- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087441970
作品紹介・あらすじ
倫理の授業で吐露する生徒達の内面が精緻に描かれる。正義とは、愛とは、生きるとは何かを問い直す同名の人気漫画のノベライズ版。
【著者略歴】
ひずき 優(ヒズキ ユウ)
2月6日生まれ。横浜出身。『REAL×FAKE』で2007年度ロマン大賞を受賞し、受賞作を改題した『キミのいる場所/-REAL×FAKE-』にてデビュー。主な作品に『小説 不能犯』、『アルカサルの恋物語』シリーズ、『書店男子と猫店主』シリーズ、『相棒は小学生 図書館の少女は新米刑事と謎を解く』などがある。
感想・レビュー・書評
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漠然とした好奇心から人生の目的は開ける
原作よりも、言葉としての迫力がいっそう増している気がした。
言葉の贈り物をありがとう。
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高柳先生の倫理の授業は、難しい言葉が並べられたもの。でも、その回その回にキーワードがあり、読者はその「キーワード」さえ胸に刻み時にじっくり考えてみればきっと何かのヒントになる。短い本ながら、一つ一つのテーマを深掘りし答えを出さず様々な立場に立たせる高柳先生は読者にとっても良い先生になり得たのではないだろうか。
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マンガもドラマも見ていないので、代わりに一読。
倫理を体系的に理解するには『正義の教室』の方が分かりやすかったが、こちらはストーリー寄り。倫理教師・高柳によって、生徒一人ひとりが悩みに向き合うことになる姿が学園ドラマっぽい。
確かに、倫理は「学ばなくても将来ほぼ困ることはない」が、高校生という多感な時期に学んだことは自分自身の糧にもなった気がする。
印象に残った言葉
・ショーペンハウワー
我々は他人と同じようになるために、厳しい自己放棄によって自身の四分の三を棄てねばならない
・キルケゴール(実存主義)
誰もが顔も名前も失った“匿名の人”になっている -
星5か星4か迷ったので、星4.2くらい。
漫画版の1話を試し読みして面白かったので漫画を集める予定ではありつつ、金銭的に手が出しやすかったこちらの小説から購入してみました。
倫理の教師である高柳先生は、黒板に以下の言葉を書きます。
"宗教とは何か"
"よりよい生き方を考える"
"幸せとは何か"
"ジェンダーについて"
"いのちとは何か"
この5つについて、関心がある方や、どれかについて考えたり自分の中で答えを出してみたりした事がある方、あるいは哲学的思考に寄りがちな方には興味深い内容かなと思いました。
各所に偉人の残した至言が先生の口から出るかたちで登場するので、そのひとつひとつの意味を考える楽しみがあります。
フィロソフィーの意味や、ソクラテスはひとつも文字や文章を残してないなど、この分野で知らなかった事がたくさん知れて大変勉強になりました。
キャラクターも良いです。いち子というギャルの女の子が可愛いなと思いながら読みました。
上の5つについても、自分がそれらについて考える事自体が良い事で、それぞれに自分の出した答えを持っていて良いのだと言われているようで安心感を覚えました。
確かに健康的に生きている自覚があるうちは、倫理は必要ないのかもしれないけれど、何かに失望した時や、自分が独りぼっちだと泣いている時にはこれが助けてくれるのかも知れないです。
文のひずき優さんの文に惹かれて、というよりは、この先生の話す倫理の話自体が面白いなという印象だったので、評価が難しいのですが、内容としては"大変興味深く、難しいけれど面白い本"でした。
倫理を勉強したくなった時にまた読みたいと思います。漫画も楽しみです。 -
漫画1巻〜4巻の内容を掻い摘んで文庫化した感じ。
文字を追うのが厳しいのであれば漫画をみるのもあり。
文章だと一字一句ちゃんと読まないといけないので大変ですが、漫画では感じられなかった顔の表現や生徒の考えが入っていて、人の表情だけではその人の本当の考えは理解出来ないんだと感じました。分かった気になってただけって気づいて少し怖くなりました。
漫画よりも言葉の重みが出て響きますね…
ただ死んでないだけ、生きてすらいない私もより良く生きたい。正しく生きたい。そう思わせる作品です。 -
倫理の授業は受けた事がないけど、ミステリアスな高柳先生に引き込まれてスラスラと読めました。
最後のディベートのところだけはちょっと難しかった。 -
元々漫画を読んでいて、本屋で小説版を見つけ、興味本位で買って読んでみました。
読みやすさで言ったら、漫画の方がいい気がするけど、小説にしか無い表現(高柳先生が煙草を吸っている仕草、雰囲気の表現の仕方)が個人的にはいいなと思いました。 -
漫画読んでからこちらを。
臨場感が凄い漫画なので小説版でどうなるのかと思っていましたが、雰囲気はそのままでとても読みやすかったです。
倫理勉強したくなりました。今からでも遅くないかな。 -
漫画で読んでみたい
考えさせられる本だった -
冷静沈着でいて、感情を表には出さない。ときどき出す感情もすごくクールな先生。
それでいて、イケメンなんて…
それはそれは、ステキでしょう(笑笑)
たかやな先生の半生を語ってくれるのかな〜と期待していたんだけど、それはなかった。
暗い落ち着いた話なのかと思ったら、そこまで暗くもなかった。
高校生くらいの若い方が読むと、共感できる場面がたくさんあるんじゃないかなと感じました。