宝石商リチャード氏の謎鑑定 少年と螺鈿箪笥 (集英社オレンジ文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784086804516

作品紹介・あらすじ

ドラッグストアで絆創膏を万引きをしようとした少年は、不思議な男と出会ってしまう。ポケットの中にあったはずの絆創膏は、いつの間にか男の手の中にあった。数奇な出会いから二人の運命は交錯してゆく。病に伏せがちな母、楽しくない学校、乏しい家計の収入、そして誰も住んでいないはずの屋敷に出没する『幽霊』。少年の世界の全てを変えてしまった男は『中田正義』と名乗り――? 大人気シリーズ、第三部開幕!

感想・レビュー・書評

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  • 絆創膏を万引きしようとしたみのるくん。
    その時に正義やリチャードと出会い、みのるくんの人生が大きく変わっていく。

    みのるくんと正義の関係性。
    ある人物の名前が出てきて驚きました。
    それは2人に関わる共通点。
    シリーズを読んでいればわかる人物です。

    最初は重めの感じだったけど、読み進めると温かくなるお話でした。

    最後の章では、オクタヴィアとヴィンスさんの会話にほっこりしました。

    第三部が開幕ということなので、これからの物語も楽しみです。

  • 第三部。宝石の話は多くなかったけど、
    前回から成長して秘書が形になってきたんだな、と第三者から垣間みえてる感じ。
    リチャードが少ししか出ないし、正義とあまり絡まないが、存在感はばっちし。
    みのるくんの存在がこれからどうなっていくのか、また楽しみ。

  • シリーズ第3部!
    第3部では、正義が日本に戻ってくる!
    今回のメインとなる人物は、中学1年の霧江みのるという男の子。
    横浜市の公立中学校に通うみのるの元へ、正義がやってくる。
    みのるは正義のことを知らない。
    正義は自身のことをみのるの親戚、という。…どういうこと??

    本作ではいわゆる「宝石」ではなく、螺鈿細工が登場する。表紙のイラストは、まさに螺鈿細工!
    精神疾患を持つ母、生死不明の父。曲がりなりにも裕福とは言えない暮らし。
    そこに登場する正義は、さながらあしながおじさん。
    言葉にできない怒りなのか、悲しみなのか、胸に広がるもやもや。
    それを受け止め、心の奥底にあった「愛してほしい」「大切にして欲しい」という思いに応えてくれたのは正義だった。
    誰よりも愛して欲しかったのは母だが、自分のことなど視界に入っていないんじゃないか。
    しかし、そうではなかったことをみのるは知る。
    優しさと愛に溢れたシリーズ、次作刊行が楽しみだ。

  • まさか続きが出るなんて思ってなかったリチャード…
    ありがとう七子先生!
    相変わらず七子先生の優しい文章、そしてどいつもこいつもと叫び出したくなる魅力的な登場人物達…
    正義にまさか義理の弟が…
    もう早く次の巻が待ち遠しい!
    リチャードの優しさと正義の優しさ、ジェフリーの優しさにライさんの優しさ何もかもの優しさにすり潰されてしまいそうになりながら読了。
    そしてリチャードを読むと英語頑張ろ…と素直に思えるから不思議。

  • 面白かった!冒頭にある通り、みのる君の物語。そして正義とリチャードの、他のみんなの物語でもあるのかな。
    螺鈿はゲスト出演(笑)。もうちょい描写が欲しかった。

    後半になればなるほど、どれくらいの時間経過なのか世界観がつかめなかった。まぁ、正義が27歳とはっきり言われてるから、そうなんだろうけど! 大人になってからの時間の経過って早い!! その間何があったの?!ってなってた(・・;

    みのる君や、福田さん視点の正義が垣間見れて面白かった。

  • 正義はすっかり大人になってしまって……というか、イギリス貴族ファミリーに毒されてしまって、パンの耳食ってた子どもの前に、豪勢な飯奢ってくれる大人が急に現れたら子どもがどう思うかを忘れてしまったんかな……ってなりました。

    あと今どきの小中学生そんな風に外国語やってないと思いますけどこれは個人の視野の範囲内なので……もやっとはするけどまぁ……。
    あと(おそらく)北京語のフォントも揃ってなくて読みづらかったですね。

    なんだか全体に精細を欠いたような印象を受けました。
    話がとっ散らかってるといえばそう……3部に向けて色々の紹介してると言えばそう……。

  • ・みのるくんが万引きしようとしたのを鮮やかな手つきで盗み返す正義くんにああ〜〜〜ってなった おばあさんの……(言葉にならない)
    ・それを少し弁解するような焦ったような感じでみのるくんに説明してるのもなんか 心ギュッとなった。
    ・リチャードこと幽霊さん、こっちは主に中身で正義くんとみのるくん似てるなって思ってるんだろうな…と思いながら読んでいたらそんなようなことを言っていてやられた。あのね〜〜〜〜私は…リチャードも正義くんもお互いにお互いの傷付いた子どもの頃の魂を救いあっていると思っていて…だから今回物理的に正義くんのような(おそらく見た目も中身も似ている)子がリチャードの前に現れて会話をしているというこのシチュエーションにたまらなくなってしまったよ。いや、みのるくんはみのるくんなので、混同はしたくないんだけど、この…こう…この……概念的なあれでさ…………。
    ・正義くん、みのるくんにもっと早く会いたかったと言っていたけど、多分そうなってたら正義くんは自分自身のことをも疎かにしてみのるくんたちのために奮闘したろうから、今でよかった。
    でも「もっと早く知っていれば」と悔いる正義くんめちゃめちゃにわかるし、それを「時間の無駄です」とばっさりやるみのるくん最高だったな。今こうしてここにいてくれることが全てという、ウ〜ッ…
    ・3人での同居はじまったあたりでパパ×2じゃんになってしまい……私は…………どうする運動会 でっかいお弁当とちょっといい(どころではなさそうな)カメラ持った美貌のお兄さんたちがグラウンドに現れたら………………

    ・中田正義ッッッッッこの初恋泥棒〜〜〜ッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!
    ・まさかこんな言葉を公式に投げかけることになるとは…!? まあ正義くんもイケ男街道爆走してるしこういうこともありうるじゃろな〜フフ とかいうオタクの妄言を現実にしてくる公式よ。いや………お、踊っ……????? 人前で歌って踊っ………………???????

    ・224ページでリチャードが「壁のような無表情で話を聞いて」「思いのほか真面目で、思いつめたような顔」をしてるのたまらなさすぎるんだけどどうしたらいいですか? これそういえば前日譚の2人の延長なんだわ…って思い出しちゃって爆発するかと思った。リチャードのいないところで大いに魅力を振りまいて人を虜にする中田正義、存在するんだよ。リチャード……(肩ポン)
    ・「あの馬鹿者が」も最高すぎてありがとありがとありがと〜〜〜!!!!の謎感謝がとまらない。どういう感情なのかお聞かせ願いたい。ハァ。ウウ。代打でいろいろやったことに対してなのか、(相手が子どもとはいえ)見ず知らずの人間に惚れられていることなのか…どっちもかな…

    ・どういう感情なのかお聞かせ願いたいのもう一個あって、220ページの「中田さんそういうことしなさそう」に対する「絶対ですか」のあとの「何かを噛み締めるような顔」…………。あれはどういう感情から作られた表情なの? 前述の「頭をがりがりひっかいて、パンツ一丁で」のくだりも何!?ってなったんですけど……何? 実は結婚してた? やりとりが完全に夫婦のそれ。なんかそういう面を自分にしか見せないのを噛み締めてるのかと都合よく思っちゃったよオタクは……。

    ・それはそうと年下に格好つけちゃうの絶対リチャード譲りなんだよな〜と思ってにこにこしてしまった。みのるくんと正義くんも似てるけど、正義くんの完璧さはリチャード譲りだから、幽霊さんは昔の自分たちを見ているような気持ちだったんじゃなかろうかなと思って心ほっこりした。
    ・正義くんの見えないところで正義くんをサポートしてるの、よかったな。エトランジェの店内のような雰囲気が始終漂っていてよかった。

    ・お兄ちゃんになった正義くんに対してリチャードがちょいいょいジェフリーを想起してつっかかるの可愛かった。リアクションが完全に弟になってる。可愛い。どうしたらいい。
    ・みのるくんに対して「正義って呼んでほしい」とリチャードの前で言ってたとき下の名前で呼ばれると懐く事件を思い出して若干ハラハラしたんだけど大丈夫そうでよかった(?) 思えばもうそんな次元にいないもんな。ラブラブだもんな。それはそれとして他の人間がそう呼んだらやきもち妬きそうではありますが……。

    ・朝ごはんで歌詞変わる(何?)(困惑するおれたちとみのるくん)(世界の常識のような口ぶりの正義くん)(ほかほかのご飯)(起き抜けの美貌の男)(たすけて……)

  • みのるくん、いいこ…!

  • あんまり宝石商と関係ないエピソードが多いのと、時間がどれくらい経過したのかよく分からないので、モヤモヤしながら読みました。何か読み飛ばした巻があるのかと思うくらい。

  • あの胸糞悪い父親の尻拭いと思うと腹立たしい感じもするけど、息子もいい子に育っていたし、正義とリチャードがいるなら今後は安泰だなと思う。

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著者プロフィール

9月24日生まれ。神奈川県出身。『時泥棒と椿姫の夢』で2014年度ロマン賞を受賞。受賞作を改題・加筆改稿した『螺旋時空のラビリンス』で文庫デビュー。

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