普天間・辺野古 歪められた二〇年 (集英社新書)

  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087208313

作品紹介・あらすじ

20年前「沖縄の負担軽減」の目玉として日米合意したはずの普天間返還が、なぜ辺野古の海を埋め立てる「新基地建設強行」にすり替えられたのか。交渉の舞台裏を検証、その実相と全体像を明らかにする。

感想・レビュー・書評

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  • <20年前「沖縄の負担軽減」の目玉として日米合意された普天間基地返還が、なぜ辺野古の海を埋め立てる「新基地建設強行」にすり替えられたのか。交渉の舞台裏を検証、その実相と全体像を明らかにする>として書かれた本。

    20年の歴代政権の動きを丁寧に追い、それを俯瞰することによって問題の本質を追及しています。ドキュメンタリー風の書きぶりもあり、引き込まれながら一気に読みました。

    沖縄の民意に向き合わず辺野古新基地建設に突き進もうとする現政権、一昨日(2016年9月16日)司法の立場を逸脱しその方針を追認する判決を出した福岡高裁那覇支部、許せないという気持ちでいっぱいですが、さらにその思いを強くしました。

    たくさんの方に読んでほしい一冊です。

    【目次】
    はじめに-渡辺豪
    第一章 橋本龍太郎の「賭け」と「代償」
    第二章 小泉純一郎政権下の「普天間」
    第三章 鳩山由紀夫政権と「最低でも県外」
    第四章 「粛々と実行を」-安倍晋三政権
    終 章 「歪められた二〇年」
    おわりに-宮城大蔵

  • まわりまわった辺野古問題。 単なる既存施設への移設が、、。 平成の本質のさぼり、安倍内閣の怠慢、外交力の弱さ、民主党の混乱政治等。 普天間、辺野古へもう一度ですね。

  • 20年前の普天間返還の日米合意から、現在の安倍政権の強圧的政策に至るまで、代替ヘリポートが新たな基地建設に転換していった経緯を丹念に描いています。著者はこれを歪みと呼びます。
    居心地のいい沖縄に日本のお金で高機能の新基地を欲した海兵隊。海兵隊との同居を嫌った米空軍。自民党政権による問題の糊塗。鳩山政権による過剰な政治問題化、歪みの原因は多面性を持っています。
    過去、明らかに寛大な譲歩と見える措置をとることで、沖縄県民の心を惹きつけ情勢を安定化させ、残る米軍基地を安定的に使用する政策が、現在の強硬的な政策にとってかわられた時、米軍基地に対する県民の反発と敵意として暴発するリスクを孕んでいます。沖縄の尊厳を一顧だにしない政策は、この潜在的リスクを自ら増大させています。
    このような背景には、私たち本土住民の沖縄への無関心があるち考えました。
    それにしても、橋本首相って手法はともかく偉い人だったんだねぇ。大田知事との会談は17回に及ぶそうです。最後は手切れになったけどね。
    それに比べて安倍さんは翁長さんと何回会ったんだろうね。無視と無関心ほどおそろしいものはないね。

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著者プロフィール

1968年東京都生まれ。92年、立教大学法学部を卒業後、96年までNHK記者。2001年、一橋大学大学院法学研究科博士課程修了。博士(法学)。現在は上智大学教授。著書に『バンドン会議と日本のアジア復帰』(草思社、2001年)、『戦後アジア秩序の模索と日本』(創文社、2004年、サントリー学芸賞・中曽根康弘賞受賞)、『現代日本外交史』(中公新書、2016年)、共編著として『戦後日本のアジア外交』(ミネルヴァ書房、2015年、国際開発研究大来賞受賞)、『普天間・辺野古 歪められた二〇年』(集英社新書、2016年)などがある。

「2017年 『増補 海洋国家日本の戦後史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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