- Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087207712
作品紹介・あらすじ
アートを「見る」ことに焦点を当て、モネ、ミレー、歌川国芳といった有名画家から、スゥ・ドーホ、ゴームリーといった現代作家の作品まで幅広く取り上げながら、アート鑑賞術を実践的に解説する。
感想・レビュー・書評
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高度な内容が
平易な言葉で
わかりやすく書かれている
鑑賞の指南書。
特に心に残ったのは
鑑賞は鑑賞者にとっての「作品」
という言葉。
「作品」だからこそ
下手でも
オリジナルでよいのですよね。
以前、
岡本太郎さんの本にも
同様のことが書かれていて
ハッとさせられたことがあったが、
そのことを
端的に見事言い当てている言葉だと思った。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「私たちは『アートを見る』ことを学んだことがない」。作品や美術の知識ではなく、アートを見ることについての教科書で面白い。作品を見るときに知識はあったほうがいいのか?など日頃疑問に思うことにも言及されている。
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アートを見るにあたって、考えれば非常に真っ当なことばかりだが、なかなかできていないこと、そしてまた、新たな視点が広がりアートをより楽しめそうなやり方が、整理されてわかりやすく書かれている。実際にやってみたいと思うヒントがたくさんあった。
惜しいのは、新書版ならではの限界で例で出されている絵が白黒のこと。(スマホで検索しながら読んだが) -
一見難しそうな芸術鑑賞のハードルを下げてくれる一冊
芸術鑑賞と言えば
時代背景などの知識が絶対に必要である
と思われがちであるが
そうではなく自分の感性を元に楽しんでもいいことを教えてくれる -
まずは、自信を持って?知識なく引っ掛かった作品をじっくり観ることから始めたい。
自分ではよく観ているつもりが意外に観てない。
できることなら15分くらい観ると良い。
観る時、ディスクリプション(作品の様態を言葉に変換する)をしてみる。
やはり、数多くみること。そして、自分が観ること。絵の解釈に正しい、間違っているはない。
作品の中に必ず何か発見するように努めてみる。
なぜ?と疑問を持って見てみる。
引っ掛かり鑑賞法ー展覧会をひととおり観て、気になった作品を中心にじっくり観てみる。
知識なく絵を見てみる。また、知識を持ってみることで深まることもあるが、情報が正しくない場合もあるから、知識は部下だと思って観る。 -
美術に興味はあるけど、何から始めればいいのか、何を感じとればいいのか、何をみればいいのか、何も分からない自分にはぴったりの本でした!
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美術館によく行っていたが、見方をよくわかっていなかったため、読んでみた。
視覚的快感だけを求めて美術館に行く自分にもやもやしていたが、この本を読んで少し気分が晴れた気がする。美術館に行きたくなる。
主体的に見る、批判的に見る、異論を発することになれる、等、アート鑑賞が人間的成長をもたらすということがわかった。
海外と日本の芸術教育の違いにも触れられており、アート鑑賞や芸術について、もっと知りたいと思った。 -
芸術鑑賞のコツを紹介している本
芸術だけに限らず、なにかを観察するときにも大切な視点です -
美術館を鑑賞するときに、印象派のようなきれいな絵画を見るときはまだしも、現代アートなどぱっと見意味が分からんものを見るときは「どうやってこれを見たらいいんだろう」とよく思ってました。そんな「アートの見方」を教えてくれる本。目から鱗!とまではいかなくても、けっこう勉強になります。学校でも絵を描くだけじゃなくて「見る」勉強もしたほうがいいね。子どもに試したくなりました。
いろいろと方法論は書いてあったけど、個人的には「なぜ?と問いかけてみる」「もし別の状態だったらと考えてみる」「アートを説明(ディスクリプション)してみる」の3つについては、次回実践してみようと思う。 -
アートとアート鑑賞は違う。アートを「見る」ことについて、7つのポイントを学ぶ。
一つ目は「よく見る」こと。意外と作品をじっくりみていないもの。ディスクリプションを確りやってみる。言葉に出すことで、隅々まで意識が行き届く。2つ目は「私が見る」という主体的な目で作品を見ること。エア買い付けという、自分がアートを買うというつもりで見ると、価値がなければならないので価値を主体的に見出すという。3つ目は「感性で見る」。4つ目は「知性で見る」。感性的な目で、温かさや寂しさといった感覚を大切にすること。そして、なぜそうなのか?と問いかけ、深めることによって知性的な深みに近づくことができる。なぜ黒を使ったのか、といった疑問を作品から読み解くことで更に作品を深く理解することができる。5つ目は「知って見る、知らないで見る」。前提や作者などの情報を入れずにありのままを見ること、背景や歴史、描かれた際の作者の状況を知って見ること。この2つで感じ方は変わる。6つ目は、「肯定的に見る、否定的に見る」。作品を敢えて肯定的、否定的に見てみることで、クールな感性的な見方ができる。最後は「気付きから寄り添いへ」。作者の側に寄り添い、どんな気持ちで何を描いたのかを同じ目線で見ていることで、わかり会える時間がある。