- Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784086804509
作品紹介・あらすじ
大ヒット美術ミステリー『異人館画廊』
第一部・完結!
千景が日本に帰国してはじめてのクリスマスが訪れようとしている――。
昔は苦手だったクリスマスも『異人館画廊』に集う面々との交流から、まったく違う風景に感じられる。
千景を笑顔で迎えてくれる人がいるからだ。
一方で、千景は英国時代の師であるヘイワード教授から博士論文を勧められていた。
それは再びの渡英を意味していて……。
そんななか不可解な強盗事件に、呪われた絵画が関わっているらしいと京一から相談を受けた千景と透磨は、
やがてカラヴァッジョに憑りつかれるように魅せられた男と、父との軋轢に苦しみ続けた女の奇妙な接点に気付く。
見るものを揺さぶるアウトサイダー・アートを追う中で、千景が見つけた自身の過去と未来を照らす「答え」とは――?
感想・レビュー・書評
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前作で千景の記憶が戻り、だいぶ千景が丸くなった気がします。
図像学という何とも専門的で魅惑的なテーマのシリーズです。強盗事件から発展していく人間関係や背後関係、アウトサイダー・アートの謎に迫って行きます。
一部が完結ということですが、また新たなシリーズが始まり千景と透磨の関係も変わっていくと思うと楽しみです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
この巻で第一部完です。記憶を取り戻した千景と、保護者としてふるまいながら距離感を図りかねていた透磨が、ようやくお互いの立ち位置を見つける。そんなお話だと思います。
第2部はどうなるんでしょう。 -
サクッと読めた。第一部完結。
クリスマスの苦手な千景。そりゃ、親との関係、誕生日の日にちを考えれば嫌にもなるよね。
今回の図像はカラヴァッジョ?家族に込められた思い的なものを感じた。
千景はイギリスにもどるのか?それでも透魔との関係は大丈夫な気がする。 -
図像術。
読み解く力のある千景。
ほのかな恋の物語と共に進んできたシリーズが、完結した!
これでお別れ?いやいや、第一部完結、とのことで、きっとまた会えるはず。
第一シーズンの締めはアウトサイダーアート。
つまり、正規の教育や、弟子入りなどしていない無垢な絵のこと、例えば・・・先住民による伝統芸術や、グラフィックアートなどが該当する。
自分は絵で人を殺した、と訴える女性。
その女性は自らのことを責め続けている。
自分が女であることを疎んでいる。
それは生来のものではなく、自らが育ってきた環境が、女性であることを否定してきたのだ。
神に仕えていたのに、子供のために還俗した父は、私を罪そのものと思っている…そ
んなふうに育てられてきた子供の苦しみはいかほどだろう?
また、一方では愛の結実としての子供もいる。
しかし愛されて生まれた子供は天に召されてしまった。
大抵の親にとって、子供が自分より先に亡くなることは自らを引きちぎられるのと同じくらい辛いもの。
こんな悲しみが重なった時、描いた絵には図像術が宿るのだろうか。
絵の持つ力と心の関係。
そんな目に見えない強い何かの存在を示しながら、物語は続く。 -
第一章がようやく終わりとのこと。
うーん、面白かったけど物足りないかな -
続きモノとは知らなかったが、面白く読めた。
シリーズの最初から読んでみたい。 -
なんだかもったいつけるなぁ。。。笑
なんか色々クリアになった後の今後に向かうための回だったせいか、パリッとしない事件だという印象拭えず。
でも続きは待ちます!
2022.9.30
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