ベアトリス、お前は廃墟の鍵を持つ王女 (集英社オレンジ文庫)

  • 集英社
4.20
  • (18)
  • (19)
  • (7)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 226
感想 : 13
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784086803403

作品紹介・あらすじ

国の命運を握るのは王女。激動のヒストリカルロマン!
王族による共同統治が行われる国イルバス。王女ベアトリスは王宮を離れ、北方の辺境リルベクで趣味の工業生産に明け暮れていた。
イルバスの統治者は現在、兄のアルバートとベアトリスの二人。二年後に弟サミュエルが成人し、三人統治体制となる。
尊大な兄アルバートと狡猾な弟サミュエルが常に対立し、間に挟まれたベアトリスは分裂を回避するためにあえて引きこもっていたのだ。
兄からの王宮出仕の要請をのらりくらりとかわし、側近のギャレットとともに時期を待つベアトリス。
だが周辺国の情勢が悪化し、ベアトリスはついに政治的決断を迫られる。
彼女の手には、賢帝と名高い祖母から受け継いだとある「切り札」が握られていた……。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 面白かったです。
    ラノベの雰囲気が良い方向で、壊されているのが、素晴らしい。
    これからの作品も期待してます。

  • 王道の少女小説らしさを感じた。ヒロインが格好可愛くて良い。兄と弟がシスコンに見えた。

  • 緊張感が続く話で、兄と弟どちらにも傾けられない主人公の心労はいかばかりかという感じでした。続きものだと思っていたのでこの油断できない流れはいつまで続くのだろうと読み進めていたら1話完結でほっとしました。誰かしら不幸になるのではとはらはらしましたが最後はまとまってくれて本当によかったです。

  • これは大好きなやつ。
    複数の王が共同統治をするイルバスの、兄王と弟王子の間に挟まれた中間子として、王国の安寧のために権力の均衡を保つことに苦心する女王ベアトリス。
    ひとりにだけ託された廃墟の鍵の秘密ゆえに、彼女は周囲を信じきれず孤立し、自らの領地に引き籠っていたが、友好国の情勢悪化に伴って、軍を動かすか否かの決断を迫られることになる。
    兄と弟と彼らを取り巻く派閥の思惑に翻弄されつつも、従者ギャレットと想いを通わせながら、自分の臆病さや弱さを見つめ直し、自らの進むべき道を見つけていく姿がとても自然で、胸が震えるほど格好良かった。
    雪に閉ざされたリルベクの廃墟の塔から暖かなニカヤヘ、長い冬から春へ、頑なに縮こまっていたベアトリスが羽ばたいていくような流れも美しい。
    そして共同統治をしている三兄弟が、それぞれに敵対し相手を呑み込もうとしながらも、嫌い憎みあっているわけではなく、寧ろ愛情があるがゆえに分かち合えないというのが、とても良い。
    アルバートの父権的な庇護と支配も、サミュエルの劣等感と依存心も、ベアトリスへの愛の形ではあるがどうしようもなく歪で悲しく、ベアトリスが兄弟を愛しながらそこから旅立つことで、この三人は上手く関係を再構築できたように思います。
    恋愛の描写はさらりとしていますが、ロマンチックで愛に溢れた芳醇な物語でした。

  • 兄、ヒロイン、弟の三つ巴で国が割れるのかと思いきや、思いのほか兄と弟がヒロインのことが大好きだったってね(笑)弟はともかく、お互い国王である兄とは切磋琢磨してたのかな。ヒロインは臆病とか兄と弟を取り持つとか一歩引いたとこから見てる感じはあったけど、女王陛下でした。最後は海を渡って、属国の女王陛下兼幼い王の摂政のような立場になるのかな。王杖と共にお幸せに〜

  • 全体的に硬い感じですが、ベアトリスがしっかりとしていて、王女の責務に務めている姿勢が良いです。とにかく頑張っている事が伝わってくる。恋愛要素は本当に薄め。

  • ベアトリスかっこいい!!

    一見悪役に思える登場人物達にも、なぜそうならざるを得なかったのかという過程がしっかりと描かれていたのが良かった。加えて彼らの持つ優しい一面も伝わってきたのが印象的。
    本筋のベアトリスの成長物語や淡い恋愛模様も含め、とても良い物語でした。

  • 表紙に惹かれて買いました。

    思った以上に面白かった・・・!!
    ベアトリス、ぐう有能すぎる。
    人柄もよすぎて好きになりました。

    兄弟で血がつながっていて他人よりも知りすぎているが故にいがみあってしまう。
    お互いを想い、信じたいと思い、国を想うがゆえに疑心暗鬼になる。
    その表現がよくされていて続編?も読みたい。

  • めっっっっちゃおもしろかった…っていうか帯の文言がかっこいい…「深紅の薔薇よ、イルバスの闇をうちはらえ」って…あー!ぜったいおもしろい!ぜったいおもしろい!って思ったら案の定だった…

    尊大な兄と狡猾な弟に挟まれた中間子、ベアトリス。のらりくらりと兄と弟をいなしながら、いずれ骨肉の争いを繰り広げるのかと思ったら、展開は違う方向へ行き…ってほんと面白かったです。ベアトリスが女王としてほんと有能で読んでいて楽しい! 兄弟では兄のアルバートがすごく好きです。これ続編とか出ないのかしら…って思ったら前日譚?アデール陛下のお話がシリーズであった…!読みます!!!

  • 本の帯に書いてあるとおり、「ベアトリスかっこいい。」でした!
    北部の雪に閉ざされた辺境地で思慮深い王女様が兄弟と腹の探りあいをしつつ、国の統治に頭を悩ませながら成長していく素敵な物語でした。
    この作家さんは初めて読みましたが、面白かったです。電子版でも祖母アデールの廃墟シリーズがあるみたいなので読んでみたいです。

全13件中 1 - 10件を表示

仲村つばきの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×