- Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087212389
作品紹介・あらすじ
上手い文章とは、どういうものなのか?
これから文章を学ぼうとする人への、このうえない入門書
【おもな内容】
戦後日本を代表する思想家・加藤周一は、平凡社の『世界大百科事典』編集長を務めた知識人であり、海外の20を超える大学で教鞭を採った国際人でもある。
著書は300冊以上。
名文家として知られるが、その短文は簡にして要を得た珠玉の文である。
本書では、厖大な作品群から現代日本語の精髄ともいうべき短文を厳選。
「読点」「起承転結」「三点整理」「比較対照」「比喩表現」など24項目を採りあげ、文章を書くうえでの心髄に迫った。
【目次】
まえがき
第1部 基礎編
文は短く/読点は雄弁だ/見ることが基本/五感でつかむ/経験を通して考える/主題を設定する/起承転結をつくる/文章に構造を与える
第2部 実践編
むつかしいことをやさしく/論点は三点に絞る/強調で論点は明確に/鮮やかな比較対照/大局観と細部への眼/例示は秩序立てて/具体と抽象の往復/現在と歴史の往還/比喩がもつ説得力/諷刺諧謔で真実を/否定による肯定/確率表現を的確に
第3部 応用編
紹介文/追悼文/書評文/鑑賞文
あとがき
【著者略歴】
鷲巣 力 (わしず・つとむ)
編集著述業。
1944年東京都生まれ。
東京大学法学部を卒業後、平凡社に入社。
林達夫、加藤周一らを担当し、雑誌『太陽』編集長を務め、同社取締役に就く。
退任後は立命館大学客員教授、同大学加藤周一現代思想研究センター長を経て、現在同研究センター顧問。
著書に『加藤周一はいかにして「加藤周一」となったか』(岩波書店)、『公共空間としてのコンビニ』(朝日新聞出版)、『自動販売機の文化史』(集英社新書)など多数がある。
感想・レビュー・書評
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いつも利用している図書館の新着本リストで目に付いた本です。
加藤周一さんの著作は、以前は何冊か読んでいたのですが、このところご無沙汰でした。
本書は加藤さん本人の著作ではなく、加藤さんの文章を材料に、彼の卓越した「文章力」を腑分けして紹介した内容です。
本書には、そういう加藤さんの文章を知り尽くした鷲巣さんならではの読み解きのポイントが数多く記されていました。その着眼と掘り下げは、私のような初学者とっては “精緻なミステリーの謎解き” のような興奮を感じるものでした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
2022年10月。
加藤さんの文がどういう構造になっているのか、だから説得力もあり面白いのかを解く。ただでさえ好きな加藤さんの文、その魅力と秘密を分析して興味深いことこのうえない。 -
登録番号:0142031、請求記号:816/W44
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著者の鷲巣さんが日本を代表する名文家と高く評する加藤周一さんの文章を引き合いに、美しい文章、伝わる文章とはどんなものかを解説する一冊。個人的には書くより発表する機会が多いのだが、この力は大事だなあと思い読了。「読点」「起承転結」「三点整理」「比較対照」「比喩表現」など、24個の「コツ」を紹介し、加藤の文章で実際に使われている例を出して解説する。書く力をつけるためのコツではあるが、読む力、表現する力を鍛えるものでもあると思う。良い勉強になりました。
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京都府立大学附属図書館OPAC↓
https://opacs.pref.kyoto.lg.jp/opac/volume/1252078?locate=ja&target=l?