平安あや解き草紙 ~その姫、後宮にて天職を知る~ (集英社オレンジ文庫)

著者 :
  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784086802444

作品紹介・あらすじ

いきおくれ女子・伊子が後宮の事件を次々に解決!? 平安お仕事ミステリー!

時は平安。過去に入内の話はあったものの立ち消えになってしまい、婚期を逃したまま実家に居座っている藤原伊子(かのこ)。
当時の結婚相手となるはずだった東宮は早世し、彼の息子が現在の帝である。
ところが、ここにきてなぜかその帝が伊子の入内を希望してきた。彼は十六歳、伊子はその倍の年齢だ。
いくらなんでも無理でしょう、と断るために出かけた先で、伊子が再会したのは十年前に別れた恋人、嵩那(たかふゆ)。
彼との関係は誰にも知られていないけれど、処女ではない身で入内なんてできないと思っていたのだ。
だが帝の熱烈な要請によって、尚侍として後宮に入ることになってしまった伊子に謎の人物からの脅迫文が届き…!?



第一話 花の色はうつってしまったけれど

第二話 悪くはないが、もう少し考えてみよう

第三話 ないものを求めてもしかたがない

第四話 人それぞれ思うことはちがう

第五話 言ってはいけないことと言わなくてはいけないこと

感想・レビュー・書評

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  • 主人公は左大臣の行き遅れの32歳の娘の伊子で、まだまだ美しいけど、年増なりの立ち居振る舞いの貫禄も出てきているが、基本的にさばさばしていて、読んでいてお気楽な話。16歳の主上に女御にと望まれて吃驚する暇もなく、昔の恋人の式部卿宮・嵩那親王に出会ってしまって、あたふたとする。結局、後宮の内侍として出仕することになるが、いくつもの事件が起こって、それを伊子が嵩那の助けのもと、解決してしまう。ちょっぴりミステリーの要素もあるわけだ。後宮でのいがみ合いなどもあるが、結構あっけらかんとしている。

  • 面白い!!最近平安のお姫様ものをちょいちょいと読んでいるので、ネトであなたはこれもお好きでは?とお節介A iに平安ラノベを勧められることが多くなったんだが、そのなかでなんとなく惹かれたので手に取ってみた。
    なんと、いきおくれ女子というかなり危険なテーマの30すぎ独身女性のファンタジーともいえるのでは。平安時代の32歳、”あまりにも高齢”と言われる主人公伊子は、もともと先の東宮、今上の父に入内するはずだった左大臣の大君(長女)。中宮になるための妃教育を受けて育って、しかし入内しなかったという、まあ、源氏でいうところの葵のような生い立ちだが、色々あって性格は拗れていない、そして、結婚もしていなかった。が、「とっても高齢」にもかかわらず、帝にもモテモテの宮にも惚れられている。そして、美人で頭が良く、センスがいい。
    32歳にして初めて後宮に出仕し、働くようになって、どんどんと才能を発揮していく。働く女性の話。
    ただまあ、帝から再三求められるも、入内はせずに女官として働いていて、色々と難しい立場ながら、なんと言っても出自も後も申し分のない上臈なので、色々と問題や誤解はある。
    1巻は誤解ミステリなので、可愛い。
    テンポもいいし、設定が面白い。女性の生きる道の難しさもちらちらと語られる。

  • わけあって婚期を逃し、32歳になってしまった、左大臣・藤原顕充の娘・伊子。
    ところが、16歳も年下の今上帝が、入内を望まれて……。

    おもしろかった。

    ナチュラルに失言をかます弾正宮と、いきりたつ左右大臣とか。
    平安時代の雰囲気を味わいつつも、現代的なコミカルさがあり、読みやすかった。

    年齢を重ねた伊子だからこその、たくましい采配。
    テンポもよく、たのしい。

    今上帝、元カレの式部卿宮・嵩那親王との艶めいた話もあり、尚侍の仕事一辺倒でもないところもよかった。

    シリーズ化しているようなので、続きも読んでみたい。

    平安時代における和歌は、趣味ではなく、仕事でも恋愛でも、必須スキル。
    できる&モテる男なはずの嵩那親王が、致命的に和歌ができないのは、ダメでは……、とツッコんでしまう。

  • 紹介文読むとミステリーって書いてありますが、皇室ラブロマンスかな。やや強引な内容もありましたが、面白く読めました。「なりゆき斎王の入内」シリーズは全部読み、その際も強引展開を感じたので、この作者の特徴なのかも。例えばいくら政治的に落ちぶれていても左大臣の娘を30過ぎまで嫁がせずにいないでしょう?とか、平安時代なのに、顔突き合わせすぎないですか?とかね。
    いずれにせよ、それなりに面白い後宮ものは好きなので、多分続き読みます。図書館にないから、古本探さなきゃな~。

  • 軽いライトノベルだが好きな平安時代が舞台でとてもたのしめた。
    抑えるところはきちんと抑えて平安もどきにならずに安心して読める。シリーズ続けて読んでいきたい。
    この頃このタイプが流行っているのが喜ばしい。

  • お仕事ミステリーとはいかにと思い読み始めた。古典(後宮)の教養があれば謎解きしながら読めたのかなと。悪意を持って起きた事件ではなく、想いがあふれた事件ばかり。

  • 楽しんで読めた。
    最近中華風が多かったので和物は久々。
    主人公がモテすぎなのと、みんな素直で嫌な奴がいないのが少し物足りなさを感じる要因か?

    2021.3.17
    32

  • 202010/面白そうなので表紙買いした初めましての作家さん。お仕事小説、という程かなとは思うけど、ラノベらしく謎解きも登場人物のキャラもわかりやすく(ただ、各人物の名前の読み方はなじみがなくわかりにくいので覚えるまで何度もページ戻ったけど)気軽に読めて面白かった。

  • 平安時代の小説や漫画はたくさん読んでいたのですが、最後まで「蝙蝠」がなんのことかわからず(読み落としてたらすみません)、唯一調べました。扇子みたいなやつでした。。檜扇しか持っていないのかと思っていました。
    後宮ですが、8歳と18歳しかいないので、実質敵はおりませんね。でも主人公32歳は別に想い人はいて、三角関係です。

    あと、源氏物語を母の物語と読んだのはちょっと初めての見解だったので、確かに、と思ってしまったという蛇足の感想。

  • 初めましての作家さんです。お仕事ミステリーだったのて、日常のミステリーに入れました。最近中華ミステリーを読んでいたので、おそらく同じ年代の話しなんじゃないかなと思います。ただ〜のかみとか〜の内侍とか名前が長いね。平安時代だからね。読み方とかが平安だからわからなくなったり、昔の読み方のモノに想いを馳せたりしていたら、ゆっくりペースになりました。物語はおもしろいけど、時間がかかりました。続編がありますので、次に進みます。

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著者プロフィール

埼玉県出身、佐賀県在住。「平安あや解き草紙」「なりゆき斎王の入内」シリーズをはじめ、数々の人気シリーズを執筆。その他の作品に『西陣あんてぃく着物取引帖』『お師匠さまは、天神様』『後宮の薬師』『掌侍・大江コウ子の宮中事件簿』などがある。

「2023年 『華は天命を診る 莉国後宮女医伝』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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