暗くて静かでロックな娘 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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本棚登録 : 290
感想 : 29
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087453942

作品紹介・あらすじ

目と耳の不自由な娘・ロザリンドとのロマンスを綴る表題作ほか、社会の埒外を生きる、愚かでいやしく貧しい人々の生きざまを描く。人間の闇を見つめる、著者真骨頂の残酷小説集。(解説/杉江松恋)

感想・レビュー・書評

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  • 暗黒騎士 平山夢明 堪らん。
    お洒落なカフェにてコーヒーを片手に文庫本を構え、煙草を燻らす私がまさかこんな暗黒書物を楽しみ脳内エレクトリカルパレードしてるとは誰も思っておらなんだろぅ。

    ある時代、ある場所 のお話
    解説のお言葉を借りるなら「無国籍」な正に非現実を堪能出来る素敵な書物。しかし、これまた解説のお言葉を借りるが、決して市場で売り買いされているアイテムではなく、確実に終盤サブクエストダンジョンの最奥で手に入る魔の書物。所持するだけで呪われるアレだ。

    以降、内容の解説をしても手に取らない限り確実に「??」となるのは明白。なんなら読み込んでも理解するのが難しいので、誰得なのか知らんこっちゃねぇと半ばヤケクソでお気に入りを描き殴ります(* ´ ˘ ` *)笑

    「悪口漫才」
    死体の腐臭の表現。
    【腋臭の男と水虫の男が生魚を互いの躯に塗って日光浴をしているような臭い】わからないけど絶対臭い。なんか漂ってきた気がしてしまう。
    モラハラを超えたモラ神カホルは炎上だ!!!

    「どぶろく焼き場」
    ダイアナの口の悪さが最高。台詞を書いたらネット警察に逮捕されそうなので割愛...無念...。
    彼女は学生時代シンナーのやりすぎで前頭葉が溶けているという触れ込みで訳の分からない単語を連発する〈 跨り上がって〉きた女とだけ。
    ジュパッチ!むきむき!ジュパッチ!むきむき

    「暗くて静かでロックな娘」
    【禿が自慢のオヤジの頭みたいにピカピカに光った便所...って膝をついて告白を始めたくなる気分】
    汚いトイレから出てきた事への弁解。
    ここら辺で静かなカフェで一人ニヤついてたのは私です。犯人ココです。

    いやぁ、訳が分からないですね
    ーーーーーーーーーーーーー

    「チョ松と散歩」「おばけの子」にて泪を零した貴方は完全にコッチの世界の人です。いらっしゃいませ。ごゆっくりと。
    神経毒作用があり徐々にHP削られるので連続して読める作家様ではありませんが、今回も大変ウハウハさせていただきました。また忘れた頃にこんにちはしたいと思います。

  • 2021/5/26読了。

    短編集であり、救いがない話とある話がまぜこぜに綴じられているのでハラハラする。

    あんまり共通項はないが、大体主人公や関係者が貧乏だったり職がなかったりする。荒廃した世界観と小気味良いセリフや例えがなんとも癖になる。

  • 10編収録の短編集。

    平山夢明にしては普通の小説が多い。
    『デブを捨てに』や『ヤギより上、猿より下』のような、「タガの外れた想像力の暴走」という趣の作品は少ないのだ。

    ただし、それは「平山にしては普通」という程度であって、世間一般の普通よりはずっとブッ飛んでいるのだが。

    平山らしからぬ詩情に満ちた作品も多い。

    たとえば、被虐待児が落命するまでを描いた「おばけの子」は、橋本治の傑作短編「ふらんだーすの犬」を彷彿とさせる哀切な感動作である。

    「チョ松と散歩」も、幽霊話をからめた切ない友情物語。「心あたたまる話」と言えなくもない読後感がある。平山作品としては異例だ。

    平山夢明の短編集の中でも、クオリティの高い1冊だと思った。

  • 家族は靴の裏に貼り付いたチューインガム。
    鋭いな。

  • 笑える短編から文芸よりの短編までいろいろ。
    表題作は物悲しさとやるせなさとおかし味を感じる。
    こういう短編を書いてみたいという誘惑にかられる引きずり込まれるような魅力がある。

  • 10編の短編集
    子供が絡む話が多いような。中でもおばけの子はただただキツめの虐待で辛かった。
    逆にチヨ松と散歩は心温まる感が平山さんにしては珍しい。
    面白かったけどオススメするレベルではなかった。
    それか私が平山さんに、とんでもないオチを求めすぎてるのか、、笑

  • タイトルと表紙に惹かれて買った。
    読むのにとても時間がかかった。
    電車の中で読むのは恥ずかしかった。
    カフェで読むには向いてなかった。
    ただただ独特の言い回しや言葉遣いに疲れて、胸糞悪くなったり悲しくなったり。
    なんだか不思議な本だ。

  • 表題作が最高にすき。

  • 救われない…

  • 平山文学で描かれる世界は大体三つに分けられると思う。

    1.クズみたいな世界だけどどこか救いのある世界
    2.マジで救いのない世界
    3.穏やかな世界

    圧倒的に多いのが1。本当に汚らしいしえげつない世界でも、最後には救いがある。救いらしいものがなくても、ほんの少しばかり希望を見出せる作品が多い。
    ちなみに、この世界で登場人物たちが繰り広げる 節操もモラルも微塵も感じられない罵詈雑言や、行動の数々は一周回ってハイセンスなギャグのように感じる。

    2の世界はもうホントに胸糞悪い。「おばけの子」は読んでてしんどくなった。

    3はごく稀に見られる。「チョ松と散歩」は平山作品特有の、汚いのも、グロいのも全くない穏やかな世界だった。その分、その後の「おばけの子」は本当に反動がキツくて、読んでて辛いものだった。

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著者プロフィール

1961(昭和36)年、神奈川県川崎市生まれ。法政大学中退。デルモンテ平山名義でZ級ホラー映画のビデオ評論を手がけた後、1993年より本格的に執筆活動を開始。実話怪談のシリーズおよび、短編小説も多数発表。短編『独白するユニバーサル横メルカトル』(光文社文庫)により、2006年日本推理作家協会賞を受賞。2010年『ダイナー』(ポプラ文庫)で日本冒険小説協会大賞を受賞。最新刊は『俺が公園でペリカンにした話』(光文社)。

「2023年 『「狂い」の調教 違和感を捨てない勇気が正気を保つ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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