水玉の履歴書 (集英社新書)

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  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (176ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087206920

作品紹介・あらすじ

前衛芸術家として世界の美術界の頂点に君臨する草間彌生だが、そこまでの道程は平坦なものではなかった。本書は、草間がこれまでの人生で発してきた魂の言葉を集め、自らの闘いの軌跡と哲学を語る。

感想・レビュー・書評

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  • 松本市美術で草間彌生作品と出会い、その後読了。
    量販店で服を買い、時間がないとコンビニでご飯をすまし、働き続ける。徐々に個性を失っている自分。
    個性を取り戻すエネルギーをもらえる一冊。

  • 草間彌生の作品に感動して本も読んでみました。
    草間彌生の水玉だけで世界に立ち向かう姿。
    一貫された単調な反復が無限を感じさせ更に前衛的に進化し続ける。
    正に水玉の履歴書でした。

  • ジョゼフ・コーネル

  • 昭和6年生まれ!?びっくりした。渡米するまで親の説得で7年かかったって、、他にも興味深いことが多いので色んな人に読んでみて欲しい。
    生き方も考え方も語り口も好き。

  • 読了!ますます草間彌生が好きになった。草間彌生の書いた小説も読んでみたい。

    草間彌生作品に共通する、パターンを持った図像や水玉は永遠・無限の広がりの象徴。

    アンディ・ウォーホルのシルクスクリーンは草間の「千艘のボート」の影響を受けている。

    草間作品の反復表現(水玉、ネットペインティング、鏡など)は、みる人を作品の中に没入させ、日々の心配事から解放する。これが草間の「自己消滅」(セルフ・オブリタレーション)

    草間が男根に恐怖を抱いており、そのフォルムをつくることによって恐怖感を沈めてる、って話と、草間が性の解放を支持してる話が私の中でいまいち繋がらないというか整合性がとれない。

    草間作品の性的オブセッション、エロスと、男根への恐怖はどう結びついているのか?

    もっと草間のことを知ればわかるんだろうか?

    「私は、人が闘おうとする衝動は男性が男根を持っているという事実に起因していると考えました。私にとって男根とは暴力と結びついた恐怖の対象なのです。私はそうしたもののフォルムをつくりつづけることで自分の恐怖感を沈めています。ソフトスカルプチュアの男根をたくさん作り、その中に寝転んで見ると、怖いものがおかしなもの、面白いものに変わるんです」

    「人間とは何であるかを問いつつ、自分自身の生死の境目で闘いながら作品を作り続けている私にとって、この国はあまりにも小さく、卑しく、封建的で、女性への蔑視に満ちていました。

    日本の文化、伝統からは影響をうけていません。むしろ、自分の心の中から湧いてくる創造力を武器に古い伝統や芸術と闘ってきたのです」

    痺れるなあ

  • 「日本の文化、伝統からは影響を受けていません。」かっこいぃぃぃ。”前衛さ”とはなにか。相反してそれを継続させて展開していく。混沌とする世界を、さっそうと生き抜く姿が神々しい。ジョージア・オキーフとの関係性に興味深々。『(ちいさな帆)

  • 御年90歳になるのに、今でも現役で活躍する草間彌生氏。個人的にファンではないが、仕事柄、彼女の作品を見る機会も多い。とても奇抜で、斬新で、興味がなくても、やはり魅了されてしまう、不思議な芸術家。
    その彼女のこれまでの軌跡を描いた一冊だが、始まりの「子供のころから死ぬことばかりを考えていた」の一言で読むことを決めた一冊。
    死ぬことの延長線上に見えた幻覚が、現在の彼女の原点であることが、同じく「死ぬことばかり考えて」生きている人間には勇気を与える。
    決して体調が良い訳ではないようだが、これからもまだまだ斬新な作品を発表し続けて欲しい。

  • 大器晩成
    マンネリ&長寿(必要十分)

    ヨーコオノ

  • 前衛芸術の女帝・草間彌生さんのことばを集めたもの。齢80を超え、ますます旺盛になってらっしゃる創作意欲には頭が下がる。「ハーイ!コンニチワ」というオブジェには私も涙が出た。草間さんほどの人でも明るい青春を謳歌したかったんだなあとふしぎな気持ちになった。読み返したい本。

  • 2018年9月9日読了。

    ●円が平面で活発な動きがないのに対して、水玉は立体で
    無限です。そして、水玉はひとつの生命であり、月も
    太陽も星も、数億粒の水玉のひとつなのです。これは
    私の大きな哲学です。

    ●社会のなかで自分の置かれた立場を振り返り
    新しい歴史を作っていく。
    それが前衛ということだと思います。

    ●ジョージア・オキーフに手紙

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著者プロフィール

前衛芸術家。小説家。1929(昭和4)年長野県松本市生まれ。10歳の頃より水玉と網模様をモチーフに絵を描き始める。57年渡米、翌年ニューヨークに移り、ネット・ペインティングを発表。73年の帰国後も彫刻、映像、パフォーマンス等、自らの表現を追求し続けている。

「2012年 『クリストファー男娼窟』 で使われていた紹介文から引用しています。」

草間彌生の作品

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