- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087201567
作品紹介・あらすじ
元始、日本は妖怪の国であった。彼らはこの国のあらゆる場所に暮らし、人間と共存してきた。しかし、時代とともに妖怪はその姿を歴史の表舞台から消した。本書は、その跡を膨大な資料でたどり、本来の歴史の中に位置づけた、まったく新しい「日本史」への試みである。そこから浮かび上がるのは、まさに「天皇家」を中心とした権力闘争の壮大なドラマであった。怨みを飲んで抹殺されていった者どもの魂が、怨霊となって人間の歴史に介入する。ここに、知られざる歴史の真髄が語られる。
感想・レビュー・書評
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民間伝承なら可愛げもあるが、政府とかの公的機関が公式に怨霊とか祟りとかを認めて対策する、というのは、現代日本で生活するぼくらにはちょっと想像のつきにくい世界ではある。当然効果はなかっただろうし、効果を測定する、という考え方もなかったのだろう。疫病も天変地異も原因は見当もつかず、四方八方闇の中、という時代ではしかたないことだけど。科学、というより科学的思考、というのはすごいものだな。
前書きを読んで、これはどうも研究者の著作ではないようだ、と思ったがあたり。話の行き先と主張がはっきりしない。民俗学とも言い難い。「怨霊が暴れる」事例は豊富なので、まあ気楽に読む分にはそれなりに面白かった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
妖怪の跳梁跋扈した中世。
妖怪と人間社会の関係を文献を通して振り返る。
文献紹介の面が強いか。 -
超常現象→神→妖怪
人の強い思い→超常現象?→神
怨霊はその過程で生まれた亜種って感じなのかな -
あとがきから読むことをおすすめする。妖怪を期待している方は、特に。
あとがきで著者本人も言っているように、古代にかなり紙幅が割かれている。古代だと妖怪以前、怨霊以前の闇の領域という感じなので、タイトルの「妖怪と怨霊」には若干違和感を覚える。
それでも怨霊についてはそこそこの文量があるので、怨霊話も好きな方は楽しめるかも。
個人的には、引用が多いのが気になった。多すぎて説得力がないというか、本の紹介かな?って気分になる。
いろいろな本を知れるという意味では有用だけど。 -
これはおもしろい。
怨霊、妖怪からみた日本史。まさに荒俣的な世界です。こういう話があったらいいなぁ。
やはりちゃんと太平記、保元物語など読む必要があるなぁ。
図書館で何気無く借りたけど、たいそうおもしろく、興味深く読んだ。資料として、本棚に置いておきたい一冊。 -
著者が読んだ本総まとめした感じ。第一章だけか、第一章の流れそのまま保っていたらな…
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[ 内容 ]
元始、日本は妖怪の国であった。
彼らはこの国のあらゆる場所に暮らし、人間と共存してきた。
しかし、時代とともに妖怪はその姿を歴史の表舞台から消した。
本書は、その跡を膨大な資料でたどり、本来の歴史の中に位置づけた、まったく新しい「日本史」への試みである。
そこから浮かび上がるのは、まさに「天皇家」を中心とした権力闘争の壮大なドラマであった。
怨みを飲んで抹殺されていった者どもの魂が、怨霊となって人間の歴史に介入する。
ここに、知られざる歴史の真髄が語られる。
[ 目次 ]
第1章 妖怪立国
第2章 ツチグモ虐殺と蛇神の威力
第3章 哀しき雷神
第4章 怨霊と平安
第5章 怨霊の心
第6章 雷神の大暴れ
第7章 聖剣の喪失と新生
第8章 狐の逆襲
第9章 末法の魅惑
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ] -
20081218/軽いテイストで読みやすさは◎。なかなかにおもしろくサクサクいけるけれども、妄想過多っぽさは否めない。ちょっと視点がブレるかなあ。妖怪、とタイトルにつけちゃったのはどうなのこれ。
(あとがきの通りご本人も自覚しておられるようですが、もっとちゃんと近現代までやってくださいおもしろいから!(^ρ^))
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古代から初め、武家社会の始まり、すっ飛ばして現代へ。重い語り口ではなく、軽く面白くなかなか読ませる本。それぞれの章で別の話を扱っていると思いきや、しっかりと骨があって話が続いているので、最初から最後まで読みやすい。妖怪と銘打っているにもかかわらず、柳田國男も折口信夫も井上円了も出てこないというちょいとした荒業の本。だけど素晴らしい本だと思いますよ?
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真の歴史は「妖怪」抜きには語れない!という帯に惹かれて買いました。歴史・妖怪・神話・説話などなど興味深くてよいである。