ファイナルオッズ (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087443363

作品紹介・あらすじ

食品会社勤務の太一は競馬ファン。破天荒な上役と組んで、自社の危機を救うために馬券で大勝負!? 男の夢が詰まった極上のドラマ。

感想・レビュー・書評

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  • わーい、嬉しいな。京都競馬場が約2年半の改修期間を経て、4月22日にグランドオープン!
    早速、初日の昨日に行って来たけど、いや~、きれいになってて気持ち良かった。
    仁川までは遠いので現地観戦に遠ざかっていたけど、季節もいいし、これからは淀で競馬三昧の休日だあ。

    さて、著者になる競馬ミステリー、5冊目。
    たまたま描かれるレースがちょうど今の時期に重なっていて、スプリングステークスから始まり、皐月賞をクライマックスに話が進む。競馬の話なのでサクサクと楽しく読める。
    予想はいい線行っていても、出遅れたり詰まったりハナ差で負けたり別の買い方にしときゃあ良かったよとか、毎週毎週、馬券を外し続けている身からすると、あんなにズバズバ馬券が的中するかいなと思うが、まあいいか。
    ハゲタカファンドに対抗するための10億円を皐月賞の払戻しでつくる話に、反対派の妨害工作がしょぼくて、殆どなんのトラブルもなく思惑通りに話が進む。
    うまくいきすぎるが故に、逆に最後にどんな結末が待ってるのかと勝手に想像してちょっとドキドキしていたが、何も起こらず脱力した。

    150頁あたりに話のミソとなるオッズのからくりが書いてあるが、冷静に計算すれば、いかにGⅠであっても10億円程度の単勝売上げではこれは無理であることが分かる。
    → 普通なら35百万円の売上げの馬に50百万円突っ込んで、その馬の単勝が22.5倍になるには、全体で2,391百万円の単勝売上げが必要で、元々書かれている936百万円に自分が出す50百万円を加えてからさらに他の馬へ1,405百万円の売上げ増が必要。どんなにうまくオッズの動きを隠したとしても、それで他の馬の単勝を買う人がいつもの倍以上になるなんてあり得ないでしょう。

  • 食品会社勤務の太一は大の競馬ファン。破天荒な上役と組んで、自社の危機を救うため馬券で大勝負に挑む。勝ち馬探しのヒントも満載の全く新しい馬券ミステリー。
    久しぶりの競馬小説。本物の競馬自体も興奮と謎に満ち溢れるが、そこに人間ドラマがミックスされると、とんでもない傑作が生まれる。個人的に競馬小説の最高傑作は石月正広『サシウマ勝負』だが、本作のスリル感は物足りない。

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著者プロフィール

島田明宏(しまだ あきひろ)
1964(昭和39)年、北海道札幌市生まれ。早稲田大学政治経済学部中退。在学中より放送作家、フリーライターとして執筆活動を始める。1990年夏から武豊騎手のアメリカ遠征に同行するようになり、『Number』『別冊宝島』『週刊文春』『週刊朝日』などで競馬関連の原稿を執筆。著書に『「武豊」の瞬間』『誰も書かなかった武豊 決断』『ディープインパクト 無敗の三冠馬の真実』『伝説の名ジョッ
キー 歴史をつくった天才たちの光と影』『ウオッカ物語 競馬史に残る美しき名牝』競馬ミステリー小説『ジョッキーズ・ハイ』ドラマ化作品『絆 走れ奇跡の子馬』など。2009年「下総御料牧場の春」で第26回さきがけ文学賞選奨、2012年『消えた天才騎手 最年少ダービージョッキー・前田長吉の奇跡』で2011年度JRA 賞馬事文化賞を受賞。

「2020年 『ジョッキーズ 歴史をつくった名騎手たち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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