ニュースキャスター (集英社新書)

著者 :
  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087201451

作品紹介・あらすじ

初めて現場から語る「ニュースキャスター論」。かつて新聞、雑誌の記者・編集者であった著者が、テレビのニュース報道という未知の世界に飛び込み、そこで何を見、何を考え、何に苦悩してきたか。「ニュース23」の創設から現在に至る経緯を、自らの体験を軸に書き綴った迫真のノンフィクション。数々の事件、事故、災害、政局…。激動する時代と斬り結びながら、一般の視聴者には知ることのできないテレビニュース報道の舞台裏を活写する。そして、ニュースキャスターとは一体、何者なのか。

感想・レビュー・書評

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  • 「News23」の裏話。
    かつ、これを通したニュースキャスター論。
    新聞記者だけあって(というより、筆者の腕だろうが)文章はすこぶるわかりやすく面白い。「クリントン対話集会」がまざまざと蘇った。
    それにしても、筑紫亡き後、ニュースキャスターを持たない我が日本は、ますます劣化してきている。

  • 2021年6月読了。

  • メディアマーカー・読了コメントRSSで興味。

  • NEWS23を中心に書かれた作品。TVでは見られない部分が垣間見られ興味深かった。

  •  
    ── 筑紫 哲也《ニュースキャスター 200206‥ 集英社新書》
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4087201457
     
     孫引き ~ パクリズム ~
     
    …… 筑紫 哲也「TBSは死んだ」←「神は死んだ」„Gott ist tot“。
    ── ニーチェ《ツァラトゥストラはかく語りき 188504‥ 》より。
     筑紫 哲也にとって「TBSは神だった」ともとれる。
     
     ワイドショー番組《3時にあいましょう 19891026 TBS》のスタッフが、
    坂本 堤弁護士が、オウム真理教を批判するインタビュー映像を放送前に
    オウム真理教幹部に見せ、9日後「弁護士一家殺害事件 19891104」発生。
     
     のちに一転してビデオを見せたことが発覚、《NEWS23 19960325 TBS》
    のキャスター筑紫 哲也が「TBS は今日、死んだに等しいと思います。
    今日の午後まで私はこの番組を今日限りで辞める決心でおりました」
     
    …… 元々この言葉は放送直前の会議の中でスタッフが発した言葉で、
    放送にあたって、筑紫自身の言葉として発していいか同意を得たうえで
    発言したという後日談を記している(Wikipedoa)。
     
    <PRE>
     筑紫 哲也 キャスター 19350623 大分  東京 20081107 73 /朝日ジャーナル編集長
     坂本 堤    弁護士 19560408 神奈川 横浜 19891104 33 /19950906 遺体発見
    ♀坂本 都子   堤の妻 19600224 茨城  横浜 19891104 29 /1995.... 遺体発掘/旧姓=大山
     坂本 龍彦  堤の長男 19880825 神奈川 横浜 19891104  1 /1995.... 遺体発掘
    </PRE>
     
    (20150924)
     

  • キャスターとして、パランス感覚に優れているのと同時に、今の日本に、この年代の人々が必要で、彼らにもっとスビークアップしてもらいたい。
    我らの年代は戦争体験と言う部分で、ギャップを埋める事は難しい。

    それにしても、電車の中は誰もがスマホばかり。一体どうなってるんや!

  • ニュースキャスターとは一体いかなる存在なのか?
     
    「人は己を信ずるもののために死す。」

    「私が採れる方法は二つあると思う。
    一つはひたすらあやまって嵐が過ぎるのをまつ。
    もうひとつは何故私があやまったかを
    めぐって徹底的に論議することだ。」

    「自然破壊を続けたら人類は生きていけない。
    人類が滅びれば地球は生き残る。」

    「人類の最大の発明はなんだと思うか?」
    音楽 12音階

    「北風と太陽」
    「泥棒にも3分の利」;絶対の真理、絶対の正義はない。

    小泉・田中は、文化が違った。
    一番違ったのは、「言葉」である。

    コミュニケーション
    言葉だけによる部分       7%
    言葉の抑揚、音節による部分 38%
    表情、身振りによる部分    55%
    非言語コミュニケーション」A・マレービアン 聖文社

    私たちは言葉だけを信じて、相手を信用したり、
    疑ったりの判断をしているわけではない。
    顔つき、目つき、表情などの、
    非言語的部分を含めた総体で評価している。

    人間は自分が思っているほどには
    かしこい生き物ではないし、理性的に、
    ものごとを判断しているように見えても、
    たぶんに環境に支配されて生きている。

    「単一の説を守れば、その節の性質は
    たとい純精善良なるも、これによりて
    決して自由の気を生ずべからず。
    自由の気風はただ多事争論の間にありて
    存するものと知るべし。」福澤諭吉 <文明論之概略>

    筑紫哲也の多事争論を見ていると、どうもめんどくさい。
    とうまわしな発言が続いているので、
    気に入らないと思っていた。

    今回のニュースキャスターという本を読みながら、
    人と出会いその人のホンネをどう聞き出すか
    ということに、かなり注意を払っていることに興味を覚えた。
    言葉以上に語るもの。
    政治家といういくつものオブラートに
    つつまれた存在に対していかにそのオブラートを
    解いていくのかが問われるのかもしれない。

    現在の経営者で、今の時代に対して
    具体的にどう見るのか?ということに対して、
    きちんと答える人が少ないのだろう。

  • 筑紫哲也氏が亡くなつたのが、四年前の本日(11月7日)でありました。
    世間の褒貶が極端な人といふ印象でしたが、改めてその著書を開きますと、傾聴すべき提言が多いのです。

    『ニュースキャスター』は、筑紫氏が長年メインキャスターを務めた番組「NEWS23」の舞台裏を中心に語られてゐます。
    番組誕生のいきさつや、テーマ音楽への思ひ入れ、「多事争論」ができるまでの経緯、クリントン大統領(当時)の出演、オウム事件や神戸の震災...番組の変遷は、そのまま平成現代史の歩みと申せませう。

    筑紫氏といへば、その発言がしばしば物議を醸したものです。しかし、それらは失言といふよりも、世間の意見を承知の上で、あへて述べるのが役割であると自身で思つてゐたのでせう。
    本書にも(169頁)、「多事争論」で世論に逆らう少数意見を述べる予定の日は、スタッフに「今日は(抗議の電話が多く)来るぞ」と予告してスタジオ入りしてゐたと書かれてゐます。
    くどいやうですが、公正中立な報道は有り得ません。必ず「偏向」してゐるものです。

    他人の意見に惑はされないやうに心がけてゐるわたくしですが、判断に迷ふ時にいつも参考にしてゐたのは筑紫氏の言葉でした。頼るべき指針と申せませう。(あくまでもわたくし個人の場合です。)

    では又お会ひしませう。

    http://ameblo.jp/genjigawa/entry-11399133781.html

  • NEWS23にクリントン大統領が生出演されたことがあったんだ。筑紫さんは米内山氏とスタジオで対談されていてよく覚えている。その印象は良くないんだけれど。

  • 筑紫さんのこれまでの仕事と、エポックメーキングな出来事を絡めて、その時に何が起こったのか、どう報道したのか、報道現場はどうだったのか・・を真摯な言葉で語っている。
    筑紫さんの人柄が出ている。テレビの裏の世界は興味深い。

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著者プロフィール

1935年大分県生まれ。朝日新聞社で米軍統治下の沖縄特派員、ワシントン特派員等を務め現在TBSテレビ系キャスター編集長。

「2010年 『戦争を平和にかえる法』 で使われていた紹介文から引用しています。」

筑紫哲也の作品

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