- Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087204469
感想・レビュー・書評
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かつて江戸の町には、300諸侯の江戸屋敷がおかれていた。本書は江戸屋敷での生活や御用商人、御用聞農民の活動を描いた本である。したたかな農民の交渉力や莫大な利権を垣間見る事が出来て面白い。
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江戸時代を士農工商という身分制度に縛られた封建社会と考えていると衝撃だ。決して厳しい身分制度でなかったとは知っていたが、この本には驚かされた。農民の中の豪農と言われる人々は、大名屋敷や将軍家との取引のために厳しい競争をしたたかに生き残り、武士との交渉に望んでいた。その取引とは、人馬の糞尿の回収、馬用の飼料、人足の手配、庭の手入れなど、様々な人材サービス業、清掃業である。一次産業ではない、真の惨事産業を担っていたわけである。この本は一気に読めて、江戸の武家屋敷の一端を見せてくれた。武家屋敷や町人の生活がどのようだったのか興味ある私にとってはとても面白かった。
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(欲しい!)/新書
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[ 内容 ]
江戸社会の一端を支えた「肥」経済の実態!!
わかっているようで意外と知られていない「大名屋敷」の実態。
その住民(勤番武士)の残した資料や、出入りした商人、特に「肥」を求めた豪農の文書をひもときながらわかりやすく解説する。
[ 目次 ]
第1章 大名屋敷に暮らす人々-謎の私生活(御膝元の威容 堅苦しい殿様の生活 江戸勤番侍の長屋ライフ)
第2章 屋敷に出入りする人たち-江戸の競争社会(江戸の御用達商人 豪農、大名屋敷御用に参入する)
第3章 江戸藩邸御用をめぐる熾烈な戦い-江戸の巨大ビジネス(尾張藩御用聞中村家の誕生 汲み取りというコミッションビジネス 庭園の整備 資料相場の乱高下と資金力)
第4章 江戸の動乱と人材派遣ビジネス-江戸のバブル経済(過熱する江戸近郊市場 イギリスとの開戦騒ぎ 名声を求める)
第5章 大名屋敷の消滅-東京の誕生(官軍、江戸に入る 激減していく武家地の人口 廃藩置県と東京の激変 東京の軍都化)
[ POP ]
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ] -
大名屋敷について知れる本。
上中下屋敷の違い。
江戸は屋敷でいっぱいだったこと。
そこに出入りすることで商売が成立することになったり・・・。
東京において屋敷町であれば、地歴がいいと思ってましたが、
そうでもないかもしれない・・・。 -
とてもおもしろい。
読ませるというのではないが、内容が十分に興味深い。
特に面白かったこと
・大名が下屋敷等を町人や農民から土地を借り入れた場合、その土地の年貢も納めなければならない。
・豪農が大名屋敷の御用聞きとして、汲み取り権を手にしていたこと。 -
大名屋敷の肥をいかに手に入れるか農民というと何となく作物を作るだけの人 と思っちゃうのですがここに出てくる都市近郊の農民は人入れ屋だったり。。けっこう 逞しく おもしろいです
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2008.6.21
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尾張藩江戸藩邸に出入りする豪農の下肥、馬飼料取引を史料を基にして明らかにした部分が面白い。
江戸勤番侍の生活などは他書とほぼ同様。