ショパン・コンクール見聞録 革命を起こした若きピアニストたち (集英社新書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087212341

作品紹介・あらすじ

5年に1度行われ、世界三大音楽コンクールで最も権威があるショパン・コンクール。
若きピアニストの登竜門として有名なその第18回大会は、日本そして世界中でかつてない注目を集めた。
デビュー以来 “一番チケットが取れないピアニスト" 反田恭平が日本人として51年ぶりに2位、
前回大会も活躍した小林愛実が4位とダブル入賞をはたし、YouTuberとしても活躍する角野隼斗、
進藤実優、牛田智大、沢田蒼梧らの日本勢も大健闘した。
さらに、優勝したブルース・リウ、同率2位のガジェヴ、3位のガルシア・ガルシアなど、予選・本選を戦ったピアニストたちは皆レベルが高く個性的で、彼らは既存の価値観を覆すような “革命的な" 演奏を見せた。
これまでと大きく変わった今大会の現場では何が起こっていたのか?
音と言葉を自在に操る著者が検証する。

青柳いづみこ(あおやぎ いづみこ)
1950年、東京都生まれ。
ピアニスト・文筆家。
フランス国立マルセイユ音楽院卒業、東京藝術大学博士課程修了。
1990年、文化庁芸術祭賞、1999年『翼のはえた指』で吉田秀和賞受賞。
日本ショパン協会理事、日本演奏連盟理事、大阪音楽大学名誉教授。
著書に『ショパン・コンクール─最高峰の舞台を読み解く』(中公新書)など多数。

感想・レビュー・書評

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  • 2021年に行われたショパン・コンクール。
    反田さんが2位、小林さんが4位という快挙に沸いていた記憶。
    この時、小林愛実さんと牛田智大くんは知っていた。
    悲しいかな角野さんも出ていたのは知らなかったのである・・・
    ネット配信もされ話題となっていたのに。
    頂点に立つには並々ならぬ努力だけではなく、いろんな角度から研究し、探求していかないといけないのか・・・
    ここは1つの通過点。ここからまたスタートなんですね。
    出場された方々はどんどん活躍されてますね。
    やっぱり生で聴いてみたい!

  • リアルタイムというほどではないけど配信でコンクールを追っかけ、さらにNHKのドキュメンタリーでまとめて情報も得ていた身としては、当時のことを思い出したり、気がついていなかったことを知ったりできて非常に面白く読んだ。
    配信の功罪ということはもちろんあると思うのだが、でも実際、コンサートの場で聞くことができる人数というのは限られているのだから、配信でもわかる魅力があるというのはこの時代に成功していく上で必須になるかもしれない。

  • > 三六〇度曲げてもポールが折れない

    > 我々のころは、知性と音楽性は相反するものととらえられており

    納得していいものか(苦笑)

  • ショパンはハイネと同じで、薔薇を食べてる気持ちに
    なる音楽な気がしていた。

    ショパンコンクールという名前だけは知っていたけれど、
    名前しか知らなかったということをあらためて知る。

    年に数回、ホールでのコンサートに行く程度で
    あまり造詣の深くない分野だけれども、知れば知るだけ
    楽しく深い分野でもある印象の強いクラシック。

    ショパンは比較的、最近の作曲家な印象が強かったが、
    章ごとに扉の裏に抜粋された文章で直接彼を知る人の
    言葉を知ったり、
    コンサートとは違い、コンクールならではの裏側や
    意図、そして少しだけ踏み込んだ知識も知らないなりに
    楽しめる文章とわかり易さ。
    けれど、決してそれは分かりやすさに重きを置くのではなく、
    彼が、彼女が意図することを伝わりやすくするための
    ものであって、簡略化しすぎたそれとは違う。

    音楽を表す言葉を読みたくて読み始めたけれども、
    内容にも知識量としてもバランスよく、
    読みやすくて、満足の一冊。
    吉田秀和賞はやはりいい本を見つける指針になる。

  • ショパンコンクールが開催された2021年当時の感激を思い出しながら読めた。

    聴いてるだけの自分が、緊張で吐きそうになったくらいなので、ピアニストたちの緊張はどれほどのものか想像するにあまりある。

    2025年は日本から数多の才能溢れる若手(あの人もあの人もあの人もあの人も…)がエントリーするはず。想像するだけでこっちが緊張してくる。

  • ショパン国際コンクールの論評を行ってきた青柳いずみこ氏による参加者紹介。直近の2021年度は反田恭平が2位、小林愛実が4位という日本人にとって50年ぶりとなる好成績を収めた。専門的な表現で奏者の論評が続くので門外漢にはややつらいが、ピリオド楽器とその専門コンテストの存在、DVD審査の良し悪しなど舞台裏がわかるエピソード紹介もあり、楽しく読める解説となっている。

  • 763-A
    閲覧新書

  • 全く無知のわたしは、あと2回くらい繰り返さないと理解できないだろうけれど、審査の基準を作るのがそもそも難しいということはわかった。
    それを審査員・コンテスタントが共有しないといけないのだから、準備は大変そうだ。

    客席で聴くのと、オンラインで聴く音も相当違いそうだ。
    カティンさんがピアノのすぐ近くのマイクで拾う音は、広がる前の音だから、客席で聴こえるものとは確実に違うとインタビューで言っていたことを思い出す。

    こちらとしてはただ楽しむのみ。
    全ピアニストが実力を出し切れますようにと祈る。

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著者プロフィール

ピアニスト・文筆家。安川加壽子、ピエール・バルビゼの両氏に師事。フランス国立マルセイユ音楽院卒。東京藝術大学大学院博士課程修了。学術博士。武満徹、矢代秋雄、八村義夫作品を集めたリサイタル『残酷なやさしさ』により平成元年度文化庁芸術祭賞。演奏と文筆を兼ねる存在として注目を集め、安川加壽子の評伝『翼のはえた指』で吉田秀和賞、『青柳瑞穂の生涯』で日本エッセイストクラブ賞、『六本指のゴルトベルク』で講談社エッセイ賞、CD『ロマンティック・ドビュッシー』でミュージックペンクラブ音楽賞。2020年、浜離宮朝日ホールにて演奏生活40周年記念公演を開催。テレビ朝日『題名のない音楽会』、NHK Eテレ『らららクラシック』、『ラ・フォル・ジュルネ音楽祭』『東京・春・音楽祭』等にも出演。日本演奏連盟理事、日本ショパン協会理事、養父市芸術監督。大阪音楽大学名誉教授、神戸女学院大学講師。

「2023年 『安川加壽子の発表会アルバム』 で使われていた紹介文から引用しています。」

青柳いづみこの作品

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