- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087204018
作品紹介・あらすじ
007ジェームズ・ボンドで知られる英国の国家セキュリティ・サービスMI5が新聞に求人広告を載せたり、ロシアの闇を知る男が亡命先のロンドンで毒を盛られたりと、インテリジェンス(スパイ)は現実に活躍している。一六世紀後半エリザベス朝以来、スパイ組織は立派な国家機構の一つで、スパイ情報を活用した政治家が英国の歴史をつくってきた、といっても過言ではない。優秀なスパイほど、任務遂行の痕跡を残さず、正体が暴露されずに、その実態が外に漏れることはない。映画の中の、世界を飛び回るセクシーで魅力的なイメージより、はるかに知的な側面が主流を占める。祖国に忠誠を尽くしたスパイと裏切ったスパイに大別して、その実像に迫る。
感想・レビュー・書評
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著者、川成洋さん、どのような方かというと、ウィキペディアには次のように書かれています。
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川成 洋(かわなり よう、1942年5月8日 - )は、日本の英文学者、スペイン史学者、評論家、翻訳家。 社会学博士(一橋大学・論文博士・2003年)(学位論文「スペイン内戦を戦ったイギリス人義勇兵の研究 - ケンブリッジの若き文士たちを中心にして」)。 法政大学名誉教授。2022年瑞宝中綬章受章。
---引用終了
で、本作の内容は、次のとおり。
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007ジェームズ・ボンドで知られる英国の国家セキュリティ・サービスMI5が新聞に求人広告を載せたり、ロシアの闇を知る男が亡命先のロンドンで毒を盛られたりと、インテリジェンス(スパイ)は現実に活躍している。一六世紀後半エリザベス朝以来、スパイ組織は立派な国家機構の一つで、スパイ情報を活用した政治家が英国の歴史をつくってきた、といっても過言ではない。優秀なスパイほど、任務遂行の痕跡を残さず、正体が暴露されずに、その実態が外に漏れることはない。映画の中の、世界を飛び回るセクシーで魅力的なイメージより、はるかに知的な側面が主流を占める。祖国に忠誠を尽くしたスパイと裏切ったスパイに大別して、その実像に迫る。
---引用終了
まず、インテリジェンスという言葉。
これは、平たくいうと、スパイのことで、新たに知った。
それから、サマセット・モームもスパイとして活躍した時期があったという。
思わぬ有名人が活躍されていたようで、興味深い。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
大体読んだ。ことにする。作家のサマセットモームなど、有名人の中にもインテリジェンス(英国スパイ)がいたというのに驚き。スパイというものがごく一般的に浸透していたという。日本にはあまり縁のなかった話だなあと。言葉通り、ずば抜けた知性と家柄・申し分ない学歴、そういう何不自由ない将来を約束された人が達成感あるいはスリルを求めてスパイになったとか。
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感想未記入
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[ 内容 ]
007ジェームズ・ボンドで知られる英国の国家セキュリティ・サービスMI5が新聞に求人広告を載せたり、ロシアの闇を知る男が亡命先のロンドンで毒を盛られたりと、インテリジェンス(スパイ)は現実に活躍している。
一六世紀後半エリザベス朝以来、スパイ組織は立派な国家機構の一つで、スパイ情報を活用した政治家が英国の歴史をつくってきた、といっても過言ではない。
優秀なスパイほど、任務遂行の痕跡を残さず、正体が暴露されずに、その実態が外に漏れることはない。
映画の中の、世界を飛び回るセクシーで魅力的なイメージより、はるかに知的な側面が主流を占める。
祖国に忠誠を尽くしたスパイと裏切ったスパイに大別して、その実像に迫る。
[ 目次 ]
第1部 祖国に尽くしたスパイ(エリザベス朝イングランドを支えた「イギリス秘密情報部の父」フランシス・ウォルシンガム(一五三〇?~九〇)
秘密を握ったとみなされた天才劇作家の顛末クリストファー・マーロー(一五六四~九三)
「グレート・ブリテン王国」誕生の陰の立役者ダニエル・デフォー(一六六〇~一七三一)
「ボーア戦争の英雄」と謳われた偽装作戦の名手ロバート・ベーデン=パウエル(一八五七~一九四一)
貴族に叙せられた変装と語学の天才ポール・デュークス(一八八九~一九六七)
世界的な有名作家をカバー(偽装)に利用したスパイサマセット・モーム(一八七四~一九六五)
不朽の名画『第三の男』の原作者グレアム・グリーン(一九〇四~九一)
『007』ジェームズ・ボンドの生みの親イアン・フレミング(一九〇八~六四))
第2部 祖国を裏切ったスパイ(イギリス犯罪史上最長の懲役42年に処せられた男ジョージ・ブレイク(一九二二~?)
人も羨むような「文武両道」の才に恵まれた男ガイ・バージェス(一九一一~六三)
未来の「外務次官」の席を棒に振った男ドナルド・マクリーン(一九一三~八三)
歴史にその名を残した20世紀最大のスパイキム・フィルビー(一九一二~八八)
「エリザベス女王のご親友」と謳われた美術史学界の重鎮アンソニー・ブラント(一九〇七~八三)
「私は雑魚にすぎない」とうそぶいた「第五の男」ジョン・ケアンクロス(一九一三~九五))
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ] -
イギリスにおけるスパイたちの人物列伝。もともとスパイをインテリジェンスと呼び、007シリーズなどで認知度の高い国家のため、結構細かいところまで知られている。日本では、こういう人物像はなかなか表に出てこないだけに新鮮。