女性学との出会い (集英社新書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087202427

作品紹介・あらすじ

女性学は、女性の視点の発見に始まった。二十一世紀を迎えた今。それは、男と女を、中心と周辺、公と私、優位と劣位の存在とすることで成り立ってきた、ジェンダー-近代性差社会と文化の構造そのものの虚構を、根本から問い直すにいたっている。本書は、フェミニズム批評を一貫して展開してきた著者が、一九七〇年代初めの女性学の揺籃期から現在までを、女性の時代を共有した人々との出会いを中心にふり返った、興味深いフェミニズムと女性学「私」史である。

感想・レビュー・書評

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  • 日本におけるフェミニズム批評の草分けとなった著者が、みずからの体験を振り返りつつ、女性学との出会いとその進展について語った本です。

    アメリカ留学時に著者自身が感じていた違和感が、当時草創期にあったフェミニズムのことばに触れることではっきりと輪郭をもって受け取られるようになる経緯について語られている箇所は、フェミニズムの誕生が当時の女性たちにどのようなインパクトを与えたのかということをヴィヴィッドに示しているように思います。

    後半はフェミニズムの潮流を概観するような叙述になっており、前半ほどの躍動感はありませんが、多様化するフェミニズムの流れを著者自身がどのように見ていたのかが明らかにされています。

  • [ 内容 ]
    女性学は、女性の視点の発見に始まった。
    二十一世紀を迎えた今。
    それは、男と女を、中心と周辺、公と私、優位と劣位の存在とすることで成り立ってきた、ジェンダー―近代性差社会と文化の構造そのものの虚構を、根本から問い直すにいたっている。
    本書は、フェミニズム批評を一貫して展開してきた著者が、一九七〇年代初めの女性学の揺籃期から現在までを、女性の時代を共有した人々との出会いを中心にふり返った、興味深いフェミニズムと女性学「私」史である。

    [ 目次 ]
    第1部 「女性学」の発見(私のアメリカ留学 イェールの学生寮にて ある経験 ヴェレック先生 一九六〇年代、アメリカの大学風景 ほか)
    第2部 「女」から「ジェンダー」へ(二十余年ぶりに日本へ帰国 環太平洋女性学会議の開催 女性の自己表現とポストフェミニズム 会議を振り返って フランス派フェミニストたち ほか)

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    [ 参考となる書評 ]

  • なんだか留学とか論文とか翻訳とかその他の活動とかが全て当たり前のようなさらさらとした筆遣いだったんだけどこの人は凄く努力して勉強してここまでやってきたんだよね。普通の大学なのに「女性なので入学できません。」って言われて憤りを感じないわけないと思うんだけどそこをさらっと自分の感情を最小限にとどめた書き方で逆に読みやすかった。

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著者プロフィール

比較文学者(アメリカ文学、比較女性文学、ジェンダー文化論、現代詩批評)、詩人。主な著書に『Reality and Fiction in Modern Japanese Literature』『エドガー・アラン・ポオの世界』『鏡の中の錯乱─シルヴィア・プラス詩選』『ヒロインからヒーローへ』『フェミニズムの彼方』『物語と反物語の風景』『20世紀の女性表現』『ことばが紡ぐ羽衣』『女性学との出会い』『尾崎翠[第七官界彷徨]の世界』『モダニズムと戦後女性詩の展開』『詩の魅力/詩の領域』など多数。詩集『春の終りに』『幕間』『帰路』『青い藻の海』『影と花と』『水田宗子詩選集』『うさぎのいる庭』『音波』他物語詩三部作など。

「2021年 『富岡多惠子論集「はぐれもの」の思想と語り』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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