奇妙な情熱にかられて ―ミニチュア、境界線、贋物、蒐集 (集英社新書)

著者 :
  • 集英社
3.09
  • (2)
  • (9)
  • (15)
  • (4)
  • (3)
本棚登録 : 80
感想 : 9
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087203202

作品紹介・あらすじ

世の中には、一見無意味なことや苦笑を誘うような事象があふれている。本書は、ミニチュア愛好、境界線へのこだわり、贋物への欲望、蒐集といった、きわめて個人的に見えるが、実は普遍的で、世間一般には「論ずるに足る」とは思われていないような心の働きについて論じるものである。人が心密かに抱いている奇妙な情熱や不可解な好奇心を考えることで、生きている手応え、人間の心理におけるリアリティーとは何かを探っていく。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 箱の話になるほど。
    あまり意識や理由を考えないものに対しての意味付けや分析って難しい。

  • 先行著作『幸福論』補遺、
    あるいはヴァリアントとも受け取れる一冊。
    サブタイトルの4項=4つのモチーフについて、
    臨床経験や個人的体験を踏まえた考察が繰り広げられるが、
    『幸福論』同様、ちょっとした書評集として読むこともできる。
    第2章「ミニチュアとしての文章」で紹介される、
    「私を捨てないで下さい」とメッセージを発する
    木片のエピソードに、不気味なユーモアを感じた。
    機会があったら真似してみたい(笑)

  • あの人はなんであんなものが好きなんだろう、僕はなんでこんなものが好きなんだろう、という問いに自分なりの答えを出そうとしている本だと思う。
    世の中にはいろんな人がいることを改めて感じさせてくれた。

  • [ 内容 ]
    世の中には、一見無意味なことや苦笑を誘うような事象があふれている。
    本書は、ミニチュア愛好、境界線へのこだわり、贋物への欲望、蒐集といった、きわめて個人的に見えるが、実は普遍的で、世間一般には「論ずるに足る」とは思われていないような心の働きについて論じるものである。
    人が心密かに抱いている奇妙な情熱や不可解な好奇心を考えることで、生きている手応え、人間の心理におけるリアリティーとは何かを探っていく。

    [ 目次 ]
    序章 リアルなものについて
    第1章 健康なミニチュア、不健康なミニチュア
    第2章 ミニチュアとしての文章
    第3章 境界線という明快さ
    第4章 贋物および瓜二つ
    第5章 蒐集癖
    終章 奇想について

    [ POP ]


    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  •  

  • 読了@2007/10/11
    かなりの飛ばし読み。

  • タイトルにもある「ミニチュア」「境界線」「贋物(⇔偽物)」「蒐集癖(⇔投機的収集)」といった,著者が言うところの一見他愛もなく真面目に論じられもしてこなかったキーワードから,人間のもつ奇妙な思考癖と,その裏の本質を手繰り寄せる試み。奇をてらってのテーマ設定ではなく,例によって著者自身の鬱屈感や不安感を核にして,精神科での患者との交流から得たクールな視点や,幅広い映画・文学の雑学を材料に話を進めたらこうなった,という感じだろう。

全9件中 1 - 9件を表示

著者プロフィール

1951年生まれ。産婦人科医を経て精神科医に。現在も臨床に携わりながら執筆活動を続ける。

「2021年 『鬱屈精神科医、怪物人間とひきこもる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

春日武彦の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×