- Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087456592
作品紹介・あらすじ
岳飛は南宋軍の侵攻を退け、秦容軍と連携しての北上を模索。水軍の李俊は、南宋水軍へ放棄した沙門島の奪回に成功。金国の海陵王は大軍で子午山を挑発したため、史進の逆鱗に触れ──。(解説/小山進)
感想・レビュー・書評
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「一度だけ、申し上げておきます、総帥。大きな戦いの前ですし」
戦死するかもしれないので、言っておくということだった。秦容は、黙って次の言葉を待った。
「俺はここへ来て、よかったよかったと思っています。できるだけ、心を動かすまいとしてきましたが、人が生産をして生きていくことが、これほど素晴らしいと、ここへ来なければわからなかったでしょう」
恒翔が、ちょっと笑顔を見せ、腰を上げた。
秦容も、立ちあがった。
「礼を言う、恒翔。この地で、森を拓き、土を耕しながら、自分はここでなにをしているのだ、と何度も考えた。これでよかったのかと。いま、おまえはこれでよかった、と言ってくれたような気がする」(227p)
戦いが少なくなって、面白く無くなった。と感じている読者は多いと思う。けれども、町つくり、国つくりを戦いだとするならば、岳飛伝は、大きな戦いの連続であり、間違いなく岳飛ではなく、秦容がこの作品の主人公だった。楊令が始めた国つくりを、長いことかけて、梁山泊の若者や岳飛たちが、反芻して作り上げていった。岳飛伝とは、そういう物語である。
替天行道も盡忠報国も、「民のための国をつくる」その一点で、結局は同じだった、と秦容と岳飛が話し合う場面がある。
大きな戦いの前に、この大河物語のテーマがさりげなく示される。
2017年11月読了詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
長く付き合ってきたキャラだからなのか
このシリーズの中で久しぶりに(というか初めてかもしれないけど)笑った。あと数巻… -
李俊が飛んだ!
前巻ではよぼよぼのじーさん風であったのに、李俊はまだまだ現役なんだ!
「死ぬことは男だけの仕事ではない」と言って沙門島で死んでいった孫二嬢の仇はうったが、その手につかむことのできないものがあった…。
それでも李俊、生き続けてくれよ、と思う。
そして御年67歳の史進は誰よりも早く疾走する。
子午山に手を出すものは、死ぬよりも恐ろしい目に遭わせてくれようぞ。
今巻はじーさん二人に持って行かれたな。
ところで、カバー裏のあらすじだけど、燕青のエピソードは前巻のもの。
こういうミス以前もあったけど、編集者はちゃんと読んでないのかな。 -
さ、岳飛と秦容が南宋にけんかを売りに行くまで。金は帝がどうしても南宋に戦争を仕掛けたいところだが、上手く負けて方々の体で敗走。 さて梁山伯と金と南宋の三つどもえのの戦いは決着が付くか。
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レジェンド級大ベテラン達が、それぞれの闘いを繰り広げる。スタミナは無いけど、とてつも無い切味!
恐るべきジジイ達! -
感想は最終巻にて。
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史進、恐ろしいよ~~(((( ;゚д゚)))アワワワワ
彼を怒らしてはならない。
岳飛・秦容連合軍も順調。
さて、南宋はどう動くのか。 -
戦が、すごいんじゃぁ。
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金の南進で南宋軍との激突が迫る中、沙門島を陥落させた李俊は十三湊へと向かいますが、ひそかに愛していた瓊英はすでにこの世を去っていました。
梁山泊第一世代の別れと死が、いたたまれない哀しみをひきおこしていきます。