦が二人で宝石を買いに来るのを普通の幸せではない、と言うような幸福感です。正義達が生きているのは、結婚して子供が産まれて元気に育って老後を夫婦で暮らすような、そんなことが一般的であり当たり前とされるような世間なんだけど、正義達はそれが当たり前ではない。だからといってやさぐれているわけでも恨んでいるわけでもなく、背負った自身の境遇と共に生きていく。世間でいう一般的でないこと、少数派であること、良いこととされていることから外れている人を、ひねくれもせず描くことがうまい。一体筆者はどんな人生を歩んできたら、こんな優しい物語を描けるのだろう。

  • アニメで観た話が多くて内容を思い出しながら読む(熟年夫婦の話だけアニメにはなかったかな?)
    リチャードは本当に流暢に日本語をあやつるなと感心し、正義は普段は突っ走りなのに肝心な所で情けないとやきもきさせられる
    このまま二人の仲が続いていくと思っていたのに…

  • 今巻は、石と想い、がテーマだったのかな。登場人物が出揃ってきて素直にキャラクターの感性や内面が出てきているからかもしれない。リチャードの話し方が粗雑になってきていたし(笑)
    好きな人には似る、と思う。リチャードは正義に、正義はリチャードに、似てきた。

  • 空いた時間にするすると読める良作。

  • リチャード氏は何処へ。続きも!

  • 暇つぶしの軽い読み物として良い。

  • アニメの時も思ったのだけど20年前のスーパー攻様だったら500万円は端金、ポケットマネーだったのに今はそんな大ごとなのかと衝撃をうけた。いや宝石商はBLでもないしリチャードはスーパー攻様じゃないのは知ってますが、金持ち設定でも500万は大金なのか、時代!!
    インド系のおっさんの口ぶりから同郷の元恋人は男かと思うやん、あなたこのシリーズで1番偏見なあたんではないか
    谷本さんの話は小説でもピンとこない、恵まれてんなとしか…

  • 今回の巻は、リチャードの過去が少し垣間見えたり正義との仲が段々と深まったり正義の恋の行方が…進展??したのかなんなのか…そこは相変わらず外野からするとさっさとしろ!と言う感じだけど、兎に角話の展開的には石にまつわる事だけではなく人間関係の方に比重が置かれていた気がする。
    せっかくリチャードとも仲良くなってきたのに…宝石店のエトランジェが休業!?
    ちょっとすぐ次の巻を読もう!

  • シリーズ3作目。
    謎の多い宝石商の人となりの一片が見えてきた。
    人と人の繋がり方の複雑さ。
    持つ者と持たざる者の越えられない境界。
    渦中の盲目。
    渦中の孤独。
    大なり小なり、誰しもが抱える課題。
    得た気付きを如何に卸すか。
    4作目に期待。

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