早朝始発の殺風景 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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感想 : 132
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  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087443394

作品紹介・あらすじ

青春は気まずさでできた密室だ――。
今、最注目の若手ミステリー作家が贈る珠玉の短編集。
始発の電車で、放課後のファミレスで、観覧車のゴンドラの中で。不器用な高校生たちの関係が、小さな謎と会話を通じて、少しずつ変わってゆく――。
ワンシチュエーション(場面転換なし)&リアルタイム進行でまっすぐあなたにお届けする、五つの“青春密室劇"。書き下ろしエピローグ付き。

「早朝始発の殺風景」
早朝始発の列車でなぜか出会った同級生(あまり仲はよくない)の思惑はどこにある――?
男女の高校生がガラガラの車内で探り合いの会話を交わす。
「メロンソーダ・ファクトリー」
女子高生三人はいつものファミレスにいた。いつもの放課後、いつものメロンソーダ。
ただひとつだけいつも通りでないのは、詩子が珍しく真田の意見に反対したこと。
「夢の国には観覧車がない」
高校生活の集大成、引退記念でやってきた幕張ソレイユランド。気になる後輩もいっしょだ。なのに、なぜ、男二人で観覧車に乗っているんだろう――。
「捨て猫と兄妹喧嘩」
半年ぶりに会ったというのに、兄貴の挨拶は軽かった。いかにも社交辞令って感じのやりとり。でも、違う。相談したいのは、こんなことじゃないんだ。
「三月四日、午後二時半の密室」
煤木戸さんは、よりによって今日という日に学校を欠席した。
そうでもなければ、いくらクラス委員だとしても家にまでお邪魔しなかっただろう。
密室の中のなれない会話は思わぬ方にころがっていき――。
「エピローグ」
登場人物総出演。読んでのお楽しみ。

感想・レビュー・書評

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  • 皆様、2023年、
    今年もよろしくお願いします。

    こちらの本は年内の帰省中の飛行機の中で読みました、五つの物語の短編です。同じエリア内で起きてる日常の物語。

    なんでこれ読んだか?でいうと、
    私、去年作者の初読みキャンペーンを1人でやってるんですけども、(とにかく色んな作者を初読みする、1冊目が自分に合うか合わないかで、2冊目いくか決まる)
    体育館の殺人が有名?なのかな?館系や密室系はあまり好まないので、一冊目で手に取れず。。
    可愛らしい表紙、気軽に読める短編。

    感想としては、面白かったです。
    一応ミステリーなんですけど、もちろんミステリー要素は低めなので、ミステリー苦手で読んだことない人とかには特におすすめ。ゴリゴリのミステリー大好き上級者様は物足りないのかも!?
    私は初心者です。

    あんま人気ないかもですが、私は観覧車の話が1番好きでしたー。ドキドキ。え?まさか?わあ。

    今年もたくさん読みたいー
    既に積読本多数。
    本棚買わないと、、!もう入り切らないです。
    みなさんどしてるんだろう……

    今年の目標数は、去年を上回る事にしたいと思います〜╰(*´︶`*)╯♡

    • なんなんさん
      土瓶さん
      なんと!同じ理由で^ ^ 嬉しいです。

      18冊〜!私も数えてみようかなと思います。
      図書館近場になくて、本屋さんに寄るたびに購入...
      土瓶さん
      なんと!同じ理由で^ ^ 嬉しいです。

      18冊〜!私も数えてみようかなと思います。
      図書館近場になくて、本屋さんに寄るたびに購入してしまい。(ストレス発散にも)

      皆さんの本棚やレビュー見ていると、またまた読みたい本が増えていき幸せです!
      土瓶さんのレビューいつも楽しく拝見させてもらってます^^
      今年もよろしくです〜(o^^o)
      2023/01/08
    • マメムさん
      初コメです。
      なんなんさん、今年もよろしくお願いしますm(_ _)m

      短編集でありながら、最後の喫茶店の場面であれあれ?と思う所は、なんか...
      初コメです。
      なんなんさん、今年もよろしくお願いしますm(_ _)m

      短編集でありながら、最後の喫茶店の場面であれあれ?と思う所は、なんか微笑ましくなりました。

      似たような作品だと誉田哲也さんの「ボーダレス」かなと。早朝始発〜と同じくドラマ化もされた作品です。

      ちなみに私の積読は電子書籍含めると70冊くらいなので、今月は積読消化期間です(笑)
      2023/01/09
    • なんなんさん
      マメムさん、コメントありがとうございます!
      最後の喫茶店であれあれ?と思うところ、わかりますー。ほっ?あれ?あれあれ?

      な、な、なんと、7...
      マメムさん、コメントありがとうございます!
      最後の喫茶店であれあれ?と思うところ、わかりますー。ほっ?あれ?あれあれ?

      な、な、なんと、70冊ーっ!!(°_°)

      誉田さんチェックしてみます!!
      なんの本と似てるとか、作者の特徴とか知れるのが本当に楽しいです★

      今年もよろしくお願いします♪
      2023/01/09
  • 「ミステリの切り口の面白さ」
    「若者の心の中の様々な機微を面白くも繊細に描いている」というブク友さんのレビューから手にとりました、ありがとうございます!

    読後、新鮮さをすごく感じました。
    それは単なる”青春さわやか物語”という意味合いではなくて、この短編がどれも登場人物は高校生だけ、場面が一カ所から動かない、意外なミステリー要素という構成の面白さに加えて、ブク友さんがおっしゃるように主人公の気持ちの揺れ動きを繊細に描いていて、この高校生の彼・彼女が今後どんなふうに成長していくのかなぁという余韻が残るからだと思います。

    • たださん
      koalajさん、こんにちは。
      こちらにもお邪魔いたします(^^)

      『単なる”青春さわやか物語”という意味合いではなくて』
      ここ、とても大...
      koalajさん、こんにちは。
      こちらにもお邪魔いたします(^^)

      『単なる”青春さわやか物語”という意味合いではなくて』
      ここ、とても大切だと私も思い、だからこそ、青崎さんの登場人物へ込めた気持ちも覗えそうで、いいですよね。

      確かに、場面が一カ所から動かない設定というのは、舞台劇を思わせるものもあって、新鮮ですし、結果、ミステリになってますが、何だか私には、お互いの心の内を知りたくて、怖々探り合う初々しさのようなものも感じさせられて、最後には、何か最初とは違った心境に皆なることが出来て、その晴れ晴れとした爽やかさに心動かされるのかもしれませんね。
      そんなところも丁寧に描いていて、とても印象的な作品でした(^^)
      2023/04/16
    • koalajさん
      たださん、
      こちらにもコメントありがとうございます!

      「お互いの心の内を知りたくて、おそるおそる探り合う初々しさ」そう!まさにそうですよね...
      たださん、
      こちらにもコメントありがとうございます!

      「お互いの心の内を知りたくて、おそるおそる探り合う初々しさ」そう!まさにそうですよね!
      それをさりげなくさらっと表現している所、
      あ、いや著者ご本人は熟考に熟考を重ねてかもしれませんが、そんな所も心地よい読後感に繋がっていて読んで良かったです。
      ありがとうございました〜♪
      2023/04/16
  • 始発の電車、放課後のファミレス、観覧車の中、自然公園のレストハウス、風邪で休んでいる級友の部屋。
    密室内で繰り広げられる、高校生の会話劇で構成された5つの短編は、はじけてるだけじゃなく、ほろ苦さも混じっていて、彼らの高校生活がとてもリアルに感じられます。
    身近に起こるほんの小さな謎解きと、相手に対する心遣いがニクいなぁ。

    電車と観覧車が移動しながら、窓から見える景色がしだいに変化して、時間の経過と共に二人の関係も少しずつ変わっていくような感じの描写が、読んでいて楽しかったです。
    元々お互い希薄な縁だったはずなのに、物語の終わりには仲良くなりそうな予感がして、最後にはほっこりと笑顔にさせてくれます。

    「青春ってきっと、気まずさでできた密室なんだ」けど、ふとしたきっかけで「密室は開かれる」のですよね。

    「三月四日、午後二時半の密室」が特によかったです。

  • 本書は、前回読んだアンソロジーと一緒に借りたのだが、青崎さんの作品って、ミステリの切り口の面白さもそうだけど、それ以上に、若者の心の中の様々な機微を、面白くも繊細に描いている事に、とても好感を持ち(軽く扱わないというか)、これを読んで、青春時代の素晴らしさを実感する方も、おそらくいるのではないかと思うくらい、表現は現代的なのに、どこか普遍性も感じられました。

    本書には、5つの短編が収録されており、世界観が共通しているものの、それぞれ単独で読めるような、いずれも若者の瑞々しくも、ちょっと切なくさせる会話のやり取りが、印象に残る。


    「早朝始発の殺風景」
    「殺風景」って凄い苗字だなと思ったが、彼女の凄さは苗字だけでは無かったことが、徐々に分かっていく展開も面白いし、偶然、一緒に乗り合わせた、「加藤木」とのホワイダニットのやり取りと、彼自身の異性をちょっと意識する(青春!!)葛藤との、ギャップも面白い。

    「メロンソーダ・ファクトリー」
    真田、詩子(うたこ)、ノギちゃんの、高二三人娘のユーモラスなやり取りの中に、キラリと光った大切なものの存在。それも彼女自身なんだよね、ということを心に刻み込む事で、更に彼女たちの友情が厚くなるのだと思うと、こういう謎解きもいいね。

    「夢の国には観覧車がない」
    私の中では、これがいちばん好きで、男子二人で観覧車に乗るだけの展開が、まさか殺人とは。
    しかも、ここでは殺人の解釈がちょっとほろ苦く、そして温かく切ないという。言葉巧みなんだけど、巧みさだけではない、これは相手の気持ちに寄り添わないと分からないであろう、思いやりや優しさを感じられて、似たような経験を持つ方には、グッとくるものもあるのでは。
    そして、この話における、次から次へと倒れていく論理的ドミノの気持ち良さは必読でして、『平成のエラリー・クイーン』、なるほどと。
    また、私は千葉在住なので分かるのだが、地名や建造物に現実とフィクションを取り混ぜていて、実は、これにもちゃんとした意味があった事が分かり、それも合わさる事で、より切なさが増します。

    「捨て猫と兄妹喧嘩」
    両親の離婚に合わせて、別々になってしまった兄妹の微妙な距離感の葛藤に、妹が拾ってきた捨て猫が加わることで、新たな展開が始まりそうな予感には、兄妹2人にとって希望の始まりとも思え、それに謎解きが大きく貢献しているのも、心憎いばかり。

    「三月四日、午後二時半の密室」
    出来れば、作品紹介は読まないことをお勧めしたい、密室の解釈の独自性がまず印象的で、これ分かるなあ・・密室って正に閉じられた空間だもんね。だが、そんな苦しみも、ちょっとドジな探偵の手にかかれば、たちまち様変わり! というか、感情の振り幅に驚きだが、こうしたジェットコースターのように、一瞬にして感情が思いっきり、両極端に様変わり出来るのって、これも青春ならではの素晴らしさ、素敵さなのではないかと、共感すること間違い無いと思いました。
    また、ここでは、他の話の人物との、ちょっとした繋がりもあって、それを見つける楽しさもあります。

    それから、最後のエピローグの内容は、ここまで読んできた、読者へのご褒美のようにも思われて、それぞれの物語に愛着を持たれた方なら、きっと満足される内容かと思われますし、あの人物の後日譚も読めて、私はとても嬉しかったです。

    • 111108さん
      たださん、お返事ありがとうございます♪

      ラムネチョコさんは水元さきのさんになってたんですね!イラストの方の情報まで教えていただきありがたい...
      たださん、お返事ありがとうございます♪

      ラムネチョコさんは水元さきのさんになってたんですね!イラストの方の情報まで教えていただきありがたいです♪

      青春‥遠〜い目になってしまいます(*´-`)
      でもそこにある綺麗なだけでない、もやっとした思いも青崎さんは丁寧にくみとってるようで、たださん同様楽しめました♪
      2023/02/19
    • koalajさん
      たださん、こんにちは。
      この本読んでみました。面白かったです!
      何というか、今までにない新鮮さを感じました。どうしてそう感じるのか?一カ所の...
      たださん、こんにちは。
      この本読んでみました。面白かったです!
      何というか、今までにない新鮮さを感じました。どうしてそう感じるのか?一カ所の場面設定&登場人物は高校生だけ&ミステリー要素の掛け合わせからそう感じるのかなぁ。
      青崎有吾さん、実は名前も知らなかったのですが、調べてみたら31歳、わっ若い!そして何と神奈川県の出身高校が私と同じじゃないですか!これはもう今後注目&応援をしていくしかないです。
      ありがとうございましたー♪
      2023/04/16
    • たださん
      koalajさん、こんにちは。
      コメントありがとうございます(^^)

      そうなんですよね。高校生が登場する日常ミステリと言ってしまえばそれま...
      koalajさん、こんにちは。
      コメントありがとうございます(^^)

      そうなんですよね。高校生が登場する日常ミステリと言ってしまえばそれまでですが、切り口が斬新といいますか、それでいて、若者特有の建て前と本音の見事な描き方に、かつて学生だった私も共感できた、青春の素晴らしさを教えてくれた作品でした。

      確かに青崎さん、若いですよね。ちなみに「館シリーズ」は、エラリー・クイーンを彷彿とさせる本格推理もので、他にも色々な作風があるそうなので、引き続き追いかけていきたいと思うのですが、実は図書館に全く無いんですよね。取りあえず、リクエストしてみようと思います。

      koalajさんの、他の青崎さんの作品のレビューも、ぜひ楽しみにしております(*^_^*)
      2023/04/16
  • ★4に近い

    高校生いいなー!!
    2作目と5作目が特に好き。
    エピローグはそれぞれの登場人物が出てきて嬉しかった。
    辛すぎない事情があるのがまた魅力だと思う。
    そしてすべて同じ地域での話だったのか!
    それを知ってからまた読むと楽しさが増しそう。

    1話目の二人はこのまま心の距離が縮まってほしい。
    2話目の3人は延々とくだらないやり取りをしていて欲しい。
    3話目の男子二人の今後は目が離せない!笑
    4話目の兄妹+ネコちゃんには穏やかな幸せが続いてほしい。
    5話目の二人はそこから友情が始まって欲しい。

  • 初めましての作家さん。
    ずっと積読だった作品です。
    非常に読みやすかったし、高校生たちのちょっとした感情や距離感が分かりやすく表現がしてあって、さらっと読めました。
    ちょっとした謎解めいたものも面白かったです。

  •  『早朝始発の殺風景』

     いつもは乗車することのない始発電車。眠気を抑えて加藤木はいつもと違う場所から乗車する。そこにはあまり接触したことのないクラスの女子・殺風景が乗車していた。
     学校が開門する時刻は7時半。学校までの時間はあまりにも早すぎる。
     互いにその理由を探りあうのだが~。

     『メロンソーダー・ファクトリー』
     学園祭に着るクラスのTシャツを決めるためにファミレスに来た三人の女子高生。
     いつもメロンソーダを頼む詩子に、彼女とは小学生からの付き合いの真田。そして、初めて同じクラスになったノギの三人組。
     その三人でクラTを決めるために集まったのだが、案は二つ。一つはクラスの人気者の石川が出したもの。もう一つは中学の時に美術部だった真田が出した案。
     昔から仲が良かった詩子は真田の案に賛成してくれると思ったのだが、彼女が選んだのは石川が出したものだった。それは何故なのか。

     『夢の国には観覧車がない』
     フォークソング部の引退日。男同士で観覧車に乗ることになった先輩と後輩。
     後輩には何か企みがあるようで。

     『捨て猫と兄妹喧嘩』
     捨て猫を拾ってしまった妹。彼女は猫アレルギーのため猫を飼うことができない。だが、そのまま放置することもできずに、両親が離婚して、父親に引き取られた兄に預かってもらえないかと相談するのだが。
     兄は引き取ることはできないと喧嘩となってしまう。彼が猫を飼えないわけは? そして、拾った猫はどうなるのか?

     『三月四日、午後二時半の密室』
     卒業式の日、休んだクラスメイトの家に卒業証書とアルバムを届けることになった草間。
     相手はクラスで孤高の人物で、悪く言えば空気の読めない人物だった。
     頼まれた荷物がポストに入らなかったために、自宅へと招き入れられた草間だったのだが……。

     以上5編の短編にエピローグが付きます。

     読んでいて、どこに謎があると思うような話ばかりで、その謎がまた秀逸で、面白かったです。

     とくに最後の『三月四日、午後二時半の密室』はただ休んだクラスメイトの家に卒業証書とアルバムを届けるだけで、謎となるのが素晴らしい

     あー、こんなことあったとか思ったり、あの時代にしかないものがあり、読んでいて思い浮かぶ黒歴史(◎_◎;)

  • 学生時代の胸ときめく爽やかな世界観に、窮屈な心情を織り込む青春ミステリー。あの頃に戻りたいと思わせる傑作。

    高校生たちの日常の中、ちょっとした人間関係の気まずさが詰め寄ってくる。居心地の悪い中、原因が少しずつ明らかになっていき、それぞれが前向きに進みだす物語。全5編+エピローグからなる短編集。

    相変わらずキャラクターを魅力的に描くのがお得意ですね、会話の掛け合いや心理描写がホントにお見事。どの物語も甘酸っぱい学生時代を思い出させてくれるエピソードで、思わずキュンキュンしてしまいます。
    ミステリー要素も丁寧で、伏線もしっかり効かされており、なるほど感が高いです。

    ・早朝始発の殺風景 ★4
    本紙カバーでイメージ出来る通り、舞台設定が素晴らしい。まるで夢の中みたい。少しずつ近づく二人の距離がリアルでイイ! 最後怖いね…

    ・メロンソーダ・ファクトリー ★5 (大好き)
    どこでも見かける、ファミレスで過ごす3人の女子高生。キャラクター描写が素晴らしすぎて、ほんとにその辺にいそう。仲の良さの狭間にある微妙な空気が胸を締め付けますが、終盤の展開には思わず涙しました。

    ・夢の国には観覧車がない ★3
    青春を地でいくストーリー。先輩の純粋さと後輩の静かな熱意が良く伝わってきました。ありそうな舞台や展開だったので、もう一ひねりあると、さらに良かった。

    ・捨て猫と兄妹喧嘩 ★3
    思わず兄妹を応援したくなる作品。とにかく登場人物+猫が可愛いすぎて、萌死ねること請け合い。

    ・三月四日、午後二時半の密室 ★5
    主人公二人のキャラクターと、閉ざされた心理描写がすばらしい。終盤の怒涛の展開が美しく、ラストは圧巻の爽やかさでした。

    ・エピローグ ★3
    綺麗にまとめまっていて、終止感をしっかりと味わえます。みんな幸せそうで良かった。

    本紙カバーのような、淡い気持ちに浸りたい方にお勧めしたい一冊でした。

  • 5作品+エピローグからなる、学生たちが織り成す日常ミステリ。短編集だが各作品ともに登場人物が2人から3人と非常に少なく読みやすかった。
    日常の中に見え隠れしたふとした違和感や、ちょっぴりダークな面を各短編の中に上手く落とし込んでいるのが秀逸。

    特に好みだったのは『メロンソーダ・ファクトリー』。
    女子校の仲良し3人組の真田・詩子・ノギちゃん。彼女らがいつものファミレスに集い、文化祭のクラスTシャツを決めているときに起きた小さな友情の亀裂。
    普段、ドリンクバーでメロンソーダしか頼まない真田の親友・詩子。詩子は不思議ちゃん系なのだが、真田のことが大好き。そんな彼女は、真田の出したクラスTシャツの案を珍しく頑なに否定し続ける。
    走った気まずい空気。真田の視点でそれ見ている僕ら読者は、彼女と同じく何が何だかまったくわからない。
    普段と様子が違う詩子。辛そうにする詩子を心配する2人。そして彼女がメロンソーダしか飲まない理由。
    読み終わる頃には心が暖かくなっている、素敵なミステリーだった。

  • 殺風景って名前だったのね

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著者プロフィール

★小説家/推理作家。“平成のエラリー・クイーン”の異名をとる、本格ミステリ界の若きエース! 代表作に『体育館の殺人』『図書館の殺人』『ノッキンオン・ロックドドア』など。

「2018年 『ネメシス ♯40』 で使われていた紹介文から引用しています。」

青崎有吾の作品

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