勝ち過ぎた監督 駒大苫小牧 幻の三連覇 (集英社文庫)

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  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (560ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087457681

作品紹介・あらすじ

北海道勢初の甲子園制覇、田中将大らの輩出、前人未到の三連覇へ王手……。短期間に数多の偉業を成し遂げた高校野球監督。栄光と挫折の舞台裏を、長期に亘る丹念な取材で解き明かす。(解説/野村進)

感想・レビュー・書評

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  • 成功の裏を丹念に取材されていて、一気に読みました。大阪桐蔭の監督もサイズアップされているようなので心配です。

  • 香田監督が駒大苫小牧がどのようにして強豪校に育てたかを関係者への取材をもとに分析したノンフィクション
    香田監督の凄さが存分にわかる、またいつか高校野球の監督をしてほしい

  • 物事に結果が出続けている時こそ、気を緩められない、他人からの目が気になる、人間不信になり得る等人間味溢れる監督の心情が読み取れるところが非常に興味深い。

  • 2021/04/17

  • 野球にはなんの興味もないけれど、ものすごく面白かった。

  • 駒苫ブームの裏側で何が起きていたか。密着していた筆者が明かす名物監督の苦悩に心が痛む。

  • プロローグにある“2004年夏の駒大苫小牧の初優勝がスポーツ新聞の一面を飾るために、アテネ五輪で首位を独走する野口みずきに「こけろ!」と念を送った”という記述に驚いた。
    野球至上主義もここまで拗れると病気かもしれない。

  •  奇跡の駒大苫小牧のほぼ3連覇を詳細に描く。
     実際の試合運びの描写もさることながら一貫して描かれるのは監督香田誉士史氏の葛藤である。
     
     甲子園には魔物が住む、という。

     最初に甲子園に出場した時、そして最初に優勝した時に受けた感謝、称賛はだんだん、「また寄付を集めないと」「応援の段取りは」と周囲のテンションが落ちてくる。

     そんな最中、チーム内で体罰騒動や卒業式を終えた三年生が居酒屋で飲酒喫煙していた不祥事が起きる。学校側の対応は香田抜きで決められ、学校と野球部の間にヒビが入る。

     最後、早実との決勝戦を戦った3年生(田中将大の代)が喫煙をしていたことがわかり、香田とは絶縁状態で卒業していく(その後復縁)。

     2連覇したところまでは甲子園では負ける気がしなかった、と香田も選手も語る。甲子園が球場ごと駒苫を応援し、乗せてくれた、と。早実との決勝戦のときは、駒苫応援団のいるアルプススタンド以外すべて「早実」を応援していた、と。ファンのきまぐれも甲子園の勝負を大きく左右する。

     「何をやっても駒苫には勝てる気がしない」とまで言わせたチームは香田が去ったあと、普通の高校野球チームになった。

     香田のような監督はもう出ない、と著者は書く。香田の真似はできても香田の生き様までは真似できないから、と。

     長編だがまったくだれることなく最後まで読み切った。長いのは香田の戦いを表現するために相当な字数が必要だったからだ。

  • 北海道勢初の甲子園優勝、史上五校目の夏連覇、そして前人未到の三連覇に王手を掛けた球史に残る早稲田実業との決勝再試合。駒大苫小牧を率いた監督・香田誉士史の栄光と挫折を描く渾身作。第39回講談社ノンフィクション賞受賞作。
    北海道の野球を変えただけでなく、高校野球の新しい戦法さえ生み出し、全国制覇という頂点にも立った。印象に残るのは、雪上練習とゲームにおけるバックアップの徹底。そして、勝ち過ぎた故の軋轢。高校野球は汗と涙だけで語られがちだが、人間の本質を突く世界でもある。

  • 第1章 幼年期(一九九五‐九七年)
    第2章 少年期(一九九八‐二〇〇〇年)
    第3章 青年期(二〇〇一‐〇三年)
    第4章 壮年期(二〇〇四‐〇五年)
    第5章 田中将大(二〇〇六年)
    第6章 老年期(二〇〇七‐〇八年)

    著者:中村計(1973-、千葉県、ノンフィクション作家)
    解説:野村進(1956-、東京都、ノンフィクション作家)

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著者プロフィール

1973年、千葉県船橋市生まれ。同志社大学法学部卒。スポーツ新聞記者を経て独立。スポーツをはじめとするノンフィクションを中心に活躍する。『甲子園が割れた日 松井秀喜5連続敬遠の真実』(新潮社)でミズノスポーツライター賞最優秀賞、『勝ち過ぎた監督 駒大苫小牧幻の三連覇』(集英社)で講談社ノンフィクション賞を受賞。他の著書に『佐賀北の夏』『歓声から遠く離れて』『無名最強甲子園』などがある。

「2018年 『高校野球 名将の言葉』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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