自壊する欧米 ガザ危機が問うダブルスタンダード (集英社新書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087213119

感想・レビュー・書評

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  • 西欧に対する「イスラムの怒り」とは? 内藤正典・同志社大学教授に聞く(前編) | テロリズム | 東洋経済オンライン(2015/01/26)
    https://toyokeizai.net/articles/-/58912

    内藤正典 | 著者ページ | ダイヤモンド・オンライン
    https://diamond.jp/ud/authors/651a6de0a53aefc2e3000003

    内藤 正典(グローバル・スタディーズ研究科) | 同志社大学 研究者データベース
    https://kendb.doshisha.ac.jp/profile/ja.96e498c5d9704f96.html

    三牧聖子さんのページ | Yahoo!ニュース
    https://news.yahoo.co.jp/profile/commentator/mimakiseiko

    教員一覧 |指導教員|同志社大学 グローバル・スタディーズ研究科
    https://global-studies.doshisha.ac.jp/gs/faculty_members/list/mimaki/index.html

    自壊する欧米 ガザ危機が問うダブルスタンダード/内藤 正典/三牧 聖子 | 集英社 ― SHUEISHA ―
    https://www.shueisha.co.jp/books/items/contents.html?isbn=978-4-08-721311-9
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    (yamanedoさん)本の やまね洞から

  •  10・7に始まるイスラエルのガザ侵攻を止めることができない欧米中心の国際秩序を「リベラルのダブルスタンダード」という観点から厳しく検証する。米国の若年世代の政治動向をウォッチしている三牧氏の議論は、バイデンの筋金入りの親イスラエルぶりを指摘する一方で、米国内部が決して一枚岩ではないことを示すものとなっている。
     一方で内藤氏は、トルコから見たEU、米国、イスラエルという視座を提示するが、エルドアンの政権をどう評価できるのかがいまひとつわからない。エルドアンといえば強権的なメディア統制を行っているとされるが、そのようなイメージも歐米メディアによるバイアスということなのか? ウクライナ戦争が始まる前、反米・反グローバリズムの文脈でプーチンを相対的に持ち上げるような議論が散見されたが、氏の見解は、そのような種類の言説と差異化できるのだろうか。
     
     三牧氏は、イスラエルの侵攻を支持する欧米の動きを指して、「言葉が歪んでいる」とする。彼ら・彼女らの「言っていること」と「やっていること」との乖離を指した直観的な物言いと思うが、そもそも第二次世界大戦後の国際秩序じたいが、いくつもの虚構=擬制の積み重ねの上に成り立ったことを想起してもよい。イスラエルの建国=パレスチナ人の追放は、その虚構=擬制の最たるものの一つだろう。冷戦構造の崩壊後、30年にわたって延命させられてきた「世界」を成り立たせる約束事としての虚構=物語――近代、自由、人権、倫理、法の秩序――について、ひとつひとつのコンセプトを鍛え直すことから求められている。いま戦争と平和を語ることは、こうした歴史的なパースペクティブの下にあることを自覚するところから始めるべきではないのか?

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著者プロフィール

1956年東京都生まれ。東京大学教養学部教養学科科学史・科学哲学文科卒業。社会学博士。専門は多文化共生論、現代イスラム地域研究。一橋大学教授を経て、同支社大学大学院グローバル・スタディーズ研究科教授。著書に『イスラームから世界を見る』(ちくまプリマー新書)『となりのイスラム』(ミシマ社)『外国人労働者・移民・難民ってだれのこと?』(集英社)ほか多数。

「2022年 『トルコから世界を見る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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