差別は思いやりでは解決しない ジェンダーやLGBTQから考える (集英社新書)
- 集英社 (2022年8月17日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087212266
作品紹介・あらすじ
思いやりを大事にする「良識的」な人が、差別をなくすことに後ろ向きである理由とは――。
「ジェンダー平等」がSDGsの目標に掲げられる現在、大学では関連の授業に人気が集中し企業では研修が盛んに行われているテーマであるにもかかわらず、いまだ差別については「思いやりが大事」という心の問題として捉えられることが多い。なぜ差別は「思いやり」の問題に回収され、その先の議論に進めないのか?
女性差別と性的少数者差別をめぐる現状に目を向け、その構造を理解し、制度について考察。
「思いやり」から脱して社会を変えていくために、いま必要な一冊。
「あなたの人権意識、大丈夫?
“優しい"人こそ知っておきたい、差別に加担してしまわないために――。
価値観アップデートのための法制度入門!」――三浦まり氏(上智大学教授)、推薦!
◆目次◆
第1章 ジェンダー課題における「思いやり」の限界
第2章 LGBTQ課題における「思いやり」の落とし穴
第3章 「女性」vs.「トランスジェンダー」という虚構
第4章 ジェンダー課題における制度と実践
第5章 LGBTQ課題における制度と実践
◆著者略歴◆
神谷悠一(かみや ゆういち)
1985年岩手県生まれ。
早稲田大学教育学部卒、一橋大学大学院社会学研究科修士課程修了。
LGBT法連合会事務局長、内閣府「ジェンダー統計の観点からの性別欄検討ワーキング・グループ」構成員、兵庫県明石市LGBTQ+/SOGIE施策アドバイザー。
これまでに一橋大学大学院社会学研究科客員准教授、自治研作業委員会「LGBTQ+/SOGIE自治体政策」座長を歴任。
著書に『LGBTとハラスメント』など。
感想・レビュー・書評
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前半は,大学で教育に従事する者の視点から.善良な市民,すなわちネットやニュースを騒がせるあからさまな差別主義発言をする人たちではないという自負を持っている多くの人たちに向けて,そういった思いやりを持つ人でも,差別の背景や当事者の環境に対する知識がなければ,その思いやりが空回りして当事者たちを傷つけてしまうことが具体例を挙げて説明されている.分かりやすい.
そしてもはや類書でも定番になっている差別の個人化の問題では,上野千鶴子さんが例に挙げられている.彼女の件は知らなかった.
後半は,LGBT法連合会で差別解消(禁止)の制度化に向けた業務に従事している者の視点からの記述.制度化について基礎知識や企業での実践といった各場面でぶつかる問題について知ることができる.反対派が無理解な主張で騒ぎ立て,制度化側を「誤解を解く」ことに従事させることで疲弊させたり,その過程で論点を誤った方向へ誘導したり議論の全体像を錯綜させてうやむやにして阻止しようとする,いつもの嫌がらせで苦労されていることが悩ましい.立法化というのが根気のいる作業ということが分かる.詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
【本学OPACへのリンク☟】
https://opac123.tsuda.ac.jp/opac/volume/704444 -
LGBTQは思いやりでは解決せず、法的整備が必要なことはわかったが、おおまかな概要がわかっただけでトランスジェンダーの深い理解にはつながらなかった。
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摂南大学図書館OPACへ⇒
https://opac2.lib.setsunan.ac.jp/webopac/BB50295354 -
出版社(集英社)ページ
https://www.shueisha.co.jp/books/items/contents.html?isbn=978-4-08-721226-6
内容・目次・著者紹介 -
差別は思いやりでは解決しないということがよくわかる本だった、、
制度と実践
徐々にではあるが、良い方向に進んでいるとは思うけれど
私達より上の世代が引退し、下の世代に自分達の価値観を押し付けないことが大事だと思う -
T.N
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桃山学院大学附属図書館蔵書検索OPACへ↓
https://indus.andrew.ac.jp/opac/volume/1312898